上記のようにお考えではないですか。
当記事では下記の事項について解説していきます。
【GPSについて】
【GPSとドローンの関係】
【GPS機能付きドローンの紹介】
当記事をご覧になれば、GPS機能付きドローンに詳しくなるでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
出典:(C) 内閣府
GPSとは「Global Postitioning System(グローバル・ポジショニング・システム)」の略で、全地球測位システムのことです。
対象物の位置が地球上のどこにあるかを、人工衛星を利用して把握するシステムなのです。
位置を把握するために使用する人工衛星システムを総称して、GNSS(Global Navigation Satelliite System)全球測位衛星システムと言います。
現在位置は、どのようにして分かるのでしょうか。
GPS衛星からの情報を受信するのには、電波を使います。
電波の速度は高速で一定なので判明している軌道上を飛行する人工衛星から電波信号を送信して受信機までにかかった時間により、人工衛星との距離がわかります。
【距離=速度×時間】なのです。
いくつかの衛星からの距離を把握することにより、現在位置がわかるのです。
現在位置を把握するには、最低4つの人工衛星が必要になります。
GPSの種類は、いくつかあります。
よく言われるGPSは、アメリカの現在位置を把握するために使用されている測位システムのことです。
アメリカ以外にも下記のように、国ごとに位置把握するための人工衛星があります。
人工衛星の名前 | 人工衛星の運用国 |
GPS | アメリカ |
GLONASS | ロシア |
GALILEO | EU |
BEIDOU | 中国 |
IRNSS | インド |
みちびき | 日本 |
日本の衛星「みちびき」は、2024年度中には7機体制となります。
みちびきが7機体制になると、常に日本上空には4機の衛星が飛行することになり、他国の衛星の援助なしに「みちびき」のみで現在位置を把握できるのです。
4つ以上の衛星がそろえば正確に現在位置が把握できますが、それでも人工衛星には誤差があります。
誤差の種類と生じる理由は、以下の通りです。
誤差の種類 | 解説 |
衛星軌道の誤差 | 衛星は地上から制御しながら軌道を飛行しています。予定した軌道からずれたり戻ったりして飛行しています。予定した軌道と実際の軌道にはズレが生じるのです。衛星軌道の誤差は、約4m以下です。 |
電離層による影響 | 電離層は太陽からの光によって発生し、日中が多く夜間が少なくなります。電離層は絶えず変化し、電波が通過時に遅延が発生することにより誤差が生じるのです。 |
受信機内部の時計の誤差 | 受信機の時計は衛星が使用している原子時計と異なり精度が悪く、時間がずれることにより誤差が生じます。 |
衛星数の不足 | 衛星の数が不足すると、衛星の位置や角度が悪いタイミングが発生し、誤差が起きるのです。 |
Selective Availability (SA) | アメリカ軍が出すGPSの精度を下げる信号のため、位置がずれます。現在は、ありません。 |
いろいろな条件により、誤差が生じるのがわかります。
出典:(C) JAXA
GPSを使用すると、現在位置が正確に把握できることが分かりました。
GPS機能付きドローンは、GPSをどのようにドローンに活用するのでしょうか。
GPS機能付きドローンは、GPSの力を借りてより安全に安定して飛行することができます。
GPS機能付きドローンについて、解説します。
GPS付きドローン機能 | 解説 |
自動帰還機能 | GPSの位置情報をもとに、ドローンが自動的に出発点に帰投する機能です。 |
フォローミーモード機能 | 自動追尾機能とも言い、設定した対象物を自動で追いかける機能です。 |
ウエイポイントモード | GPS座標を使用して、あらかじめ設定した場所を経由しながら飛行する機能です。 |
ホバリング機能 | ドローンを空中で待機させる機能です。 |
GPS付きドローンは、GPSの利用により多くの機能を使用できます。
ただしGPS付きドローンの機能には良いことだけではなく、考慮しなければならないこともあるのです。
GPS付きドローンは、GPSの機能を利用していろいろな機能をもっています。
それぞれ、GPS付きドローンにはメリットとデメリットがあるのです。
GPS付きドローンのメリット・デメリットの解説は、以下の通りです。
メリット | デメリット |
GPS機能が使用できれば、現在位置が正確に把握でき、現在位置情報をもとにGPS付きドローンにはいろいろな機能が装備できます。たとえば風があってもドローンは流されず、現在位置にとどまることができます。 | GPSが使用できないと現在位置が把握できず、例えば強風時には、風に流されて障害物に衝突する危険が出てくるのです。GPS機能を用いた追加機能が使用できなくなり、自動機能が失われます。 |
GPS付きドローン操縦中は突然自動機能がオフになることを想定して、常時ドローンの動きの監視が重要です。
メリット | デメリット |
自動帰還機能によりGPS付きドローンの紛失の心配がなく、安心できます。飛行の安全性が高くなります。 | 自動帰還機能は原則、現在地点から離陸地点に直線的に帰投します。※高度設定または障害物回避機能が無いドローンでは離陸地点と現在地点の間に障害物がある場合、衝突する恐れがあるのです。 |
GPS付きドローン自動帰還機能では、帰還時に直線的に帰還する点に注意する必要があります。
メリット | デメリット |
GPS付きドローンにターゲットを登録しておけば、自分でドローンを操縦することなく自動で追いかけてくれるので操縦力の軽減に役立ちます。 | 自動追尾時にGPSの高度情報をもとに一定高度で対象物を追尾するので、平地以外の高低差がある峠などでは追尾中に地面に衝突する可能性があるのです。上記のほか、法律の違反に該当するケースがあります。(バイクの自動追尾では、道路交通法や第三者・物件から30m未満の距離を保っての飛行では、航空法違反に該当します。) |
GPS付きドローンフォローミーモード機能では、機体独自のデメリット以外にも法律面も考慮する必要があるのです。
GPS付きドローンは最低4つの衛星が受信できれば、正確に現在位置を把握できます。
GPS付きドローンの誤差は受信できている衛星の数にもよりますが、約2mです。
衛星からの情報で現在位置を把握しているGPS付きドローンの誤差が約2mに対して、RTK搭載ドローンの場合は数㎝の誤差になります。
RTK搭載ドローンとは衛星信号からの現在位置の把握だけではなく、地上に基準局をもうけて、その基準局からの信号も参考にして現在地を把握するものです。
RTK搭載ドローンは現在位置が非常に正確になり、測量に使われるGPS付きドローンはRTK搭載ドローンになります。
GPS付きドローンはGPSがオフになると風に流されたり、ドローンの居場所がわからなくなります。
GPS付きドローン操縦中は常にGPSからの信号が切れた時を想定して、操縦するべきです。
航空機の操縦でも同じことが言えて、自動操縦で飛行中でもパイロットはすぐに操縦ができるように監視・準備をしているのです。
また、状況によっては自動操縦だけでなく手動操縦に切り替えて、技量維持に努めています。
GPS付きドローンも常にGPS操縦に頼ることなく可能であればGPSをオフにして操縦し、技量維持に努めるべきです。
200g以下のホビードローンなどで練習をしておくと、操縦が難しいので練習には良いでしょう。
飛行前には、GPS付きドローンのGPS電波の受信状況についても確認しておきます。
飛行空域によりGPSからの信号の受信が難しい場合は、現在の位置が分からなくなる可能性があります。
たとえば、山・谷・ビルの合間・建物の中などです。
山やビルなどで地平線付近からの衛星電波が届かない場合は、受信できるGPS衛星の数が限られる場合もあり、正確な現在位置がわからなくなります。
屋内で飛行する時も同じように、GPSからの信号が受信できない状況になるのです。
電波の特性として、ビル等の建物や地面では電波は反射されます。
GPS受信機の現在位置は衛星からの直接の電波を受信する時間差で位置を計算しているので、反射した電波を受信してしまうと現在位置とは違う位置情報と認識するのです。
ちなみに、室内でもスマホの現在位置情報は使えますが、スマホの場合はGPSから信号を受信して現在位置を把握しているのではなく、代替のA-GPS(Assisted GPS)というもので現在位置を特定しているのです。
ここではGPS機能付きのGPS付きドローンを3機、紹介します。
メーカー | Holy Stone | Potensic | DJI |
型式等 | H175 | DREAMER PRO | DJI Mini2 |
特徴 | 4Kカメラ付き折り畳み式バッテリーを含めて200g未満 | 3軸ジンバルと4K動画ドローンが撮影した画像をリアルタイムで転送可能 | 3軸モーター搭載ジンバル4Kカメラ折り畳み可能バッテリー含めて199g風速29~38km/hにも耐える最高高度3000mの飛行可能 |
機能 | リターンモードフォローミーモード高度維持 | リターンモードサークル飛行ポイント飛行フォローミーモード高度維持 | リターンモードサークル飛行などのクイック撮影機能自動離陸ホバリング |
サイズ(mm) | 360×300×70 | 370×334×210 | 対角寸法213 |
飛行時間 | 20分 | 28分 | 18分 |
操作距離 | 350m | 2kmの動画転送可能 | 6km動画伝送可能 |
価格 | 21,989円 | 45,990円 | 59,400円 |
写真 | |||
出典 | Holy Stone | Potensic | DJI |
出典:Lars NissenによるPixabayからの画像
いかがでしたか。
GPSとは、衛星を利用して電波の受信時間の差から計算して現在位置を特定しているものです。
現在位置を把握するには、最低4つの衛星からの信号の受信が必要です。
GPS付きドローンはこのGPSの機能により現在位置を把握し、その位置情報をもとにいろいろな機能を装備しています。
しかし、GPS付きドローンはGPSからの信号の誤差等から現在位置が正確にわからなくなると、自動システムがはずれ、マニュアル操縦になる可能性があります。
GPS付きドローンを操縦中は、常にドローンの動向を把握・監視し、もしもの場合にそなえて手動操縦に切り替える準備をしておきましょう。