ドローンが飛行できる高度とは?法律や機能による限界も解説

ドローンをどのくらいの高度まで飛べるのか、気になる方も多いでしょう。

ドローンが飛行できる高度は大きく分けて2つあります。

1つが、機体の機能として飛べる高度、もう1つが法律で定められた高度です。

本記事では、ドローンが飛行できる高度について法律と機能、両面から解説します。

ドローンは機能的にどこまでの高度を出せる?

出典:(C) Florian PircherによるPixabayからの画像

はじめに、ドローンは機能的にどこまで高度を出せるか紹介します。

ドローンがどこまで飛べるかは製品によって異なります。

法律でドローンの高度は規制されていますが、自分が所有するドローンがどこまでの高度が出せるかは確認しておきましょう。

ドローンの高度は「最高高度」で確認できる

ドローンが飛べる最高高度は、「航行限界高度」などの表記で説明書に表記されているので、ドローンを購入したら確認しておきましょう。

個人が飛ばしたドローンの高高度飛行記録では、ロシアの動画サイトで1万メートル以上の高さまで飛行させる様子が公開されており、それが非公式ながら最高高度に近いのでは?と言われています。

また、アメリカ航空宇宙局 (NASA) が開発したソーラー発電ができる無人航空機(プロペラ機)が2001年に2万9511 メートルまで到達した記録があります。

つまり、高性能なドローンならば高度1,000m程度ならば問題なく飛ばせるでしょう。

最高高度の制限が設定されて自動制御されているドローンもある

高さ1,000m以上でも問題なく飛べるドローンであっても、安全のために一定の硬度になると自動で制御がかかる製品が大半です。

制御を外したりドローンを自作したりすれば、ドローンを高高度まで飛行させることは可能です。

ただし、日本では法律によってドローンを飛行させる高度が制限されています。

また、人気のない場所であっても高高度までドローンを飛行させた結果ロストすれば、大事故につながる可能性もあります。

興味本位でもドローンを高高度まで上昇させないようにしてください。

 法律で定められたドローンの高度は?

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日本ではバッテリーを含めた総重量100g以上のドローンは、航空法によって無許可で飛行できる高度が決められています。

ここでは、法律で定められたドローンの高度について解説します。

無許可で航行できる高度は地上高150mまでと解説

航空法では、無許可でドローンが飛行できる高度は「地上高150m」までです。

地上高というのは、地面からの高さです。

例えば、富士山の山頂からドローンを飛ばす場合、富士山の標高が3776mなので、海抜で考えると富士山の山頂からは実質ドローンの飛行が不可になります。

したがって、ドローンを飛ばす場合は地面から上空150mまでが許可なく飛行させられる高度です。

つまり、富士山の山頂でドローンを飛ばす場合は、3776m+150mとなります。

ただし、ビルの屋上などでドローンを飛ばす場合は地面からの距離で測定されます。

したがって、高さ150m以上のビルの屋上からはドローンは飛ばせません。

山などと混同しないように気をつけましょう。

ただし、高低差がある地面でドローンを飛ばす場合は要注意です。

例えば、高さ100mの崖の上から30mの高度でドローンを飛ばし海の上まで飛行させた場合、ドローンの高さは海に出た時点で130mになります。

地上高が一気に100m下がれば、その分が高度に反映されるのです。

したがって、山の上から谷までドローンを飛ばして空撮する場合、少し高度を上げると150m以上になる可能性もあるので、注意してください。

総重量100g未満のドローンに行動制限はない

総重量100g未満のドローンは、屋内での飛行を想定されています。

また、100g未満のドローンは機体の造りも100g以上のドローンと比べて華奢なので、あまり高度を出せません。

それに加えて、100g未満のドローンは航空法の適用外です。

そのような理由から、総重量100g未満のドローンに行動制限はないのです。

しかし、総重量100g未満のドローンでも高さ50m程度のビルの屋上で飛ばす、といったことは可能です。

高さ50m程度のビルの屋上からドローンを高度20mで飛ばし、万が一地上に墜落した場合、秒速37mで3秒後に地面に激突します。

このとき、下に人がいてぶつかった場合は大けがする可能性もあるでしょう。

ドローンを飛ばす場合は十分に注意してください。

150m以上の高度でドローンを飛行させる方法

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しかし、空撮や検査などで高度150m以上でドローンを飛行させたい場合もあるでしょう。

ここでは、高度150m以上でドローンを飛行させる方法を紹介します。

なお、高度150m以上となると地上とは異なる風の動きがあったり、低温で機体に異常が出たりといったことが起こる場合もあります。

初心者が150m以上の高度でドローンを飛行させると事故がおこりがちなので、最低でも民間の資格を取得した操縦者が必要です。

国土交通省が管轄する空港事務所に許可申請を出す

ドローンを150m以上の高度で飛行させたい場合、その都度、当該空域を管轄する空港事務所に申請書を出さなければなりません。

空港事務所連絡先はPDFで公開されているので、確認してください。

ドローンを150m以上飛行させる行為は、ドローン飛行の「カテゴリー2」に該当します。

「無人航空機操縦士(二等以上)」または「民間ライセンス」があれば申請手続きの一部が省略できますが、申請無しで飛行できるわけではないので、注意してください。

また、申請書類には座標を用いて詳細に作成した飛行する予定の場所の地図を添付してください。

申請が下りた場合、飛行できるのはその地図で示した場所だけです。

ついうっかり予定の場所外のところを飛行してしまった、といった言い訳は通用しません。

つまり、ドローンを150m以上の高度で飛行させたい場合は、事前に飛行させる場所を確定したうえで、申請しなければなりません。

かなりの手間がかかる作業です。

山頂から谷間で一気にドローンで降下しながら撮影をするなど特殊な場合を除いて、ドローンを150m以上の高度で飛ばすメリットはあまりありません。

通常の撮影ならば150mまででも十分です。

よく考えて撮影申請をおこないましょう。

 高い建物の上からドローンを飛ばす場合

煙突や鉄塔などの高層の構造物の周辺は、航空機の飛行が想定されません。

したがって、地表や海抜から150m以上の空域であっても、当該構造物から30m以内の空域については、無人航空機の飛行禁止空域から除外されています。

つまり、鉄塔や煙突の点検をドローンで行いたい場合、たとえ高さが150m以上であっても、空港事務所への申請は不要です。

この規制の緩和は、令和3年9月24日に行われました。

ドローンはまだ新しい産業分野なので、法改正も頻繁です。

ドローンに関する法規制の改正は、国土交通省のホームページの「報道・広報」で確認できます。

どのような建物が該当するか不明の場合は、国土交通省に問い合わせてみましょう。

ただし、この場合も地表からドローンを飛行させる場合です。

高い建物からドローンを降下させて広範囲を撮影するなどの際には使えないので注意しましょう。

 まとめ:ドローンは飛ばす場所だけでなく高さも気をつけよう

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ドローンは住宅密集地などの特定の場所では飛ばせないことは、広く知られるようになりました。

しかし、高度に関してはまだまだ周知が徹底されていません。

ドローンの飛行高度は150mまでと一見すると高く思えるかもしれませんが、建物の屋上などから飛ばす場合は注意が必要です。

特に、ある程度の高さの建物や山の上から地面や谷に向かってドローンを飛行させる場合は、知らないうちに高度が150m以上になっている可能性もあります。

また、150m以上のドローンを飛翔させる場合は、民間資格や国家資格を取得したうえで行いましょう。


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この記事を書いた人
ライフハックや法律、ドローンなど多数な分野に興味があり、記事を書いています。