よく目にするドローン検定。「え、ドローン検定が免許じゃないの?」っていう人のために、ドローン検定について、徹底解説します。
ドローン検定は、ドローンの認定資格の一つで、正式名称は「無線航空従事者試験」といいます。これは、ドローン検定協会株式会社が開催しているドローンの試験です。主に筆記による試験で、年に数回開催されます。すべての都道府県で受験できるわけではありませんが、全国各地で受験が可能です。
1級~4級の4段階に分かれています。1級と2級には、それぞれドローン検定2級取得者、3級取得者という受験資格がありますが、3級と4級はどなたでも受験が可能です。受験料は、4級が3,200円、3級が6,600円、2級が12,900円、1級が18,800円です。
出題内容は、ドローンの知識、物理学、工学、気象、法令までと、幅広くなっています。当然、級が上がるにつれて、内容はより専門的に難しくなります。合格率は、全体で75%~80%です。
ドローン検定には実技試験はなく、あくまでドローンに関する知識レベルを客観的評価するものです。自動車の運転免許であれば知識と実技が一体となって免許となるわけですが、ドローン検定はそうはなっていません。
国土交通省への許可承認申請時に操縦者の資格について証明書を添付できます
ドローン検定は、国土交通省で認定された資格です。ドローン検定に合格するとその証明書がいつでも出力できます。「無人航空機に関する飛行履歴・知識・能力を有することの証明書」として、国土交通省への許可承認申請に使用できます。
基礎技能講習を受講する際に座学1(4時間)が免除されます。
国土交通省認定の基礎技能講習を受講する際に、座学1(4時間)が免除されます。「たったそれだけ?」って思うかもしれませんが、1時間5,000円くらいですのでトータルで20,000円ほどお得になります。
提携団体における各種講習の受講資格の取得、又は座学の免除ができます
ドローン検定協会と提携する団体の各種講習の受講資格が取得できます。また、それらの講習の座学が免除されます。提携団体は次のとおりです。
JAREX
DPA(ドローン操縦士協会)
JDA(日本ドローン協会)
ドローン検定は、1級~4級まで分類されているわけですが、4級でも基礎技能講習の座学1が免除されるとなると、それ以上の級が必要なのか、と思ってしまいます。各級による難易度や違いを説明します。
ドローン検定4級は、基本的な知識が必要とされます。受験料も安いので、取得しておいて損はないかもしれません。
ドローン検定3級も、4級同様に誰でも受験できるようになっています。4級との違いは、基本の部分は同じですが、物理を実際に計算する問題が出題されます。合格すると2級の受験資格が与えられるので、上を目指すなら必須となります。
ドローン検定2級となると、ハードルがグッと高くなり、受験料も上がります。そうなると、3級との違いですが、2級の内容は国土交通省への許可承認申請の内容がベースとなっています。
航空法の定める特定飛行に該当する場合は、国土交通省への許可承認申請が必要になります。その時に必要となる知識が2級で求められる知識ということになります。特定飛行は危険を伴いますので、機体のこと、法律のこと、ドローンに関する専門的な知識がなければ特定飛行は難しいです。特定飛行で、安全に操縦するための知識だと思ってください。
ドローン検定1級は、トップカテゴリーにふさわしい知識ということで、国土交通省への許可を得て、実際に特定飛行を行い、ドローンに精緻しているレベルです。実際に運用していくうえで必要となる知識が求められます。
ドローン検定について、一通り理解いただいたところで、では実技の部分についても触れてみたいと思います。ドローン検定協会が全国に展開するドローン教習所では、ドローン操縦士養成講習が受けられます。このドローン教習所では、基礎技能講習と応用技能講習があります。
基礎技能講習終了者はドローン操縦士としての資格が認定され、ドローン検定同様に証明書が出力でき、国土交通省への許可承認申請に添付できます。応用技能講習は、基礎技能講習終了者受講でき、「高さ150m以上」、「制限表面上空」の申請に必要なライセンスが取得できます。
受講料はドローン教習所によって異なりますが、15万円ほどになります。
講習内容は、座学が5時間、シミュレーター訓練が6時間、実機訓練が4時間、そして修了試験となっています。応用技能講習は、1時間の座学です。
ここでドローン操縦に必要な資格について、おさらいしたいと思います。
まずは特定飛行です。特定飛行に該当する飛行は次のとおりです。
これらに該当する場合は、特定飛行として国土交通省への許可承認申請が必要になります。その際に、国土交通省認定の民間資格があればその要件の証明や、手続きの省略、簡素化が可能です。つまり、特定飛行でなければ資格は必要ないということです。この辺が非常にややこしいことになっていて、ドローン操縦に資格がいる、いらないとなったり、機体登録の要件と混乱したり、という具合になったしまうわけです。ドローン資格について考える前に、どのような飛行をするのかをよくよく考えて、選択しなくてはなりません。
もっとややこしくなっているのが、2022年12月からドローン免許がはじまりました。正式には「無人航空機操縦者技能」といいます。1等資格と2等資格に分類され、レベル4まで分類された飛行形態により2等資格はレベル3までとなっています。
取得方法は、国土交通省の指定する試験機関が実施する身体検査と学科試験と実地試験を受けます。実地試験は、国土交通省の指定する登録講習機関を受講すれば免除されます。民間資格を有していれば、この講習においてカリキュラムの免除等で優遇がうけられますので、民間資格が無駄になるわけではありません。ただし、試験自体は免除になることはありません。従来と大きく異なる点は、国土交通省への許可承認申請が不要になります。
ドローン検定について、徹底解説してきました。
ドローンをどのように飛行させるかをよく考えて、資格を取得する必要があります。ただ、ドローン検定によって、ドローンの安全な活用に必要な知識を身に付けることはとても有意義なことです。
いくら資格がいらない飛行だとしても、なにも知識がないまま飛行できるというのも心配になります。そのため、これからドローンのニーズも高まることが予想されます。より安全で安心なドローンの活用のためにも、ドローン検定に期待しています。