ドローンには多種多様の型が存在します。
VTOL型ドローンをご存じでしょうか?
VTOL型ドローンは、従来のドローンでは難しいといわれていた課題を解決します。
今回はVTOL型ドローンの特徴と日本企業「エアロセンス」のVTOL型ドローンを紹介します。
VTOLはVertical Takeoff and Landingの略で、固定翼型ドローンのような高速巡航が可能で、ヘリコプターのように垂直離着陸ができるドローンです。
VTOL型ドローンは固定翼型ドローンと回転翼型ドローンのメリットを併せもつドローンといわれています。
固定翼型ドローンと回転翼型ドローンの違いについて説明します。
固定翼型ドローンは、長時間と長距離を飛べることがメリットです。離着陸には滑走路などの広いスペースを必要とし、最小回転半径をもつため狭い場所では使用できないデメリットがあります。
回転翼型ドローンは短時間と短距離のデメリットを持ちますが、垂直離着陸やホバリングが可能であり、運用性が高いのがメリットです。
世の中に普及している多くのドローンは回転翼型なので運用性の高さがわかりますね。
VTOL型ドローンは、従来のドローンと比較して、より広範囲に、より遠くまで飛行することが可能なるため、測量・点検・物流・農業において活躍の場が広がっています。
世界でもVTOL型ドローンは開発が進んでいます。
アメリカのAmazonが開発しているVTOL型ドローンは、3つのラインが平行に並んだようなユニークなデザインです。真ん中の本体に荷物を自動で詰め込み、両側のプロペラで浮きあがり、尾翼に付いたプロペラで水平飛行できるようになっています。すでに実機の試験飛行も行われていて今後が楽しみです。
ドイツの国際輸送サービス企業のDHLが開発したVTOL型ドローン「Parcelcopter」は、頭を上に向けて立ったままの姿勢からまっすぐ空に向かって飛び立ち、ある程度の高度になったところでふわりと姿勢を水平に変え、高速飛行できるというタイプです。
日本企業も負けていません。
東京に本社を構えるエアロセンスが開発したVTOL型ドローン「エアロボウイング」を紹介します。
出典:(C)エアロセンス
エアロセンスは「ドローン技術で変革をもたらし、社会に貢献する」をミッションに、2015年に設立されました。
様々な産業の現場で「使いやすい」を追求し、測量・点検・監視・物流などのドローンを提供しています。
建設業などの測量分野では、全国3,000カ所以上の現場でエアロセンスのドローンが活用されており、人気が高いですね。
2020年に発売したVTOLドローン「エアロボウイング」は高速で飛行することができ、長距離・広範囲の点検や監視などの強みを持ちます。
VTOLドローン「エアロボウイング」を使った点検や測量などの運航ニーズが全国各地に広まる一方で、エアロセンス自社内での運航オペレーションの体制整備や普及強化が課題でした。
これらの問題解決の糸口となったのが、NTTとの提携です。
2023年2月、VTOLドローン「エアロボウイング」普及のため、NTT東日本グループのNTT e-Drone Technology(以下、NTTイードローン)と業務提携を結びました。
NTTイードローンは、エアロセンスの課題であった運航オペレーションの解決策として、エアロボウイングの運航オペレーターとして、NTTイードローンからオペレーターを運航現場に派遣し、運航のオペレーションを実施します。
さらに、NTTイードローンはVTOLドローン「エアロボウイング」を普及するために、各企業や自治体などへの山間部、河川等での広域にわたる点検や測量などの実施提案をします。
大手企業で提携することで、VTOLドローン「エアロボウイング」が全国各地に、さらに広まっていくでしょう。
エアロボウイングは最長50km、最高度100km/hの高速飛行が可能で、山間部の点検や海域の巡視、河川沿いの調査飛行など、長距離・広範囲の飛行が必要な場所で活用されています。
2023年1月20日、国の資産や社会経済活動の中枢機能が集積している荒川下流でVTOL型ドローン「エアロボウイング」の実証実験が行われました。
荒川河川上の往復約14kmの距離をわずか10分で飛行し、VtOL型ドローンの特徴を最大限に生かした実証実験として成功を収め、災害発生後、迅速な被害状況の広域的な点検手法として有益な検証の機会となりました。
出典:(C)Pixabay
VTOL型ドローンを知れば知るほど魅力がいっぱいですね。
VTOL型ドローンの普及によって、一次産業はさらに発展するでしょう。
VTOL型ドローンは世界各国で、開発が進められています。
私たちがあたり前と思っていたドローンの形が変わるかもしれません。
実際にドローンが街中を飛び回るとき、VTOL型ドローンが一番普及していると思っています。
今度もドローンの発展を一緒にみていきましょう。