ドローンの資格を個人で取る場合、講習費に直接使える補助金はかなり限られます。会社員なら教育訓練給付金、個人事業主なら市区町村の補助金が候補になりますが、教育訓練給付金の対象はほとんどが一等の講座で、二等の講座は2026年10月時点の検索で見つかりませんでした。
一方で、会社が従業員に資格を取得してもらう場合は、人材開発支援助成金で講習費の最大75%が助成されます。この記事では、2026年10月時点の厚生労働省・中小企業庁・自治体の公式情報をもとに、立場ごとに使える制度と、補助金が使えないときの費用の抑え方をまとめました。
ドローンの資格取得に使える公的な支援は、受ける人の立場で決まります。まずは自分がどれに当てはまるかを確認してください。
| 立場 | 主な制度 | 講習費への使いやすさ |
| 会社員など雇用保険に入っている個人 | 教育訓練給付金(厚生労働省) | 指定講座のみ。ドローンは一等の講座が中心 |
| 個人事業主 | 市区町村の資格取得補助金、小規模事業者持続化補助金 | 自治体の制度は講習費に使える。持続化補助金は販路開拓の取り組みが対象 |
| 法人(従業員に受講してもらう) | 人材開発支援助成金(厚生労働省) | 講習費の最大75%を助成。条件を満たせば最も使いやすい |
| 法人・個人事業主(機体や事業への投資) | 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、デジタル化・AI導入補助金など | 機体やソフトの購入が中心で、講習費は対象外のことが多い |
表のとおり、個人が自分のお金で受講する場合に使える制度は多くありません。「補助金で安く取れる」と考えて申し込む前に、自分の立場で本当に使える制度があるかを確かめておくと、あとで当てが外れずに済みます。
会社員など雇用保険に入っている方が自分で受講する場合、候補になるのは厚生労働省の教育訓練給付金です。ただし、ドローンの講座で使える場面は限られるため、制度のしくみと対象講座の現状をあわせて確認しておく必要があります。
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
教育訓練給付金は、雇用保険に加入している方(または離職後一定期間内の方)が、厚生労働大臣の指定を受けた講座を修了したときに、受講料の一部が戻ってくる制度です。講座のレベルに応じて3種類あります。
| 種類 | 給付の割合 | 上限 |
| 一般教育訓練 | 受講料の20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 受講料の40%(資格取得と就職などの条件を満たすと50%) | 20万円(条件を満たすと25万円) |
| 専門実践教育訓練 | 受講料の50%(条件により70%・80%) | 年間40万円(条件により56万円・64万円) |
給付金は受講したスクールではなく、本人がお住まいの地域のハローワークに申請します。受講前にハローワークで受給資格を確認しておくと、修了後の手続きがスムーズです。
制度の詳細は、厚生労働省の「教育訓練給付金」のページで確認できます。
ドローンの講座で教育訓練給付金を使う場合、一番の壁は対象講座の少なさです。厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」で2026年10月2日に検索したところ、「無人航空機」で見つかる講座の大半は一等無人航空機操縦士の経験者コースで、「二等無人航空機」で検索すると0件でした。
そのため、初めてドローンの国家資格を取る方が二等の講習に教育訓練給付金を使うのは、現時点では難しいと考えてください。ドローン合宿の講座も教育訓練給付金の指定講座ではありません。
一等の講座を検討している方は、受講を決める前に、検索システムで講座名と指定の有無を確認してください。指定の有無は講座ごとに異なり、同じスクールでも対象のコースと対象外のコースがあります。
個人事業主の方は、教育訓練給付金に加えて、事業者向けの補助金も候補になります。講習費に使える制度と、事業の取り組みに使える制度で性格が異なるため、2つに分けて紹介します。
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
個人事業主の方が講習費に使いやすいのは、市区町村が独自に設けている資格取得の補助金です。地域の産業振興を目的としているため、市内に事業所があることが条件になっている制度がほとんどです。
例えば愛知県豊橋市の「人材育成研修応援補助金(無人航空機操縦者資格取得)」は、市内に事業所がある中小企業者が、業務のために従業員や役員に一等・二等の国家資格を取得してもらった場合に、登録講習機関の講習費の一部を補助しています。申請書類に個人事業の開業届や確定申告書の写しが含まれているため、個人事業主も対象です。
| 項目 | 豊橋市の補助金の内容(2026年10月時点) |
| 対象 | 市内に事業所がある中小企業者(個人事業主を含む) |
| 補助率 | 市内の「とよはし産業人材育成センター」で実地講習を受けた場合は1/2、それ以外の登録講習機関は1/4 |
| 上限 | 1人1回10万円 |
| 申請期限 | 修了証明書の交付から1年以内、かつ申請年度の2月末まで |
| 公式ページ | 豊橋市「人材育成研修応援事業(無人航空機操縦者資格取得)」 |
自治体の補助金は年度ごとに予算が組まれるため、募集の有無や内容は年度によって異なります。以前はあった資格取得の補助金が終了している例もあるため、「(市区町村名) ドローン 補助金」で検索し、自治体の公式ページで今年度の募集状況を確認してください。
小規模事業者持続化補助金は、従業員が少ない事業者(商業・サービス業は5人以下、製造業などは20人以下)の販路開拓などの取り組みを支援する補助金で、個人事業主も申請できます。補助率は2/3、補助上限は通常50万円で、インボイス特例と賃金引上げ特例を合わせると最大250万円まで上がります。
ただし、この補助金は経営計画に沿った販路開拓の費用を補助するもので、資格の講習費を補助する制度ではありません。ドローンを使った新しいサービスを始めるためのチラシやウェブサイトの制作など、事業として取り組む内容を計画にまとめて申請します。
商工会議所地区の第20回公募は、申請受付が2026年11月5日から12月15日17時までです。申請には商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書が必要で、その発行の受付は12月4日に締め切られます。
公募要領や申請の手順は、商工会議所地区の事務局のページで確認できます。商工会の地区で事業を営んでいる方は、中小企業庁のお知らせから商工会地区の事務局のページを確認してください。
会社が従業員にドローンの資格を取得してもらう場合は、人材開発支援助成金が最も使いやすい制度になります。厚生労働省の制度で、計画に沿って職業訓練を行った事業主に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。ここでは、助成の割合と、申請の前に押さえておきたい条件を紹介します。
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
ドローンスクールの講習で使われることが多いのは、「人材育成支援コース」と「事業展開等リスキリング支援コース」の2つです。新しい事業でドローンを使い始める場合に使える事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年4月8日版の案内で、中小企業の経費助成が75%、賃金助成が1人1時間あたり1,000円とされています。
例えば、中小企業の従業員1人がドローン合宿の高知校で二等国家資格コース(講習料214,500円)を受講し、経費助成75%が認められた場合、助成額は160,875円、会社の実質負担は53,625円になります(賃金助成は含めずに計算しています)。
各コースの案内や申請書類は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」のページにまとめられています。
人材開発支援助成金は、受講したあとから申請することはできません。訓練を始める1か月前までに、管轄の労働局へ計画届を出す必要があります。主な条件は次のとおりです。
このうち「事業主本人や役員は対象外」という条件は見落とされやすいので注意が必要です。社長が一人で受講する場合や、従業員を雇っていない個人事業主が自分で受講する場合も、この助成金は使えません。
また、eラーニングで行う訓練は、助成の上限額や賃金助成の扱いが、講習会場で講師から直接指導を受ける訓練と異なります。ドローン合宿の講習は、学科をオンラインの動画講習で受講し、実地講習は1泊2日で講習会場に来ていただき講師が直接指導する形式のため、学科と実地で扱いが分かれます。助成額は受講方法と訓練時間で変わるため、計画届を出す前に労働局か社会保険労務士に確認してください。
ドローン合宿では、計画届に必要な見積書やカリキュラムの資料をお送りしています。助成金の申請代行は社会保険労務士にしか認められていないため当社では行っていませんが、ドローンスクールの助成金申請に慣れた社会保険労務士のご紹介は可能です。詳しくは「法人のお客様向けのご案内ページ」をご覧ください。
\無料相談受付中/
資格ではなく、ドローンの機体や関連するソフトの購入に使える国の補助金もあります。いずれも事業者向けで、講習費ではなく事業への投資が対象です。
| 補助金の名前 | 主な対象 | ドローンでの使い方の例 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 新しい事業に取り組む中小企業・小規模事業者 | ドローン測量やドローンを使った点検事業への進出 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 業務のデジタル化に取り組む中小企業・小規模事業者 | 測量データの解析ソフトなどの導入 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓に取り組む小規模事業者 | ドローン空撮サービスの広告やウェブサイトの制作 |
| スマート農業関連の補助事業(農林水産省) | 農業者や農業法人 | 農薬散布用ドローンの導入 |
どの補助金も公募の回ごとに締切と要件が変わり、採択されなければ受け取れません。購入する時期にも条件があるため、機体やソフトを買う前に公募要領を確認してください。
個人で二等資格を取る場合、補助金が使えないことのほうが多いのが実情です。その場合は講習料に何が含まれているかを比べると、総額を抑えられます。
二等資格の取得にかかる費用は、スクールの講習料に、国に払う手数料17,000円(学科試験8,800円、身体検査5,200円、技能証明書の交付3,000円)を足した金額です。ドローン合宿の総額は、高知校で231,500円、岡山校と山梨校で259,000円になります。
| 校舎 | 講習料(税込) | 総額(国の手数料を含む) | 講習料に含まれるもの |
| 高知校 | 214,500円 | 231,500円 | 1泊2日の宿泊・食事4食・送迎 |
| 岡山校 | 242,000円 | 259,000円 | 1泊2日の宿泊・食事4食・送迎 |
| 山梨校 | 242,000円 | 259,000円 | 1泊2日の宿泊・食事4食・送迎 |
座学はオンラインで事前に受講し、現地に来ていただくのは実地講習の1泊2日だけです。何日もスクールに通う必要がないため、交通費や仕事を休む日数も最小限で済みます。
修了審査は講習当日に2回まで受けられ、再審査を含めた最終の合格率は約95%です(初回の合格率は約70%)。費用の内訳や再審査・限定変更などの追加費用は、「ドローン免許(国家資格)の取得費用はいくら?総額と内訳【2026年最新】」にまとめています。
最後に、ドローン合宿の無料説明会でもよくいただく、補助金と助成金についての質問に回答します。
会社員など雇用保険に入っている方は教育訓練給付金、個人事業主の方は市区町村の補助金が候補です。ただし教育訓練給付金の対象はほぼ一等の講座で、二等の講座は2026年10月時点で見つかっていません。
2026年10月2日に厚生労働省の教育訓練講座検索システムで「二等無人航空機」と検索したところ、該当する講座は0件でした。受講前に、検索システムで講座ごとに指定の有無を確認してください。
使えません。人材開発支援助成金は雇用保険の被保険者である従業員が対象で、事業主本人や役員は対象外です。個人事業主の方は、市区町村の資格取得補助金を確認してください。
人材開発支援助成金は、訓練を始める1か月前までに計画届を出す必要があるため、受講後にさかのぼって申請することはできません。自治体の補助金も事前の申請が必要な制度があるため、受講を申し込む前に要件を確認してください。
法人のお客様は、条件を満たせば人材開発支援助成金を利用できます。計画届に必要な見積書やカリキュラムの資料をお送りし、ご希望があれば助成金申請に慣れた社会保険労務士もご紹介します。
ドローン資格の補助金は、会社の費用で従業員が受講する場合には人材開発支援助成金で講習費の最大75%が助成されますが、個人が自分で受講する場合に使える制度は限られます。受講を申し込む前に、会社員の方は教育訓練給付金の指定講座かどうか、個人事業主の方は市区町村の補助金があるかを確認してください。
補助金が使えない場合は宿泊や送迎が講習料に含まれているかを比べると、総額の差がわかりやすくなります。ドローン合宿の二等国家資格コースは、高知校なら国の手数料を含めて総額231,500円、現地での講習は1泊2日です。助成金の使い方や、自分に合う校舎の相談は、無料のオンライン説明会で受け付けています。