精密機器であるドローンは、本来水には弱いものですが、中には防水機能が搭載されたドローンもあります。そこで本記事では、ドローンの防水機能や、防水機能付きの機種を紹介。
雨天などの撮影や、業務で天候に関わらずドローンを飛行させたいという方はぜひ参考にしてみてください。
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防水ドローンとはどんなドローンなのか、特徴や押さえておきたいポイントを解説します。
防水ドローンとは水に強いドローンのことですが、一口に防水ドローンといってもいくつか種類があります。また、防水性能を示す「IP〇〇」という表記についても解説。
防水ドローンの購入を考えている方は、上記の内容を押さえたうえで適切な機種を選択してください。
防水ドローンとは、その名の通り防水性能を備えたドローンのことです。一般的なドローンは水に弱く、雨天などで内部に水が浸水すると故障の原因ともなります。
しかし、防水ドローンは内部に水が浸透しないように密閉性が高く、雨天でも飛行できるのが利点です。業務用など天候に関わらずドローンを飛ばしたいときに重宝します。
また、撮影時のアクシデントで急遽海や川の上に着水してしまった場合でも、一般的なドローンと比べると故障しにくいのもメリットとなっています。水辺での撮影を行う方にはおすすめのドローンです。
ドローンといえば複数のプロペラで飛行するマルチコプターをイメージするところですが、防水ドローンの中には水中専用のモデルもあります。ダイビングスポットなどでドローンを潜航させ、水中の写真や動画を撮影します。
中にはVRゴーグルに映像を転送し、まるで自身が水中を泳いでいるかのような映像体験ができるものもあるので、ダイビングが好きな方やリゾート地など海が綺麗な場所によく旅行に行くという方に向いています。
防水性能は「IP○○」という形式で表されます。これは、防水・防塵性能を示す規格のことで、「IP」は「International Protection」の略で、電気機器の保護構造を表す国際的な規格です。
IPの後ろには「IP65」や「IPX6」などのようにXまたは数字が入ります。前の数値は防塵性能で後ろの数値は防水性能を表しており、防塵性能は7段階、防水性能は0~8の9段階で示されます。
例えば、「IP66」の製品は「粉塵が内部に入らず、いかなる方向からの強い噴流水であっても有害な影響を受けない」という高い防塵・防水性能が保証されています。
「IPX6」の場合は「いかなる方向からの強い噴流水であっても有害な影響を受けない」という防水性能が保証されています。Xは防塵性能が無いということではなく、特に試験が行われていないということです。
防塵性能や防水性能が無い場合は「IP00」となります。防水用ドローンであれば、「IPX6」や「IP66」など6以上の防水性があると安心です。
防水用ドローンは以下のような場所・シチュエーションで活用できます。
基本的には、濡れる可能性がある場合に防水ドローンは活用できます。業務における設備点検や救助活動など、雨天でもドローンを飛ばさなければならない場合に便利です。
また、中にはフローティングパーツを付けて船のように水上に浮かべられる機種もあるのでチェックしてみてください。
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防水ドローンのメリットを4点解説します。
もちろん、水に強いことが利点となる防水ドローンですが、より具体的にどういったシチュエーションで活用できるのかも紹介します。ドローン購入にあたって、防水機能が本当に必要なのか迷っている場合は、本項の内容を参考に検討してみましょう。
基本的には、雨天や水辺などでドローンを飛行させる機会が多い方は、防水ドローンの購入を検討するのがおすすめです。
まず、防水ドローンは撮影時の天候に左右されにくいのがメリットです。業務などで使用する場合には、天候に関わらずドローンを飛ばさなければならない場合もあるのではないでしょうか。
防水ドローンなら、雨天でも飛ばせるものが多いので業務用として適しています。ただし、雨は大丈夫でも強風を伴う場合は風に煽られて危険なので、状況をよく確認してからドローンを飛ばしましょう。
水辺や船の上からなど、万が一海や川などに落下する可能性がある場合は防水ドローンは安心感があります。水に沈んでしまうと回収が困難になる場合もありますが、防水ドローンは密閉性が高く落下しても水上に浮いている可能性が高いです。
中にはパーツを付けて水上を走行できる機種もあるので、海上の撮影を楽しみたい方におすすめです。
防水ドローンなら多少水が跳ねても問題ないため、水面ギリギリの飛行・撮影に活用できます。本来精密機器のドローンは、水面スレスレを飛ばすのは落下したときのリスクが高くおすすめできません。
しかし、防水ドローンなら水濡れに強いので通常のドローンよりも水辺における撮影がしやすくなるでしょう。
天候に左右されにくく、多少の水濡れをものともしない防水ドローンは、特に業務用には使い勝手が良いでしょう。梅雨の時期など、雨天が続いてなかなか設備点検や観測が進まないといったこともなく、雨天決行のイベント撮影などでも飛行できます。
風が強い荒天時はさすがに厳しいものの、「多少の雨でもドローンを飛ばさなければならない」という方は防水ドローンの導入を検討してみてください。
出典:(C)SWELLPROJAPAN
おすすめの防水用ドローンを3点紹介します。
一般的なマルチコプタータイプのドローン2種に加えて、水中専用のドローン1種を解説。各ドローンにはそれぞれ特徴があるので、自身に合った機種を選択してください。
いずれも高い防水性能を備えているので、雨天や海上など水没の可能性があるシチュエーションでドローンを運用する方に向いています。
「防水ドローンが欲しいけどどれを買えばいいか分からない」という方は、上記の中から検討してみてはいかがでしょうか。
出典:(C)SWELLPROJAPAN
機体名 | Swell Pro Splash Drone4 |
メーカー | Swell Pro |
参考価格(税込) | 482,790円 |
防水性能 | IP66 |
重量 | 2.18kg |
最大飛行時間 | 30分 |
最大速度 | 上昇:14.4kg下降:14.4kg飛行:36km/h(GPSモード時) |
Swell Pro製のSplash Drone4は、最高水準の防水性能と防水3軸4Kカメラを搭載したドローンです。機体本体だけでなくカメラにコントローラーも防水なので、水上や雨天での業務にも使用しやすいモデルとなっています。
また、2.4GHzチャンネルを使用した最大5km程度の映像伝送と、大容量バッテリーによる30分程度の長時間飛行を可能としています。水面上で裏面にひっくり返っても、スタンバイ状態に戻すことで自動で元の姿勢に戻るので安心です。
さらに、専用のフロートパーツを取り付ければボートモードとして水上の走行が可能に。アプリで設定すれば自動操縦もできるなどさまざまな機能が搭載されたハイエンドモデルです。
業務用として防水ドローンの購入を検討している方におすすめの1台となっています。
出典:(C)PowerVision PowerEgg X
機体名 | PowerEgg X |
メーカー | PowerVision |
参考価格(税込) | 129,220円 |
防水性能 | IPX6 ※防水アクセサリーの取り付けが必要 |
重量 | 862g |
最大飛行時間 | 30分 |
最大速度 | 18m/s |
PowerVision製のPowerEgg Xは、ドローンとしてだけでなくハンディカメラとしても使用できるモデルです。その名の通り卵型のコンパクトなサイズになり、手持ちのビデオカメラとして使用可能。
ドローンモードでは、4k/60fpsの3軸ジンバルカメラで高画質かつダイナミックな撮影ができるだけでなく、搭載された大型プロペラにより耐風5級と風にも強いのが特徴です。加えて、30分の長時間飛行ができるのも魅力となっています。
本体自体には防水性能はありませんが、別で防水アクセサリーを付けることでIPX6の耐水性を獲得し、水上着陸も可能です。パーツを取り付ければ雨天の飛行もできるので、万が一の雨に備えたい方におすすめです。
出典:(C)PowerRay
機体名 | PowerRay |
メーカー | PowerVision |
参考価格(税込) | 89,000円 |
防水性能 | 海水・淡水 ※水中専用 |
重量 | 3.8kg |
最大稼働時間 | 4時間 |
最大潜航深度 | 30m |
最大前進速度 | 1.5m/s(静水中) |
PowerVision製のPowerRayは、水中専用のドローンで、深度30mの海水・または淡水に潜らせて撮影ができます。4KUHDカメラを搭載しており、水中の映像・写真を鮮明に撮影できるのが魅力です。
2つの水平スラスターと1つの垂直スラスターにより、最大速度1.5m/sで航行可能。さらに優れた姿勢制御により±10cmのホバリング精度を実現しています。
稼働時間も長く、一度の充電で最大4時間運用可能で、水中の映像はスマホ画面で確認できるだけでなくVRゴーグルで臨場感ある映像体験もできます。
他のドローンとは異なり空中の飛行はできませんが、水中の撮影を楽しみたい方にはおすすめです。水中を潜行することが前提なので、当然防水性能は申し分なく、安心して水中の映像を楽しめるでしょう。
出典:(C)PowerVision PowerEgg X
本記事では、防水ドローンの特徴やおすすめ商品を解説しました。防水ドローンは雨天や水辺での撮影にも適した、防水性能を備えたドローンです。
一般的なドローンでは難しい雨の中での撮影だけでなく、天候に左右されにくいため業務用としてもおすすめです。機種によっては水中専用だったり、ボートのように水上を走行できるものだったりとさまざまな機能が搭載されています。
どんな製品を購入したらいいか分からない方は、ぜひ本記事で紹介したモデルも参考にしてみてください。