ドローンの国家資格には『一等無人航空機操縦士』と『二等無人航空機操縦士』があり、その中でも二等資格は初めて免許を取得する方にとって最初のステップとなります。
資格を持っていなくてもドローンは飛ばせますが、飛行場所や高度など多くの制限があり、自由に運用するのは難しいのが現状です。
二等国家資格を取得すれば、こうした制限の一部が緩和され、よりスムーズに飛行できるようになります。
本記事では、二等資格の概要、必要な講習時間や試験の流れ、合格率の目安、取得方法などをわかりやすく解説します。
ドローンに関する国家資格「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」は、無人航空機を安全かつ適切に運用できる技能を証明するための「無人航空機操縦者技能証明制度」によって認定されます。
この資格を取得するには、制度に基づいて実施される無人航空機操縦士試験に合格することが条件です。
名称が似ており混同しやすいですが、制度名には「操縦者」、試験名や資格名には「操縦士」という表記が使われています。
つまり、この制度を通じて取得できる資格が「一等無人航空機操縦士」または「二等無人航空機操縦士」ということです。
また、資格の有効期間は等級に関係なく3年間で、更新の際には登録講習機関が実施する無人航空機更新講習を受講し、最新の知識と技能を習得する必要があります。
ドローン国家資格の『更新』について、もっと詳しく知りたい方は以下記事を合わせてご確認ください。
ドローンの国家資格を取得する際、学科試験には国土交通省が定める「登録講習機関の教育内容等の基準」に基づく最低限の講習時間が設けられています。
受講時にはこの基準以上の学習が必須であり、以下は主な講習区分と最低時間の目安です。
講習区分 | 無人航空機操縦者の心構え | 無人航空機に関する規則 | 無人航空機のシステム | 操縦者・運航体制 | 合計時間 |
---|---|---|---|---|---|
一等(初学者向け) | 3時間以上 | 5時間以上 | 6時間以上 | 4時間以上 | 18時間以上 |
二等(初学者向け) | 3時間以上 | 3.5時間以上 | 2時間以上 | 1.5時間以上 | 10時間以上 |
一等(経験者向け) | 1時間以上 | 2時間以上 | 4時間以上 | 2時間以上 | 9時間以上 |
二等(経験者向け) | 1時間以上 | 1.5時間以上 | 1時間以上 | 0.5時間以上 | 4時間以上 |
※告示上は分野の体系(例:リスク管理等)が示されていますが、表では実データに合わせて主要科目を整理しています。 実施方法(対面/eラーニング)や確認テストの扱いは機関ごとに異なるため、最新の要項をご確認ください。
なお、カリキュラムの名称や時間配分は講習機関によって異なります。上記はあくまで最低基準のため、理解を深めるには自主学習時間を確保する必要があります。
実地試験では、日常の飛行練習で減点対象となる操作や項目が多いほど、追加練習が必要になります。
効率的な合格を目指すためには、自分の苦手分野を把握し、それを克服するための練習時間を逆算して計画的に進めることが重要です。
また、登録講習機関として認定されたドローンスクールを受講することで、実務的な指導や効率的なカリキュラムにより、独学よりも必要時間を短縮できる場合があります。
特に国家資格の取得を目指す方にとっては、無駄なく学べるだけでなく、試験に直結する知識と操縦スキルを体系的に習得できるため、合格までの道のりがよりスムーズになります。
ドローン国家資格取得に必要な時間について、もっと詳しく知りたい方は以下記事を合わせてご確認ください。
無人航空機操縦士試験の学科は、公式な合格率が公表されていないものの、一等・二等ともにおよそ60%前後と推測されています。
二等の実地試験は55〜70%程度で、試験ごとに変動があります。
二等資格は一等に比べ取得しやすく、未経験でも必要な知識と技能を身につければ合格は十分可能です。
ただし、自己流の不十分な学習では合格が難しくなるため注意が必要です。
一等資格は高度な知識と技術を求められる難関で、操縦者からも難易度の高さが指摘されますが、取得すれば高い操縦スキルの証明となります。
いずれの資格も、独学に不安がある場合は登録講習機関が開催する講習を受講し、専門講師から体系的に学ぶことが有効です。
ドローン国家資格の難易度・合格率に関して、もっと詳しく知りたい方は以下記事を合わせてご確認ください。
結論として、ドローンの操縦そのものには必ずしも資格や免許が求められるわけではありません。
しかし、まったく資格を持たない状態では、法律で多くの飛行制限が設けられているため、自由な運用は難しくなります。
例えば、特定の高度や場所で飛ばすためには、国土交通省へ飛行申請し、許可や承認を得る必要があります。
この手続きは時間や手間がかかる場合があり、二等国家資格を取得しておくことで、こうした制限の一部を緩和し、よりスムーズに飛行できる環境を整えられる大きなメリットが得られます。
二等無人航空機操縦士を取得するには、登録講習機関を活用する方法と独学で受験する方法の2通りがあります。
ここでは、それぞれの特徴や学科試験の概要を解説します。
国土交通省に認定された登録講習機関(ドローンスクール)で受講する場合、基本的なカリキュラムは学科講習・実技講習・修了審査の3つで構成されます。
中には学科講習を省き、実技と修了審査のみを提供するスクールもあるため、自分に合った内容を選ぶことが重要です。
修了審査は実地試験と同等の操縦技術が求められ、合格すると実地試験が免除されます。
ただし、審査基準は非常に厳格で、合格の難易度は実地試験とほぼ同じです。
修了審査に合格後、学科試験と身体検査に合格し、試験申込システムから試験合格証明書を取得。最後にDIPS2.0で技能証明の申請を行えば資格が取得できます。
学科試験と身体検査は受験の順番に制限がなく、登録講習機関を利用する前に済ませておくことも可能です。
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独学で受験する場合は、必ず実地試験を受ける必要があります。
学科・実地・身体検査の順序は自由ですが、最大の難関はやはり実地試験です。
登録講習機関を使わない場合、試験で使用可能な機体(例:DJI Phantom 4 Pro+ V2.0、Mavic 2など)を自分で用意し、操縦練習を行わなければなりません。
試験課題は国土交通省の公式サイトで公開されていますが、完全独学で一発合格するのは難易度が高く、同じ志望者と合同練習をするなど工夫が必要です。
また、受験する際は指定試験機関のWebサイトから予約を行います。希望者が多いと希望日時を確保できない可能性があるため、早めの予約がおすすめです。
二等無人航空機操縦士の国家資格は、初めてドローン免許を取得する人が受ける資格です。
一等国家資格の取得を考えている人でも、二等国家資格を取得しないと受験できません。
通常のドローンスクールが開校する二等無人航空機操縦士(二等資格)は、300,000円ほどの金額で講習日数3日~5日間が掛かります。
しかし、当社ドローン合宿は、220,000円ほどの金額で1泊2日の短期集中型スクールを開校しています。
宿泊や食事(4日分)も価格に含まれているため、安心して受講していただけます。
無料説明会も開催しているので、まずはお気軽にお問い合わせください。
二等無人航空機操縦士は、ドローンの運用範囲を広げるために有効な国家資格です。
学科と実地試験の両方をクリアする必要がありますが、登録講習機関を利用すれば効率的に学習でき、実地試験の免除を受けられる場合もあります。
合格率はおおよそ55〜70%とされ、未経験からでも適切な準備を行えば取得は十分可能です。
資格を取得することで、飛行申請の手間や制限が減り、業務や趣味での活用の幅が広がります。
独学よりもスクール受講の方が短期間で確実にスキルを身につけられるため、効率よく合格を目指す方にはおすすめです。