ドローンは娯楽でしょうか?
私たちのドローンにイメージはロシア・ウクライナ戦争で大きく変わり、軍用ドローンの脅威が世界中に広く認知されました。
軍用ドローンは戦争になくてはならない存在です。
世界中で軍用ドローンの開発が進んでいます。日本の現状も踏まえながら紹介します。
出典:(C) Amber ClayによるPixabayからの画像
戦争の戦術は目まぐるしく変化しています。
軍用ドローンは戦争の戦術を大きく変えた一つです。
2022年2月、ロシアがウクライナを侵攻したことではじまったロシア・ウクライナ戦争の特徴の一つに、どちらの国も大量の軍用ドローンを使用しています。
テレビやニュースでウクライナやロシアの悲惨の状況をみると、現実世界で起こっているとは信じがたいですが、ウクライナが大国ロシアと約2年間戦えているのは、軍用ドローンの存在が大きいです。
ロシアとの大きな戦力差を抱えたウクライナでは、安価で大量に用意できるドローンが重要な役割を担っています。
元々ドローンは軍事利用を目的として開発が始まりました。
私は空撮やドローンレースなどの趣味・娯楽からドローンを知ったので、ドローン開発の経緯を知ったときは驚きました。
ドローンの歴史を調べると、第2次世界大戦時にアメリカなどは爆弾を搭載した軍用ドローンの開発を開始していたそうです。
技術的な課題や費用対効果などから実用には至らなかったものの、約1世紀前からドローンの開発は進んでいます。
アメリカの歴史を辿ると、はじめドローンは射撃訓練における標的機で使われていました。
1970年代から偵察用途での軍用ドローンの開発が進み、1990年代には軍用ドローンが戦争現場に投入されました。
世界中の軍事関係者が軍用ドローンを注目したのが、2020年に起きたアゼルバイジャンとアルメニアによる「ナゴルノ・カラバフ紛争」といわれています。
アゼルバイジャンはトルコ製の「バイラクタルTB2」やイスラエル製の徘徊型自爆ドローン「ハーピー」を用い、アルメニアの防空システムや戦車を次々と破壊しました。
注目された大きな理由の一つが、軍用ドローンはアメリカや中国などの大国が保有しているものと認識が覆されたことです。
ナゴルノ・カラバフ紛争により、ドローンは誰でも使えるという認識に変わりました。
出典:(C)時事通信社
世界中で軍用ドローンの開発が進んでいますが、アメリカ製軍用ドローンは性能が高いことで有名です。
「プレデター」や「リーパー」は最高度の攻撃精度をもち、ドローン戦争を支配していました。
「プレデター」は攻撃能力を持つタイプで全長8.238.23ですがmながら、主翼のが14.84m長く長距離飛行に向いています。ています
飛行音が小さく、音もなく敵地に忍び込むことができまするほか、
航続距離が約730730kmキロあります。
ます。
「リーパー」は、攻撃能力が特に高いです。
「プレデター」の改良タイプで、当初は「プレデターB」と呼ばれていました。
主翼下に外部兵装を搭載し、ミサイルやレーザー誘導爆弾などの精密誘導兵器を使用できます。
約1万5000m上空から情報収集し、リアルタイムで管制センターが確認が可能で、軍用ドローンとしての機能、搭載兵器の破壊力は他の軍用ドローンを上回っています。
しかし、「プレデター」や「リーパー」は1機が約2,000万ドルと高価なこと、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)の輸出規制に引っかかるため輸出先が限られてしまう問題点が挙げられます。
最近では、このような問題を解決する中国製、イラン製、トルコ製などの低予算型モデルが人気を集めています。
MTCRの規制を受けず、1機300万ドルから購入できる中国製、イラン製、トルコ製の軍用ドローンが人気を集めています。
アメリカ製に比べると安価で購入できるので魅力的です。
軍用ドローンで注目集めているのは、ロシア・ウクライナ戦争で、ウクライナが使っているトルコ製「バイラクタル」、ロシアが使っているイラン製「シャヘド」です。
トルコが開発した小型ドローン「バイラクタル」は、時速は最大220km、交信距離は約300km、航続時間は27時間といわれています。
地上基地と映像を共有できるカメラと組み合わると、地上から集中砲撃の指示を出すこともできる強力な兵器となります。
トルコ軍は2016年に「バイラクタル」を使用しました。
それ以来、リビア、シリア、エチオピア、アゼルバイジャンの国が戦争で使用しました。
2022年、ウクライナが「バイラクタル」を使いロシアの侵攻を阻止したことから軍用ドローンとして世界中で知れ渡りました。
イラン製軍用ドローン「シャヘド」は長距離ミッションに向いています。
時速最大600km、約50kgの弾頭を搭載することができ、航続距離は最大2500kmです。
なにより、「シャヘド」は価格は約2万(約290万)で購入ができるので、安価で軍用ドローンを入手できます。
ロシアが調達してウクライナへの攻撃に使用していることで有名となりました。
ウクライナ軍が「シャヘド」の大半を破壊するため、ロシアは2023年11月に「改造版シャヘド」をウクライナに送り込むようになりました。
改造版シャヘドは、ウクライナの防空システムに検知されにくいように、黒っぽい色に塗られているそうで、現場を考えると恐ろしいです。
中国製の攻撃型軍用ドローン「翼竜3」は最大1万kmの航続距離、最大航続時間は45時間です。
アメリカ製ドローン「リーパー」を意識して開発されたそうです。
全長12.2ⅿ、翼幅24ⅿ、高さ4.3ⅿと中国製軍用ドローンでは大型といわれています。
中高空・長航続時間の多用途ドローンシステムで、24時間、全天候、全域、マルチシーンの任務遂行能力を持ちます。
「翼竜3」の価格は約100万ドルで、「リッパー」は約3000万ドル。1/30の値段は魅力的ですね。
日本は軍用ドローンに対する意識がとても低いといわれています。
国会において、複合型ドローンの取得の是非を問うた井坂信彦衆院議員の質問に対し、岸田文雄首相は「偵察とともに攻撃を実施できる無人化された装備品の取得について具体的な計画はない」と表明しました。
戦争をしない日本には軍用ドローンは必要ないと思われているのが伝わりますね。
軍用ドローンだけではなく、航空法などの規制も厳しく、ドローンに対する課題は山積みです。
日本の軍用ドローンに対する認識が変わったのは2022年12月です。
安保3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)で、ドローン施策を大きく転換しドローンをはじめとする「無人アセット」を「防衛力の抜本的強化策」の一つとしました。ナゴルノ・カラバフ紛争やロシア・ウクライナ戦争での軍用ドローンの活躍が大きな影響を与えたといわれています。
さらに、日本周辺の国によるドローンの利用が多く報じられることも要因の一つです。
たとえば、2023年4月に中国のドローンが台湾を一周したことが報じられ、張感が走りました。2023年7月には北朝鮮で新型ドローンとみられる映像を公開しており、韓国軍はその脅威に対応するため、2023年9月に対策本部を設立しました。
もはや、日本も軍用ドローンの脅威にさらされる時代に突入したといえますね。
出典:(C) Laurent SchmidtによるPixabayからの画像
軍用ドローンは戦争の戦術を変えたきっかけの一つですね。
ただ楽しい、面白いドローンと違い、とても恐ろしい機能が多く実際に被災者の方の恐怖が計り知れません。
軍用ドローンを使うと戦争で優位になるのは明らかです。
今後軍用ドローン以外にも戦争を大きく左右する兵器が開発されるかもしれません。
私たち民間人の逃げ場はないように感じます。
近未来でも注目を集めているドローン。明るい未来のドローン開発が進んでほしいと願います。