ドローンメーカー「Anduril」を解説!主要ドローンや創業者も紹介

ドローンメーカー「Anduril」について解説します。アメリカの軍事用などにドローンを提供するメーカーで、主要ドローンや創業者も紹介します。

日本国内で「Anduril」のドローンを見かけることは少ないですが、米軍基地などでシステム導入はされているため、ぜひチェックしてみましょう。

ドローンメーカー「Anduril」とはどんな会社?

出典:(C)Anduril

ドローンメーカー「Anduril」の基本情報は以下の通りです。

企業名Anduril Industries
設立2017年
創業者Palmer Luckey
本社所在地アメリカ合衆国、カリフォルニア

またAndurilとはどんな会社なのか、以下の3点について解説します。

  • Andurilはアメリカ軍などに防衛技術などを提供
  • 日本の米軍基地にもAI監視システムが導入済み
  • Andurilの主な事業内容

Andurilは会社名を聴いたことが無い方も多いかもしれませんが、アメリカ国内では軍用にドローン技術や防衛技術を提供するなど重要な位置にある企業です。

今後日本の領空防衛などにも活用される可能性があるため、ぜひAndurilについて押さえておきましょう。

Andurilはアメリカ軍などに防衛技術などを提供

Andurilは2017年にPalmer Luckey(パルマ―・ラッキー)氏が創業したドローンメーカーです。ドローンだけでなく、AIセンサーなどのテクノロジーを、アメリカ軍の防衛用などに提供しています。

例えば、迎撃用ドローンの「Roadrunner(ロードランナー)」は、最高速度時速1,100キロに到達し、敵対する航空機が近づいてくると弾頭を装備したRoadrunnerが自爆攻撃を行います。

他にも、情報監視システムの「Lattice」は米国とメキシコの国境に配備されている移民監視システムに搭載されており、不法移民を検出して検挙へ繋げることが可能です。

民間用には提供されていないものの、Andurilのドローン技術はアメリカ国内の公共安全のために用いられているのです。

Andurilの主な事業内容

Andurilの主な事業内容は以下の通りです。

  • AIを活用した監視・防衛システム「Lattice」の提供
  • 各種ドローンの開発・販売
  • 自律型水中探査機の開発・販売
    など

ドローン技術だけでなく、防衛に関わるテクノロジー全般に精通した企業です。特に、AIを活用した「Lattice」はAndurilの核ともよべる技術となっています。

各種ドローンなどとも協調が可能で、アメリカの安全保障に貢献しているシステムです。

日本の米軍基地にもAI監視システムが導入済み

Andurilの技術は、日本国内にある米軍基地にも導入されています。

基地周辺の人や車両、船舶などを24時間体制で監視するシステムを導入しており、Andurilのセンサーシステム「Latice」を活用しています。

また、住友商事グループの防衛・航空宇宙分野の専門商社「住商エアロシステム株式会社」は、2023年8月にAndurilとの協業を公表しました。

AndurilのLatticeを用いて、防衛省と共に日本の安全保障をより強固なものにすべく取り組むようです。

参考:住商エアロシステム株式会社「防衛技術企業 Anduril Industries, Inc.との日本向け協業に関する覚書(MOU)

Andurilの創業者「パルマ―・ラッキー」と共同設立者について解説

出典:(C)Anduril

Andurilの創業者「パルマ―・ラッキー」と共同設立者について、以下の3項目を解説します。

  • VRで有名な「Oculus Rift」を開発しFacebookに売却
  • Facebook解雇後2017年にAndurilを設立
  • Andurilの共同設立者

Facebookなどとも関わりがあり、VR技術の「Oculus」の開発者としても有名な人物です。

VRで有名な「Oculus Rift」を開発しFacebookに売却

パルマー氏は、最初からドローンに関連する事業を行っていたわけではありません。

2012年に設立した「Oculus」にてVRヘッドセットである「Oculus Rift」を開発しました。その後、2014年3月にはあのFacebook社に20億ドルで売却されることになります。

Facebookのマーク・ザッカーバーグは、当時からVRなどを活用した仮想現実「メタバース」へ巨額の投資を行っていたことでも知られ、「Oculus」の買収もその一環です。

Facebook解雇後2017年にAndurilを設立

Facebookに買収され、しばらくはFacebookの傘下として働いていたパルマー氏ですが、2017年に突如として解雇されることになります。

その理由は明かされていないものの、パルマー氏としても「解雇は自身の選択では無かった」と後に語っており、突然の人事であったようです。しかし、Facebookを解雇されたわずか3ヶ月後に、4人の人物と共に「Anduril」を設立します。

Andurilの共同設立者

Andurilの共同設立者は以下の4人で、各人物の経歴なども紹介します。

名前概要
Brian Schimpf・AndurilのCEO
・情報機関など多くの政府機関で従事した経験がある・PayPal創業者のピーターティールが創業したPalantir Technologies社の元社員
Trae Stephens・Andurilのチェアマン
・Palantir Technologies社の元社員
Matt Grimm・AndurilのCOO・Palantir Technologies社の元社員
・米国防情報局や米海軍のアドバイザーとしても活躍していた
Joseph Chen・Oculusの創業メンバーの一人・元米国陸軍所属

見ての通り、Palantir Technologies社出身の人物が多いのが特徴となっています。意外にもドローンに関する経歴を持つ方は少なめです。

Palantir Technologies社は、ビッグデータを取り扱うデータ分析の専門企業です。

創業者のピーター・ティールは、PayPal創業者でありドナルド・トランプ大統領の元政策顧問でもある人物で、「影の米国大統領」とも呼ばれる人物。

元々輝かしい経歴を持つ人物が集まって創業されたのが、Andurilという企業です。

Andurilの主要なドローン

出典:(C)Anduril

Andurilの主要なドローンについて、以下4点を解説します。

  • Roadrunner
  • Ghost 4
  • Fury
  • ALTIUS-600

一般発売はされていませんが、どんなドローンを取り扱っているのか、興味がある方はチェックしてみましょう。

Roadrunner

「Roadrunner」は、ロケットのように垂直打ち上げを可能とするドローンです。ツインターボジェット エンジンとモジュラーペイロード構成により時速1,100kmの亜音速での航行を可能としています。

これにより、弾頭を搭載したRoadrunnerを敵航空機などを補足して自爆攻撃を行うことが可能です。AIを搭載することで、一人のオペレーターが複数のRoadrunnerを監視・運用できるように構築されているのも特徴。

また、Roadrunnerの輸送・格納用として使用する「Nest」とよばれる箱は、数秒以内の打ち上げを可能にし緊急のオペレーションにも即座に対応できるのが利点となっています。

Ghost 4

「Ghost 4」は、ヘリコプターのような形状をした軍用ドローンです。OSとしてAndurilのLatticeを搭載しており、全長約2.7mとサイズは大きめ。

過酷な気象条件下でも100分以上の連続航行を可能としており、約15kgの物資を運搬・投下できるのも特徴です。AIセンサーを搭載しており、人やミサイルを識別して追跡できるだけでなく、情報をLatticeに送り返すこともできます。

自律飛行とリモート操縦どちらにも対応したドローンで、ケースに折りたたんでオペレーターが1人で2分程度で組み立てられる携帯性の高さも魅力となっています。

Fury

「Fury」は飛行機のような形状をしたドローンです。AIを活用した自律飛行型の戦闘機で、Roadrunnnerと同じく最高時速1,100kmでの航行を可能としています。

2023年9月に発表されたばかりの最新鋭の機体で、納入先として米国防総省の名前も挙がっています。

ALTIUS-600

ALTIUS-600は飛行機のような形状をした軍用ドローンです。

偵察・戦闘用ドローンである「Altius-600」と、自爆ドローンの「Altius-600M」の2種類があり、アメリカ国防省からウクライナへ提供された兵器の中にも含まれています。

車両などに取り付けられた発射台から打ち出すことが可能で、4時間以上もの長い飛行時間を実現しているモデルです。

Andurilは主にアメリカの軍事・防衛にドローン技術を提供

出典:(C)Anduril

この記事では、ドローンメーカー「Anduril」について解説しました。Andurilは、主にアメリカ軍などに軍事・防衛用の技術を提供する企業です。AIを活用した監視・調査システム「Lattice」の運用によって効率的にドローンを活用できるようになっています。

一般発売はされていないAndurilのドローンですが、日本国内でも企業協業の流れがあります。今後Andurilのドローンやシステムを見かけることがあるかもしれないため、要チェックです。


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この記事を書いた人
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