2022年12月から、ドローン国家資格制度がスタートし、2025年12月にはドローン民間資格をエビデンスとした国土交通省への飛行許可申請が廃止されると発表されました。
その影響を受け、ドローン国家資格の取得が重要になっている今、ドローンスクールを受講して確実な知識や高い操縦技術を身につけたいという方もいると思います。
しかし、実際にドローンスクールの費用相場がどのくらいなのか知らないという方も多いはずです。
そこでこの記事では、ドローンスクールで受講できるコースの種類や費用相場を徹底解説します。
また、ドローン資格を選ぶ際のポイントや概要なども詳しく紹介しています。
これからドローンスクールを受講しようと考えている方や、もう一度受講する方などは参考にしてください。
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ドローンスクールでかかる費用は大きく分けて4種類あります。
1.コース受講料
2.資格申請料
3.出張料
4.宿泊料・交通費
まずメインになる費用として「コース受講料」があり、これはドローンスクールで提供される授業やトレーニングの費用のことを指します。
受講料以外でかかる費用として、資格取得を目的としたコースでは「資格申請料」がかかる場合があります。
スクールによっては、受講料に包括されている場合もあるので確認しておきましょう。
それ以外には、スクールの所在地が遠方の場合、インストラクターやドローンスクールのスタッフを受講者が希望する場所まで招いて出張講習してもらう際に発生する「出張料」、遠方のスクールに通う場合は自身の「宿泊料・交通費」などがかかってくる場合があります。
費用名 | 金額 |
コース受講料 | 10万円~30万円程度 |
資格申請料 | 1~2万円程度 ※コース受講料に含まれる場合もあります |
出張料 | 0~数万円+実費 ※スクールで受講できる場合は不要 |
宿泊料や交通費 | 実費 ※宿泊費用はコース受講料に含まれる場合もあります |
ここでは、これらの費用について詳しく解説します。
ドローンスクールのコース受講料は、ドローンの操縦技術や関連法規、安全対策などを学ぶための授業料です。
受講する内容や目的に応じてコースの種類が異なり、それに伴って受講料も変わります。
初心者向けの基礎コースから、業務用の高度なドローン操縦技術や、法規や安全対策に関する専門的なコースまでさまざまな種類があり、コースの内容や期間によって料金が異なります。
ドローンスクールのコース受講料は、一般的には10万円から30万円程度がかかります。
講師の質や、フォロー体制の手厚さなども料金に関わってくるため、スクールを検討する際にはカリキュラムと受講料の詳細を確認することが重要です。
資格申請料は、ドローンの資格を取得する際、必要なライセンスや証明書を申請するための費用です。
資格取得を目的としたコースでは、コース修了後に、資格の認定申請を行います。
その際に、手数料として資格申請料がかかる場合があります。
これはコース受講料に含まれている場合も多いので、スクールを選ぶときに確認しましょう。
また、ドローン資格には有効期限があり、定期的に更新する必要があります。
更新時には、再講習や試験が求められることもあるので、事前にチェックしましょう。
ドローンスクールの出張費用については、スクールの講師やインストラクターが、受講者が希望する場所まで出向いて講習や実技指導する際に発生する費用のことを指します。
受講者がスクールに通えない場合や、特定の場所でのトレーニングが必要な場合に出張講習を受けるのが一般的です。
また、特定の場所や環境で実技講習が必要な場合があり、その場合はインストラクターが出張して指導します。
出張費用はスクールや出張先の距離、インストラクターの宿泊の有無などによって異なりますが、数千円~数万円の手数料と実費がかかります。
但し、スクールで受講する場合、出張料金は必要ないので覚えておきましょう。
遠方のドローンスクールに通う際にかかる交通費や宿泊費は、受講者がスクールまで移動し、必要に応じて宿泊するための費用です。
これらは、特に遠方から通う場合や、複数日にわたるコースを受講する際に必要となる追加の費用で、通常は受講者が自己負担することが一般的です。
ドローンスクールによっては、当社ドローン合宿のように、合宿形式の短期集中コースがあります。
その場合、宿泊費や食費、送迎費などが含まれた料金形態であることも多いので、ドローン合宿を始めとするスクールをおすすめします。
ドローンスクールで受講できる国家資格コースの取得費用は、15万~80万円程度かかります。
国家資格を取得する際は、国土交通省が認定した登録講習機関一覧からスクールを選ぶ必要があり、費用や講習日数は未経験者・経験者で変わります。
また、基本コース以外に限定変更(目視外・夜間飛行)のコースも受講する場合は、プラスで料金がかかってきます。
それではここから、ドローンスクールの料金表を比較してみましょう。
資格区分 | 金額 |
一等無人航空機操縦士(一等資格) | 経験者コース:50万円前後 |
一等無人航空機操縦士(一等資格) | 初学者コース:80万円前後 |
二等無人航空機操縦士(二等資格) | 経験者コース:15万円前後 |
二等無人航空機操縦士(二等資格) | 初学者コース:40万円前後 |
コース終了後には国家資格を受験し、合格すると一等・二等国家資格の国家資格を取得できます。
試験は、学科試験・実地試験・身体検査の3種類あり、それぞれに手数料がかかります。
学科試験は一等学科試験と二等学科試験の2種類があり、それぞれ料金が変わります。
資格区分 | 金額(非課税) |
一等学科試験 | 9,900円 |
二等学科試験 | 8,800円 |
実地試験は一等・二等、限定変更で金額が変わり、機体の種類によってもそれぞれ金額が異なります。
なお、指定の登録講習機関で講習を受講し、修了審査を合格している場合、実地試験が免除されます。
機体の種類 | 金額(非課税) |
回転翼(マルチローター) | 【一等試験】 基本(昼間・目視内・25kg未満):22,200円 限定変更:20,800円 |
回転翼(マルチローター) | 【二等試験】 基本(昼間・目視内・25kg未満):20,400円 限定変更:19,800円 |
回転翼(ヘリコプター) | 【一等試験】 基本(昼間・目視内・25kg未満):22,600円 限定変更:21,200円 |
回転翼(ヘリコプター) | 【二等試験】 基本(昼間・目視内・25kg未満):20,900円 限定変更:20,300円 |
飛行機 | 【一等試験】 基本(昼間・目視内・25kg未満):23,800円 限定変更:22,400円 |
飛行機 | 【一等試験】 基本(昼間・目視内・25kg未満):21,500円 限定変更:20,900円 |
身体検査は、書類での受験か会場での受験が可能です。
受験方法 | 金額(非課税) |
書類での受検 | 5,200円 |
会場での受検 | 19,900円 |
会場での受験とは、受験者が指定試験機関が指定した会場で直接身体検査を受ける方法です。
視力、色覚、聴力、運動能力等について基準を満たしているかチェックします。
書類での受験をする場合、次のうちのいずれか一つ有効な公的証明書を提出します。
そして最後に、試験合格後の技能証明書の交付にも手数料がかかります。
区分 | 金額(非課税) |
新規申請 | 3,000円 |
再交付申請 | 2,850円 |
更新申請 | 2,850円 |
限定変更申請 | 2,850円 |
登録免許税(一等無人航空機操縦士の場合) | 3,000円 |
ここでは、ドローン資格を選ぶ際のポイントを紹介します。
1.ドローン国家資格を選ぶ
2.ドローンを使う目的やレベルに合った資格を選ぶ
3.国土交通省認定資格を選ぶ
4.取得したい資格が近くのスクールで受講できるかで選ぶ
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
ドローン関連の資格を取得するなら、ドローン免許(国家資格)の取得がおすすめです。
2022年12月に日本で導入されたドローン国家資格化制度は、ドローンの商業利用や特殊な環境での飛行において、重要な役割を果たしています。
まず、ドローン国家資格を取得することで、「法律上の飛行制限が緩和される」というメリットがあります。
国家資格を持つことで、国土交通省への飛行許可申請の手続きや審査が簡略化され、特定の条件下での飛行制限が緩和されます。
また、「ドローン活用の幅が広がる」というのもメリットも挙げられます。
ドローンの国家資格を取得することで、業務での利用範囲が大幅に広がります。
例えば、映画や広告などの特殊な条件下での撮影が求められる空撮や、建築現場やインフラの点検業務、災害現場の調査など、特定の技術や高い精度が求められる作業において、国家資格が役立ちます。
国家資格を取得しないとドローンを飛ばせないというわけではありませんが、取得しておくことで、ドローンに関する知識や技術力の証明になり、ドローン業務を任されやすくなります。
次に、「ドローン操縦に対しての信憑性の向上」というメリットもあります。
国家資格を取得することで、操縦技術や知識に関して公式に認定されたことが証明され、他者からの信頼を得やすくなります。
特に、公共事業や企業が発注する大規模な仕事では、資格保有者が選ばれることが一般的です。
資格が必須ではない仕事においても、技術面や安全管理において信頼されやすく、仕事の依頼や協力を得る際有利になるメリットがあります。
ドローン資格を選ぶ際は、どのような目的やシーンでドローンを使用したいかも資格を選ぶ基準となります。
ドローンの操作スキルや使用目的は個人や業務によって異なるため、資格選びは非常に重要です。
目的や技術レベルに応じた資格を選ぶことで、効果的にスキルを活用し、安全かつ効率的なドローンの運用が可能となります。
例えば趣味でドローンを飛ばす場合、特に国家資格が必須というわけではありません。
しかし、初心者向けのドローン民間資格を取得することで、基本的な操縦技術や安全な飛行方法、法律を学べるため、トラブルを避けやすくなります。
次にドローンを商業利用したい場合についてですが、空撮、測量、農業、点検、物流などの商業利用では、より高度な技術や法的な知識が必要です。
商業利用には、国家資格や特定の民間資格が求められることが多いため、国家資格や特定の民間資格を取得することで、業務上の信頼性も高まります。
さらに、災害対応や救助活動、警察・消防活動などの特殊な環境下では、特に高度な操作技術と安全管理が必要です。
特殊な業務や高リスクな環境でのドローン操縦は、より高いレベルの国家資格や、特定の業務に適した認定を受けることが推奨されます。
ドローン資格を選ぶ際に、国土交通省に認定されている資格から選ぶのもおすすめです。
これには、信頼性や法的なメリットはもちろん、国土交通省への飛行許可申請を簡略化できるという利点があります。
航空法の中で、無許可での飛行が禁止されている項目は以下の通りです。
この項目の規制に当てはまる飛行をする場合、航空局に許可承認が必要ですが、取得資格によっては申請が簡略化できる可能性があります。
どの資格がどの項目に利用できるかは国土交通省のHPから確認しましょう。
ただし、2025年12月からはドローン民間資格をエビデンスとした飛行許可申請ができなくなるので注意が必要です。
ドローンの資格を取得したいときは、取得したい資格が近くのスクールで受講できるかも重要です。
資格を取得するためには、ドローンスクールに通う必要がありますが、スクールが自宅や職場の近くにある場合、通学時間や交通費の負担が軽減されます。
資格取得には、数日間の講習や実技実習が必要になるため、遠方のスクールに通う場合は時間と費用の負担が大きくなります。
スクールによっては講師を近くまで招くことも可能ですが、その場合、出張費用と交通費などの実費がかかってしまいます。
国土交通省が発表している登録講習機関は「こちら」に随時掲載されますので、通いやすいスクールがあるかチェックしてみましょう。
ここでは、ドローンの資格取得を目指す際の費用相場を解説します。
・一等無人航空機操縦士(国家資格):約50万円~80万円
・二等無人航空機操縦士(国家資格):約15万円~40万円程度
・JUIDA無人航空機操縦技能証明:約15万円~25万円
・DPAドローン操縦士回転翼3級:約20万円
それではここから、各ドローン資格の費用相場とその詳細を紹介します。
一等無人航空機操縦士は、ドローンを安全かつ高度な技術で操作するために必要な国家資格で、主にリスクの高い飛行操作を行う際に必要とされる資格です。
この資格は、ドローンの操縦における最も高度な資格のひとつで、国土交通省「登録講習機関」に認定されたドローンスクールを受講修了することで取得できます。
一等無人航空機操縦士資格を取得するためには、年齢が18歳以上であること、そして必要な講習を受講し、筆記試験と実技試験の両方に合格するなど特定の要件を満たす必要があります。
講習の受講料は、経験者か初学者、スクールや講習内容などに応じて変わりますが、一般的に50万円~80万円程度が相場とされています。
試験内容は学科試験と実地試験があり、学科試験は、試験会場にてコンピュータを活用して行うCBT方式で実施されます。
実地試験は、机上試験(飛行計画の作成)、口述試験(飛行前の点検作業)、実技試験(基本の飛行操縦)、口述試験(飛行後の点検・記録、事故やインシデント発生時の報告と対応)を行います。
一等無人航空機操縦士の資格取得に必要な費用は、最低でも50万円前後から、それ以上になることが一般的です。
ただし、スクールや地域、講習内容により大きく異なるため、詳細は事前にスクールにお問い合わせしましょう。
二等無人航空機操縦士は、一等無人航空機操縦士に比べて簡易な条件で取得できるため、費用も比較的安く抑えて取得できる国家資格です。
本資格は、主にドローンの基本的な飛行を安全に行うことを目的としています。
講習の受講料は、経験者か初学者か、スクールや講習内容などに応じて変わりますが、一般的に15万円~40万円程度が相場と言われています。
一等無人航空機操縦士との違いは、飛行できる地帯や飛行方法などが挙げられます。
航空法によってドローンの飛行技術を表すレベルが定められており、一等資格はレベル4飛行にあたる有人地帯での目視外飛行ができ、二等資格は同様の飛行が不可能となっています。
試験の方法や内容は一等無人航空機操縦士で記述したものとほぼ同じですが、二等無人航空機操縦士を取得しないと一等無人航空機操縦士は取得できないため、まずは二等国家資格を取得しましょう。
JUIDA無人航空機操縦技能証明は、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が認定する民間資格で、ドローンの安全な操縦技術と知識を証明する資格です。
この証明は、国土交通省の無人航空機に関するガイドラインに基づいており、主に民間でのドローン操作を安全に行うための技能を持っていることを証明します。
JUIDA無人航空機操縦技能証明を取得するには、JUIDAが認定したドローンスクールで所定のカリキュラムを修了する必要があります。
受講料はスクールによって様々ですが、相場としては15〜25万円程度と言われています。
試験内容は、筆記試験と実技試験に分かれており、筆記試験は、ドローンの基礎知識はもちろん、気象学などの自然科学、事故に対するリスクマネジメントの項目があります。
実技試験は、基本的な手動操縦・自動操縦、垂直離着陸やホバリングの操作、水平飛行、緊急時の操作などを行ないます。
JUIDA無人航空機操縦技能証明は、国内で最も昔からある資格で、2万人を超える資格保有者がいます。
ドローン操縦士回転翼3級は、一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)が認定する資格です。
ドローンの操縦技術や知識を評価する民間資格の一つで、特に回転翼機タイプのドローンに焦点を当てています。
回転翼ドローン(マルチコプターやヘリコプター型ドローン)は、ホビー用途から産業用途まで広く使用されており、この資格はその基本的な操縦技能を証明するものです。
資格を取得するためにはスクールでコースを受講する必要があり、受講料はどのスクールでも全国的にあまり差はなく、20万円程度がかかります。
ドローン操縦士回転翼3級では、目視外飛行は含まれないため、すべての操縦を目視した状態で行うため、初心者でも取得しやすい資格となっています。
試験はドローンスクールで受験でき、講習の最終日に実技試験があります。
基本的には講習と同じ内容の操縦を行うため、実技の難易度は比較的低めです。
ドローン操縦士回転翼3級は、国家資格ではありませんが、初心者がドローンを安全かつ効果的に操縦するための基本的な資格です。
趣味から始める方や、業務での使用を考えている方にとって、最初に取得する資格として非常に役立ちます。
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人材開発支援助成金やその他補助金について、詳しく知りたい方は以下記事を参照してください。
関連記事:【2024年最新】ドローン購入や資格取得時に使える補助金・助成金を紹介!
本記事では、ドローンスクールで受講できる費用の種類や、各コースの費用相場・概要を紹介しました。
また、ドローン資格を選ぶ際のポイントも詳しく解説しています。
ドローン資格取得にかかる費用は、選ぶ資格やスクールによって大きく異なります。
ドローンの資格には、主に国家資格と民間資格の2種類がありますが、国土交通省が発表した「ドローン民間資格をエビデンスとした飛行許可申請を廃止」を受け、現在ではドローン国家資格の取得が最もおすすめです。
今後、飛行許可申請を提出する可能性がある方は、今のうちから国家資格を取得しておくことをおすすめします。
ドローンの資格を取得すると、操縦の技術や法律知識を習得した信頼できる操縦者であるという証明になります。
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