近年、ドローンの遠隔操作を行う技術が飛躍的に高まっています。
本記事では、ドローンを遠隔操作する仕組みや、ドローンを遠隔操作できる人はどのような方かを紹介します。
ドローンを飛行させる場合、通常はドローンを目視しながら操作を行います。
この場合、高度は150m未満、ドローンと操縦者の距離は100~300mが目安です。これに対して目視せずに飛ばす事は、別名目視外飛行と言い、”文字通り操縦者の目が届かないところでドローンを操縦します。”
次の項で詳しくドローンの遠隔操作の方法について解説します。
目視をしながらドローンを飛行させる場合、ドローンに2.4GHzの電波を飛ばしてコントロールします。
一方、目視外飛行させる場合は操縦者はドローンに搭載されたカメラとGPSからドローンがどこを飛んでいるかを把握し、リモートコントローラーで機体を操作するのです。
ドローンに搭載したカメラからの映像を映すモニターは、ノートパソコンなどの電子機器を利用します。また、GPSはスマホなどで追跡が可能です。
つまり、ドローンの遠隔操作は特別な機材を新たに購入しなくても、システムを導入すればできるようになります。現在、ドローン関連の会社や自治体、旅行者などが連携して遠隔操作の実証実験が行われています。
現在、ドローンの遠隔操作(目視外飛行)は航空法第132条によって制限されており、実行したい場合は飛行許可を申請し、国土交通大臣からの許可を得なければなりません。
また、目視外飛行を行える方は「基本的な操縦技量の習得」した方に限られています。
ただし、ドローンが目視できる範囲に監督者として経験豊富なドローンの操縦者が待機し、万が一ドローンが不穏な動きを行った場合にすぐに遠隔操作に介入してドローンを安全に着陸できるような体制を整えている場合は、その限りではありません。
実際、遠隔操作の実証実験では、ドローンの目視圏内に監督者を配置して、万が一の際にすぐに操縦に加入できる体制を整えたうえで、ドローンの操縦経験がほとんどない方に遠隔操作の経験をしてもらっているケースもあります。
ドローンを遠隔操作できれば、物流・検査・測量など色々な現場でドローンが活用できる範囲が広げられます。
2022年12月より、ドローン関連で初の国家資格、無人航空機操縦士の資格が設立されました。取得すれば、目視外飛行の手続きも簡略化できます。
ドローン関連の会社も遠隔操作のシステム造りに積極的です。
ドローンの遠隔操作は、現在のところドローンの操縦技術を身に着けた経験豊富な操縦者しか原則として行えません。しかし、経験豊富な操縦者がドローンを目視できる範囲に「監視者」としていれば、ドローンを操縦したことがない方でも操縦が可能です。
将来的に物流や検査、測量などで遠隔操作するドローンが活躍する可能性は十分にあります。