2018年に発売され、プロアマ問わず多くの人に愛された名機「Mavic2」。
小型ながら1型センサー搭載で、業務の現場でも通用することから、たくさんの業者に重宝されていた機体です。趣味でもたくさんの人が全国各地で撮影し、Mavic2で撮られた映像がYouTubeなどに数多く投稿されています。
本記事では、そんなMavic2のスペック紹介や不評だった点、そして生産が終了したMavic2の代替機について紹介しています。
出典:(C)DJI Store
Mavic2には以下2つの機種があります。
機体の性能自体は同じですが、搭載されているカメラに大きな違いがあり、それによってどちらを選ぶかが当時話題になりました。
出典:(C)DJI Store
Mavic2 ProとMavic2 Zoomの主なカメラの違いは以下3つです。
センサーサイズ | 焦点距離 | 光学ズーム | |
Mavic2 Pro | 1型 | 28mm | なし |
Mavic2 Zoom | 1/2.3型 | 24mm | 24-48mm |
もっとも異なるのは、画質にも大きく関係するセンサーサイズです。
センサーサイズは大きければ大きいほど画質が綺麗になり、1型以上あれば業務の現場でも通用する絵が撮れます。
折り畳みでなおかつ1型センサーを搭載したのはMavic2 Proが最初。小型で高画質な絵を撮れるということで、映像の質を優先する多くの業者が購入しました。
一方、Mavic2 Zoomはセンサーサイズは小さいものの、小型ドローンでは初の光学ズーム(24-48mm)が搭載されました。光学ズームはデジタルズームとは異なり、画質を劣化させることなくズームすることが可能です。
プロポ(送信機)のダイヤルをまわすことで違和感なくズームでき、近寄れない被写体を遠くから撮るのに便利。さらにドローンを後退させながらズームすることで、ドリーズームという面白い表現もできます。
業者はセンサーサイズがより大きいMavic2 Proを選び、クリエイターや趣味で飛ばす人はズーム機能を使えるMavic2 Zoomを選んでいました。
Mavic2 Pro | Mavic2 Zoom | |
---|---|---|
センサー | 1型CMOS | 1/2.3型CMOS |
レンズ | 画角:28 mm絞りF2.8 – F11 | 画角:24-48 mm絞り:F2.8 (24 mm)/F3.8(48 mm) |
ISO感度 | 動画: 100~6400写真: 100~3200 (オート) 100~12800 (マニュアル) | 動画: 100~3200写真: 100~1600 (オート)100~3200 (マニュアル) |
静止画サイズ(画素数) | 5472×3648(20MP) | 4000 × 3000(12MP) |
動画解像度 | 4K30fps2.7K60fpsFHD120fps | 4K30fps2.7K60fpsFHD120fps |
ビットレート | 100Mbps | 100Mbps |
カラーモード | Dlog-M (10bit)HDR (HLG 10bit) | D-Cinelike |
重量 | 907g | 905g |
サイズ | 214×91×84mm(折畳)322×242×84mm | 214×91×84 mm (折畳)322×242×84 mm |
最大速度 | 72km/h5m/s(上昇)3m/s(下降) | 72km/h5m/s(上昇)3m/s(下降) |
運用限界高度 | 6000m | 6000m |
最大飛行時間 | 31分 | 31分 |
最大風圧抵抗 | 8-10m/s | 8-10m/s |
動作環境温度 | -10℃~40℃ | -10℃~40℃ |
GNSS | GPS+GLONASS | GPS+GLONASS |
内部ストレージ | 8GB | 8GB |
障害物センサー | 全方向 | 全方向 |
伝送システム | OcuSync 2.0 | OcuSync 2.0 |
アプリ | DJI GO 4 | DJI GO 4 |
前述した通り、機体性能は同じで唯一異なるのがカメラ性能です。
現在でも活躍できるスペックを兼ね備えています。
Mavic2にはもうひとつ「Mavic2 Enterprise」があります。
このドローンはMavic2シリーズのなかでも、商業・産業用途や緊急時の使用を目的として開発されました。
同じMavic2でも映像や写真撮影が目的ではないため、さまざまな高性能な機能が搭載され、厳しい環境下で活用されています。
主な特徴や機能については下記になります。
・アクセサリーの取付け可能
Mavic 2 Enterpriseは、状況に応じて異なるアクセサリーを取り付けられます。
例えばスピーカーやビーコン、または赤外線投射ライトなどのアクセサリーが用意されています。これにより、救助活動や夜間飛行時の視認性向上など、さまざまなシチュエーションでの活用が可能です。
・デュアルカメラ搭載
サーマルカメラ(温度を検知できるカメラ)と視覚カメラを両方搭載しているため、昼夜問わずさまざまな環境での使用が可能です。夜間に行方不明になった人間や動物を探すときに活躍します。
・データセキュリティの強化
Mavic 2 Enterpriseはデータセキュリティが強化されているため、飛行中の情報や撮影された映像データが第三者によって不正アクセスされるリスクを低減します。また、パスワード保護機能も備わっています。
・セルフヒーティングバッテリー
寒冷地でも安定した飛行が可能なセルフヒーティング機能付きのバッテリーを搭載しています。寒いとバッテリーの性能が低下し、飛行時間が短くなったり、突然の電圧低下による墜落が想定され、それらを防げます。
・飛行の安全性が強化
Mavic 2 EnterpriseはAPAS(Advanced Pilot Assistance Systems)により、障害物を回避する性能が強化されています。センサーで障害物を検知し、自動的に避けてくれるため安全性が向上しています。
上記のような特徴を持つMavic 2 Enterpriseは、公共安全やインフラ点検、救助活動など、産業用途において非常に有用なドローンとして位置づけられています。
出典:(C)DJI Store
撮影現場で使用するプロからの評価の高かったMavic2ですが、いくつかデメリットもあります。
出典:(C)DJI Store
Mavic2はATTIモードが選択できません。
ATTIモードとはGPSの制御を外して飛行するモードで、以下のようなメリットがあります。
GPS制御がないとドローンは風などに流されホバリングしません。安全性は低くなりますが、滑らかな飛行ができるため必要としている人が多かったです。
また、滝や谷などGPSの取得が遅い環境では、高度制限がありすぐに上昇させれないためとても不便でした。ATTIモードがあれば、そもそも高度制限なしですぐに上昇できました。
ATTIモードは、Mavic2が発売されるまで人気だった機種Phantom4シリーズに搭載されていたため、デメリットと感じる方が多かったです。
出典:(C)DJI Store
Mavic2では4Kの解像度で撮影できるものの、フレームレートが最大で30fpsでしか撮れませんでした。
フレームレートは数値が高ければ高いほど滑らかな映像になるため、動きのある被写体を撮影するときには60fpsが好まれます。
せっかく4K撮影できるのに60fpsで撮れないことに対し、映像撮影をするユーザーからは不評でした。
出典:(C)DJI Store
Mavic2 Proで評判が悪かったのが、画角が28mmと少し狭いことです。
ドローン空撮では風景の撮影が多く、風景を撮るとなるべく広い絵が好まれます。一般的にドローンは24mmの広角が多いですが、Mavic2は28mmと少し狭かったため、この画角の狭さが嫌いな方も多かったです。
出典:(C)DJI Store
Mavic2は販売が終了しており、新品の機体は購入できません。
すでにより優秀な後継機「DJI Mavic3」が販売されていますので、ぜひ買い替えを検討してみてください。
Mavic2はすでに生産が終了しているため、公式オンラインストアを含め新品の機体を購入することはできません。
どうしても機体を購入するなら、ヤフオクやメルカリなどのサイトで探せば中古品はたくさんあります。
Mavic2のバッテリーとプロペラに関しては、DJIの公式オンラインストアで現在も販売されており購入可能です。
出典:(C)DJI Store
すでにMavic2は生産が終了し役目を終えています。
優秀な後継機「DJI Mavic3」シリーズが発売されており、機体の性能やカメラ機能などすべての面でアップグレードした機体です。
カメラのセンサーは4/3型と大きくなり、画角が異なるカメラ(24mm/70mm/166mm)が3つも搭載。4K60fpsや120fpsで撮影でき、10-bitのD-log撮影に対応、独自のカラー技術によりきれいな映像を撮れます。
飛行時間も43分と伸び、機体の安全性はMavic2よりも格段に上がっています。
値段は少し高くなりましたが、メインの広角カメラだけのモデルも販売されていますので、ぜひ買い替え予定の方はこの機会に検討してみましょう。
名機と言われ、今現在も使用している人がいるMavic2について解説しました。
すでに生産は終了し新品の購入はできませんが、それをはるかに上回る性能を兼ね備えた後継機「DJI Mavic3」が登場しています。
多くのMavic2ユーザーが買い替えており、とても評判の高い機体に仕上がっていますので、ぜひ性能が向上したDJI Mavic3に触れてみてください。