私たちの生活を支えるテクノロジーとして日々技術が進歩しているドローンですが、その中でもAI(人工知能)を搭載しているドローンが注目を集めています。
AI搭載のドローンは、自律的に障害物を回避しながら飛行が可能で、人間の操作介入が少なくても最適な飛行ルートやバッテリー管理が可能です。
また、データ解析などの高度な機能を備えたドローンAIは、物流、農業、災害救助、インフラ点検など、さまざまな分野で新たな可能性を切り拓いています。
そんなAI搭載ドローンですが、実際に使用されている例はあるのでしょうか。
この記事では、AI搭載ドローンの概要や仕組み、できることを詳しく紹介しています。
また、AIを搭載したドローンの活用事例5選も徹底解説しています。
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ドローンAIとは、AI(人工知能)が搭載されているドローンのことで、AIが判断して自律的に操縦するドローンを指します。
AI搭載のドローンは、カメラやセンサーから地形や障害物など周囲の情報を読み取り、周遊したデータをもとにAIが分析して行動を決定します。
従来のドローンは、リモコンで人が操縦して飛行させたり、コンピューターでプログラミング制御されたルートを飛行するものが一般的でしたが、AIを搭載することで自律的な飛行が可能になります。
例えば、AI搭載のお掃除ロボットが障害物を避けながら動くのと同様の仕組みです。
AIはデータを集計し、そのデータを分析して行動決定するため、過去のデータが蓄積されていくほど精度の高い判断ができるようになります。
AI自身で学習する特徴によって、人間が操縦しなくても、複雑な場所や精密さが必要な作業でもAIが自律的に行動できます。
標準的なドローンは人がリモコンで操縦することで飛行しますが、AI搭載のドローンは、人が操作することなくAIが自分で判断し行動決定します。
また、標準ドローンはカメラで写真や映像を撮影しデータとして保存できますが、AI搭載ドローンは撮影したデータを解析し、そこから読み取れる情報を処理できます。
この特徴は主に産業用ドローンで活用されていて、例えば農業の分野だと、撮影した農地の画像データをAIで解析して育成具合や病害が発生していないか把握できます。
さらに建物の点検業務や災害の現場では、ドローンが撮影した映像データからAIが分析することで、建築物の劣化具合や破損状況を把握でき、人が目視で確認できないこともわかるようになりました。
ドローンAIは近年目覚ましい進化を遂げており、最新のAIアルゴリズムを駆使すると、学習データがない環境でも適切なルートを考えて行動できるようになりました。
また一般的に、ドローンは活動時間があまり長くなく、ホビー用で10~20分程度、産業用のものでも30~40分程度と言われています。
しかし、AIによりエネルギー効率を最適化することで消費電力を抑え、より長時間の飛行が可能になるほどまでに進化しました。
これによって、より遠距離で広範囲の活動ができるようになりました。
また、カメラ性能の向上もドローンAIの進化に貢献しています。
高性能なカメラや赤外線カメラを搭載しているドローンは、人間の目では捉えられないものを判別し、撮影・自動追尾できます。
この機能は監視業務や災害時に大きく役立ち、防犯や救助活動で大きな力を発揮しています。
ここでは、AI搭載ドローンができることを7つ紹介します。
1.最適で正確なドローン運用
2.収集したデータから次のアクションを予測
3.プログラム調整で様々な行動パターンを実行可能
4.リアルタイムでデータ収集・解析
5.高度な映像処理技術
6.作業効率アップ
7.人が立ち入れない場所の調査・点検
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
AIを搭載したドローンは、最適で正確なドローン運用が可能です。
カメラやセンサーで収集したデータを元に、周囲の地形や環境を解析し、最適な飛行ルートを選択できます。
これは特に人の立ち入りが難しいような場所や、災害現場などで役立ち、人が目視で操縦する場合に比べて無駄なく活動できます。
また、行動を最適化することでバッテリーの消費が抑えられ、より長時間の飛行を可能にしました。
例えば、24時間監視が必要な業務などでは、ドローンのカメラが不審者を捉えた時のみ追尾したり、自動的にバッテリーの充電ポートへ戻って次の機体と交代したりということが可能になっています。
このように、人の力を介さずドローンAIのみで完結するため、夜間の人手不足を解消したり人件費の削減に役立ちます。
AIを搭載したドローンは、収集したデータを解析し、その情報に基づいて次のアクションを自律的に予測できます。
ドローンAIは、搭載しているセンサーやカメラで常に大量のデータを収集しています。
この収集したデータから周囲の環境や対象物の映像をキャプチャーして、AIがパターンを認識し、解析します。
そして機械学習やディープラーニングのアルゴリズムを使用し、特定のパターンや異常を検出します。
これらの結果から、今後の状況を推測できるのがドローンAIの特徴です。
ドローンAIは、収集した膨大なデータを解析し、未来を予測して行動することで、幅広い分野での作業効率化と精度向上に役立っています。
AIを搭載したドローンは、プログラム調整で様々な行動パターンを実行可能です。
ドローンAIはカスタマイズ性が高く、様々な業務や用途に合わせて柔軟にプログラムを調整できます。
例えば、特定の農作物に特化してカスタマイズされたドローンAIは、その作物の健康状態や育成具合を監視し、農薬散布や肥料の散布などを適切に対応できます。
また、監視業務に特化したプログラミングにすると、通行人の行動パターンを読み取り、異常な行動をしている人物を自動で検知し警告を出します。
このように、ドローンAIは高いカスタマイズ性を持っているため、目的に応じてデータの収集方法や飛行パターンを調整することで、幅広い分野で活用できます。
AIを搭載したドローンは、リアルタイムでデータの収集や解析が可能です。
従来のドローンであれば、撮影された写真や動画をあとから人の手で確認という流れでしたが、ドローンAIであれば搭載されたカメラやセンサーで収集したデータを即時分析できます。
そこから必要な情報を判断し、リアルタイムな情報提供が可能となっています。
人の手を介すことなく、AIが自律的に必要な情報を判断・解析してくれるので、効率的でコスト削減にも繋がります。
この特性を生かして、災害時や建築現場での状況を確認したり、農作物の育成具合をモニタリングしたりと、活用の場が広がっています。
AIを搭載したドローンは、高度な映像処理技術を持っています。
従来のドローンのように映像を撮影するだけではなく、目的に応じて撮影した映像をリアルタイム解析できます。
例えば、監視業務では撮影した映像から異常行動している人物を検知したり、災害現場で危険なエリアを識別して安全なルートを表示できます。
農業の分野では、農作物の育成状況や病害虫の影響などを映像から検知可能です。
この高度な映像処理技術は、ディープラーニングという人間の脳と似たような働きをAIによって行うもので、大量の収集データから特定の情報を導き出します。
ドローンAIはこの技術を活用して、農業や監視、点検など主に産業分野で幅広く利用されるようになりました。
AIを搭載したドローンは、作業効率を向上させます。
人が立ち入れないエリアや危険が伴う場所での作業では、特にその力を発揮します。
高層ビルの点検や、強風の影響を受ける場所、不安定な足場のエリアは、人が立ち入るのに時間がかかったり危険が伴います。
しかし、ドローンAIであれば、人が直接足を運ばなくても状況把握できるので安全かつ効率的に作業できます。
災害現場ではスピード感のある判断と対応が重要になってきますが、ドローンAIは現場をカメラやセンサーで捉えてリアルタイム解析してくれるため、迅速な救助を手助けしてくれます。
ドローンAIを活用することで、人の安全を守りながら自律的にデータ収集し状況把握できるので、災害現場やインフラの分野で大きなメリットをもたらしてくれます。
AIを搭載したドローンは、人が立ち入れない場所の調査・点検を可能にします。
高低差のある場所や、災害現場など危険なエリアでは、人がたどり着くのに時間がかかったり、安全面でリスクがありますが、ドローンAIを活用すれば自動的に行動パターンを決めて代わりに調査してくれます。
また、人が足を踏み入れることで自然環境に影響を与えてしまうような、特殊な環境下の生態系を観測する場合などもドローンAIが役立ちます。
ドローンAIの活用は、人の安全性を保ちながら、コスト削減や環境保全にもメリットがあります。
ここでは、AI搭載ドローンの活用事例5選を紹介します。
活用事例①【医療系】ドローンによる医薬品配送サービス
活用事例②【災害系】エリアモニタリング自動化ドローン
活用事例③【警備系】AI画像解析を用いた警備サービス
活用事例④【農業系】AIアルゴリズムでドローン水稲直播栽培
活用事例⑤【太陽光】自動点検システム
それではここから、1つずつ詳しく解説します。
AI搭載ドローンによる医薬品配送サービスは、ドローンを用いて医薬品や医療物資を特定の場所へ輸送するサービスです。
ここでは、MONET Technologies株式会社が浜松市で実証実験した『春野医療MaaSプロジェクト』を紹介します。
浜松市の高齢化が進む地域では、病院への通院が難しい高齢者が多く、医療が必要な人の数に比べて医者の数も不足しています。
この課題を解決するため、ドローンによる医薬品配送サービスの実証実験が開始されました。
まず、医療機器などを乗せた移動診療車で看護師が患者のもとへ訪問し、テレビ通話機能を利用して医師によるリモート診断を行います。
この診断をもとに薬剤師が服薬指導した薬剤をドローンで配送します。
この時使用されているのがドローンAIで、この実証実験では「有人地帯での人による補助なしの自律飛行(自動運転)」の実現を目指しています。
この技術が実現すれば、物流の効率化や医療アクセスの改善に大きく貢献することになります。
災害時エリアモニタリング自動化ドローンは、NTTデータ社によるAI搭載ドローンです。
これは、自律飛行ドローンによって災害発生時に避難経路や建物の状況を迅速に把握し、行政機関やインフラ事業者に素早く連携することで、災害対応の業務を高速化・最適化を実現するものです。
自律飛行するドローンを同時に多数出動させて、短時間で大量の映像データを収集、一元管理し、必要な関係者に配信します。
収集した映像データのAI解析を行い、その結果をもとに判断した必要な物資や資材をドローンで届けることも可能です。
ドローンAIは、AI画像解析を用いた警備サービスにも活用されています。
セコムがKDDIと共同で実施した、ドローンAIを使用したスタジアム警備サービスの実証実験の例を紹介します。
大規模なスポーツ大会やイベントでは、不測の事態に対する対応が重要なため、より厳重なセキュリティ対策が求められます。
ドローンAIで、スタジアム上空から映像データを収集・解析することで、混雑によるもみ合いや人の転倒、ひったくりなどの犯罪行為をいち早く検知し、警備員へ伝えて対応できるようになりました。
警備業界は人材不足の課題があり、高精度なカメラ映像でのリアルタイム監視ができるドローンAIを活用した警備に期待が高まっています。
ドローンAIは、農業の分野でも活用されています。
石川県で実施された、AIアルゴリズムを活用したドローン水稲直播栽培の例を紹介します。
これは石川県農林総合研究センターと株式会社オプティムによって共同開発された新技術で、ドローンによる種まきとAI画像解析で直播栽培の高度化を実現したものです。
人材不足の課題がある農業の分野では、業務の効率化を図るためにドローンの活用が進められています。
自動操縦で種まきすることで労働時間を削減し、さらにAIによる画像解析で土壌の状態に合わせて種を蒔くことで苗立ちのムラを軽減できます。
さらにAI解析で雑草を検知し適切な場所にピンポイントで農薬散布することで、除草剤のコストや労働時間の削減も実現しました。
株式会社センシンロボティクスは、AIとドローンによる太陽光パネル自動点検システム「SOLAR Check」をリリースしました。
これは赤外線サーモグラフィカメラを搭載したドローンを使用して太陽光パネルの点検を自動化したもので、自動操縦によってドローンを飛行させて太陽光パネルを撮影し、AIでそのデータの画像解析を行い、異常パネルを発見できるというものです。
これによって短時間で異常を発見でき、大幅に作業効率が向上します。
ドローンAIを使用することで、傾斜面などの人が点検しづらい場所も作業でき、点検スキルを持っていないスタッフでも対応可能になるので属人化せず、高頻度の点検が可能になりました。
点検結果は自動でレポート作成され、内容のカスタマイズも可能です。
このシステムは、再生可能なエネルギーとして導入量が増えている太陽光発電を支えるものとして、今後さらに注目が高まっていくと予想されています。
本記事では、AI搭載ドローンの仕組みやできること、実際の活用事例などについて解説しました。
ドローンAIは、従来の人が操作するドローンと違い、AIが判断して自律的な飛行が可能なドローンです。
さらにAIの持つ収集した大量の過去データから学習して判断を導き出すという特性で、画像解析などの高度な映像処理ができます。
これによって物流の効率化、農業の自動化、災害支援の迅速化といった現代の課題解決に大きな革新をもたらしています。
今後さらに技術の進化と法規制の整備が進むことで、AI搭載ドローンは私たちの生活に密接し、より快適で持続可能な社会になっていくことが期待されています。