「DJI Terra」とは?使用目的や対応機種、推奨スペック、価格を紹介


ドローンで撮影した写真をデジタルデータに変換できるプロ向けのマッピングソフトウェア「DJI Terra」をご存知でしょうか?

DJI社のドローンとこの高性能なソフトウェアを組み合わせることで、さまざまな業務においてとても役立つデータを取得できます。

  • 具体的に何ができるのか?
  • 対応しているドローンは?
  • 推奨・最低スペックが知りたい!
  • どこでいくらで買えるの?

本記事ではDJI Terraを使用したことがない人に向けて、DJI Terraの概要をわかりやすく解説していきます。

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DJI Terraとは?何ができるの?

出典:(C)DJI

DJI Terraは、ドローンで撮影した写真や映像などを取り込み、オルソ画像や三次元モデル(3Dモデル)、3D点群データなどを作成できます。

これにより、建設や農業、インフラ検査から緊急対応計画まで、さまざまな用途で役立つデータを得られます。

建設とインフラ整備現場の分析

DJI Terraは、建設現場の高解像度航空地図と3Dモデルを作成できます。それをもとにプロジェクトの計画や設計を進めたり、工事の進捗状況を最新のビジュアルデータでもって関係者と共有できます。

農業計画

マルチスペクトル画像を活用することで、作物の健康状態を監視したり、病気や害虫の発生、栄養不足などの問題を特定できます。収穫量の予測や収穫スケジュールを最適化することも可能。

ほかにも、正確な地形モデルを使用して効率的な灌漑システムを設計できます。低い場所と高い場所を特定し、水が均等に行き渡るようにすることで、水を節約し、作物の収穫量を向上させます。

緊急対応と公共安全

事故や災害現場を迅速に地図化することで、対応計画と資源配分を検討する際に非常に役立ちます。また、事故現場を俯瞰することで、救助隊などの調整を容易に行なうことも可能。

ほかにも訓練やシミュレーション演習のために都市部のリアルな3Dモデルを作成することができ、 現実的な訓練環境を提供することで、緊急対応チームの準備態勢の強化にも役立つのです。

環境モニタリングと調査

ドローンで撮影した詳細な航空画像を使用し、野生生物の生息地の調査や監視が行えます。土地の経年変化を監視することも可能で、侵食やそのほかの環境上の脅威を特定できます。

測量とマッピング高精度調査

高解像度のドローン写真で生成したデジタルデータをもとに、高精度の測量がコスト効率よく実施できます。また、建物、橋、その他のインフラストラクチャーなどの状態を効率的に検査し、文書化することも可能です。

DJI Terraの使い方

出典:(C)DJI

DJI Terraの基本的な使い方を解説します。

  1. 準備:DJI公式サイトからDJI Terraをダウンロードしインストール
  2. データを撮影: マッピングまたはモデリングしたいエリア上空でドローンを飛行させ、画像およびLiDARデータを撮影
  3. データの取込: 撮影データをDJI Terraに取り込み、ソフトウェアを使用して2Dオルソモザイクマップ、3Dモデルなどを生成する
  4. 分析と可視化: DJI Terraのツールを使用してデータを分析し、距離、面積、体積を測定
  5. データの出力: 処理されたデータを出力し、関係者と共有したりワークフローに統合して、さらなる分析と報告を行う

実際の画面付きでの使用手順は以下の動画が参考になります。

DJI TERRA 操作手順(初心者向け)

DJI Terraの推奨スペック

出典:(C)DJI

DJI社が発表しているDJI Terraの使用に適したPCの推奨スペックは次のとおり。

PCの推奨スペックPCの最小スペック
RAM:64 GB以上グラフィック:NVIDIA 2070以上 Windows 7以降(64ビット)のシステムRAM:32 GBグラフィック:4 GB

DJI Terraは、Windows 7(64ビット)以降のOSで動作するように設計されています。残念ながら、現時点ではMacOSおよびKylinシステムには対応していません

DJI Terraの計算要求を処理するには、強力なプロセッサが必要です。データを効率的に処理するために、CPU i5以降を推奨します。

DJI Terraを使用する際のPCはそれなりのスペックが必要です。スペックが低いとソフト自体を使用できなかったり、重くて動かなくなることがあります。

DJI Terraの対応機種

Phantom 4シリーズその他のモデル
Phantom 4 RTKPhantom 4 Pro V2.0Phantom 4 Pro+ V2.0Phantom 4 ProPhantom 4 AdvancedPhantom 4Matrice 210 RTK V2Matrice 300 RTKMavic 3 MultispectralZenmuse P1Zenmuse L1Zenmuse X7

DJI Terraは上記のドローンや「Zenmuse P1」、「Zenmuse L1」などの特定のジンバルカメラとも互換性があります。

DJI Terraの購入と価格

出典:(C)DJI

DJI Terraの購入は「DJIの公式サイト」か「DJIの代理店」の2択で、それぞれ購入できるものが異なります。

◾️DJI公式サイト

農業版

◾️DJIの代理店

DJI Terraプロ

DJI Terra送電線版

DJI Terraクラスター オフライン版

代理店によっては、「AGRAS MG-1S ADVANCED」や「MG-1P」、「AGRAS Tシリーズ農業用ドローン」を購入すると、農業版(1年版)のライセンスが無料で利用可能になることもあります。

DJI Terraの参考価格

出典:tumisuによるPixabayからの画像

DJI Terraの価格は購入する種類によって異なります。

DJI Terra 農業1年(3台)は37,500円とDJIの公式ホームページに記載。それ以外のライセンスに関しては、DJI Terraを扱っている代理店に問い合わせてみましょう。

下記は各ライセンスの参考価格になります。

DJI TERRA PRO 年間ライセンス(1デバイス)172,000円
DJI TERRA Electricity Overseas 年間ライセンス(1デバイス)256,700円
DJI TERRA PRO 永久ライセンス(1デバイス)440,000円
DJI TERRA PRO 永久ライセンス更新66,000円
DJI TERRA EDU 永久ライセンス(30デバイス)920,000円
DJI TERRA EDU 永久ライセンス(50デバイス)1,495,000円
DJI Terra 農業 1年(3台)37,500円

まとめ

ドローンで撮影した写真を使用してオルソ画像や三次元モデル(3Dモデル)などを手軽に作成できるソフト「DJI Terra」を紹介しました。

高性能なDJIドローンと、撮影した写真から実用的なデータを生成してくれるソフトを組み合わせることで、点検や測量をはじめさまざまな分野で役立ちます。

業務をされている方でもし興味がありましたら、DJIストアや代理店へ問い合わせてみましょう。


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この記事を書いた人
ドローン操縦歴9年。航空法が改正される以前からドローン空撮をしており、現在も業務・趣味問わず毎週のように撮影しております。