趣味や仕事でドローンによる撮影を行いたいけど、ドローン撮影許可についてこんな悩みはありませんか?
「どのようなドローン規制に該当するのか?」
「どこへ撮影許可申請を行えばよいのか?」
「希望する撮影の許可は法的に可能なのだろうか?」
など、ドローン撮影のケースごとに疑問や不安を感じることが多いと思います。
この記事では、
などについて、解説します。
ドローン撮影許可を取得し、安心してドローン撮影を行うための参考にしてください。
空を飛ぶドローンには、危険を回避するために多くの規制が存在します。
そのためドローンによる撮影では、その規制内容に従い許可を得なければなりません。
ドローン撮影許可は、ドローンの【飛行許可】と【撮影許可】に分けて考える必要があります。ドローン撮影においては、どちらも必要な許可となります。
【飛行許可】
以下の法規制に従い、必要な申請を行います。
一般的にドローンの許可申請と言うと、飛行許可を指す場合が多いと思います。
【撮影許可】
プライバシー保護のために撮影対象から撮影許可をもらいます。
定型的な申請方法はありませんが、第三者のプライバシーへの配慮が必要です。
撮影許可を得ていない人や物が映り込んだドローン撮影の静止画や動画を無断で公開すると、民法のプライバシー侵害の責任を問われて賠償金を請求されることも考えられます。
ドローンの規制に大きく関わる「航空法」は国土交通省の管轄であり、ドローンの飛行許可申請と言えば、国土交通省への申請を意味する場合が多いと思います。
航空法で定められた「飛行する空域」「飛行の方法」により、飛行許可・承認申請が必要です。ドローン撮影のため以下に該当する飛行を行う場合は申請の対象になります。
出典:航空安全:無人航空機の飛行許可・承認手続き ‐ 国土交通省
出典:航空安全:無人航空機の飛行許可・承認手続き ‐ 国土交通省
申請方法は、ドローン情報基盤システム(DIPS)と呼ばれるオンラインサービスにて飛行許可・承認申請書を作成して提出します。承認されると許可書が発行されます。
ドローン撮影予定日の10開庁日前までに申請を行う必要がありますが、承認の遅れに備えて時間に余裕をもった申請を心がけましょう。
参考:国土交通省ホームページ 飛行許可・承認手続きの方法
ドローン撮影許可において、国土交通省へのドローン飛行許可申請と合わせ、以下のケースでは警察への許可申請が必要になります。
ドローン撮影において、ドローンの離発着や撮影準備のために道路(歩道を含む)を使用する場合などが該当します。
交通の妨害になるため、管轄の警察署にて道路使用許可申請が必要になります。
飛行禁止法と略されることもある警察庁が管轄している法律で、国の重要な施設周辺の飛行を禁止しています。
ただし、対象施設の管理者やその同意を得た者が飛行させるなどの複数の条件を満たしている場合に限り、申請(通報)によりドローン撮影が許可されます。
いずれも、業務によるドローン撮影の場合に必要となることが多いのではないでしょうか。
200g以下のドローンであっても、撮影許可が必要となります。
航空法では当初、機体重量が200g未満のドローンは無人航空機の規制対象外でしたが、航空法の改正により現在は100g以上のドローンが規制の対象となりました。
100g未満のドローンについては、無人航空機ではなく模型航空機の規制が適用されます。
このため100g未満のドローンで空港周辺や一定高度以上の飛行を行う場合は注意が必要です。
小型無人機等飛行禁止法においては、機体重量に関係なくすべてのドローンが規制対象となります。100g未満のトイドローンであっても勝手に飛行することはできません。
航空法においては、特定飛行に該当しない飛行(カテゴリーⅠ)はドローンの飛行許可申請が不要です。つまり、航空法で定める「飛行する空域」「飛行の方法」に違反しない飛行であれば飛行許可申請の必要はありません。
また、ドローン撮影許可が不要な具体例としては、以下のケースが考えられます。
ドローン撮影許可が不要な場合でも、自己責任となる機体トラブルや操作ミスによる事故、プライバシー侵害に注意しましょう。
ドローン撮影許可の取得方法は、撮影ケースにより違ってきます。
屋根点検や建築物、学校、花火大会の3つのケースについて注意点を解説します。
出典:Pixabay
屋根点検や建築物のドローン撮影は、人口集中地区で行うことが多いと思います。
このため、国土交通省へ以下の飛行許可申請を行う必要があります。
「人または物件と30m以上の距離を確保できない飛行」の申請については注意が必要です。
この申請には離発着場所は含まれないため、離発着場所に30m以上の距離を確保しなければなりません。確保できない場合は、安全対策を記載した独自の飛行マニュアルを作成して申請する必要があります。
近隣住民のプライバシー保護や、撮影対象の管理者への撮影許可も必要です。
また、近隣住民や警察へドローン撮影の事前連絡を行うことで、住民の不安や警察への通報を防ぐことができます。トラブルのないスムーズなドローン撮影を行う上で重要な作業となります。
出典:Pixabay
学校では撮影関係者以外の第三者の往来が多いため、国土交通省への申請においては第三者への安全運航管理が問われるようです。
国土交通省への飛行許可申請においては、第三者への安全運航管理内容を記載した独自の飛行マニュアル作成が必要となる場合があります。
また、学校施設からの撮影許可の取得が必須になります。
出典:Pixabay
花火大会のドローン撮影においては、主催者からの撮影許可の取得が必須になります。
また、国土交通省への飛行許可申請も、夜間、目視外、150m以上の空域などに加えて、観客の上空を飛行しなくてもレベルの高い安全運航管理が求められるようです。
さらに、ドローン事故を心配する観客からの警察への通報対策も重要です。
花火大会主催者による観客へのドローン撮影のアナウンスや、警察への事前連絡などの配慮も必要になります。
以上から、個人の趣味による花火大会のドローン撮影許可取得は難しいと思われます。
この記事では以下の内容をお伝えしました。
ドローン撮影における規制と撮影許可の取得方法、プライバシー保護の重要性、ケース別の撮影許可取得の注意点をご理解いただけたと思います。
ドローン撮影許可取得においては「飛行許可」と「撮影許可」の両方を検討し、みなさまがトラブルなくドローン撮影できることを切に願っております。