初心者必見!ドローンの仕組みを簡単にわかりやすく解説

ドローンが空を飛ぶ仕組みをご存知でしょうか?

ラジコンではなくドローンから始めた人は、ドローンにどんな部品が搭載されていて、どうやって空を飛んでいるか、を知らずに飛ばしている人も多いと思います。

本記事ではそんなドローンの仕組みを知らない方に向けて、空を飛ぶのに必要な部品や実際に空を飛ぶ原理を解説。最後まで読むことで、一体どんな部品でどうやって自由自在に飛んでいるのかを理解できます。

ドローンが飛ぶ仕組み

出典: AzureEyesによるPixabayからの画像

ドローンが空を飛ぶためには、物理学の原理を応用した複雑なメカニズムが働いています。ここでは、ドローンが空を飛ぶ仕組みに焦点を当てて解説します。

揚力を発生させて飛ぶ

ドローンが空中に浮かぶには、重力に打ち勝つだけの揚力が必要です。

この揚力は、ドローンのプロペラが高速で回転することにより生み出される仕組みになっています。プロペラが空気を下に押し出すことで、反作用の原理によって上向きの力が生じ、ドローンが持ち上げられるのです。

プロペラの速度を上げることで揚力は増大し、ドローンはさらに高く飛ぶことができます。そして、ドローンの頭脳とも言えるフライトコントローラーでこの揚力を常に制御することで、安定した飛行が可能になる仕組みです。

まとめると、ドローンに取り付けられたプロペラを高速回転させることで、揚力が生まれドローンが空に浮く、という仕組みです。

方向転換の仕組み

ドローンの方向転換や姿勢維持は、プロペラとモーターの細かな調整によって行われる仕組みです。

前後左右の移動は、それぞれのプロペラの回転速度を変える進行方向とは反対側のプロペラの回転速度を速くするとで制御されます。

例えば「前進」するためには、後ろのプロペラの回転速度を速くし、逆に前のプロペラを遅くするのです。「後進」するためには、前のプロペラの回転速度を速くし、後ろのプロペラを遅くします。

  • 「前進」:前のプロペラ遅く+後ろのプロペラ速く
  • 「後進」:前のプロペラ速く+後ろのプロペラ遅く
  • 「右移動」:右のプロペラ遅く+左のプロペラ速く
  • 「左移動」:右のプロペラ速く+左のプロペラ遅く

まとめると、進行方向とは反対側のプロペラの回転速度を速くすることで、進行方向に進める仕組みとなっています。

姿勢維持の仕組み

ドローンの安定した飛行には、姿勢制御が不可欠です。

ドローンは頭脳である「フライトコントローラー」によって制御され、ジャイロスコープや加速度センサーなどの部品がドローンの傾きや速度を常に監視します。

フライトコントローラーはこれらのデータをもとにして、各モーターの速度を微調整し、ドローンが望む方向に傾斜したり、旋回したりするのを可能にする仕組みです。

ホバリングをする際も、風の影響などによる傾きをGPSなどを用いて制御しているおかげで、操作をしなくてもピタッと空中で停止します。

高度と速度を調整する仕組み

ドローンの高度と速度の調整は、プロペラの回転速度を細かく制御しています。

「上昇」するには、すべてのプロペラの回転速度を増加させます。すべての回転速度を増加させることで、そのぶん大きな揚力を得られ、より高く飛ぶ仕組みです。

逆に「下降」するには、すべてのプロペラを減速させることで、揚力が少なくなり高度が落ちる仕組みです。

「速度」に関しても、特定のプロペラの回転速度を変えることで、自由自在に速度を変えられます。これも「フライトコントローラー」によって制御されます。

ドローンの飛行に必要な部品

出典:(C) UnsplashKushal Medhiが撮影した写真

ドローンの構造は複雑で、いくつかの部品と高度な機能で構成されており、それぞれの部品はドローンの性能と安定性を支える重要な役割を担っています。

以下がドローンが飛ぶ際に使用される部品となり、これらの部品でドローンは空を飛んでいるのです。

  • フレーム
  • プロペラ
  • モーター
  • ESC
  • フライトコントローラー
  • バッテリー
  • センサー(カメラ)
  • 送信機と受信機

・フレーム

ドローンのフレームは、その全体構造を支える骨組みです。

軽量でありながら高い耐久性を持つ素材が選ばれます。フレームのデザインは、ドローンの用途や飛行特性に影響し、四角形やX型などさまざまな種類があります。選択するフレームによってドローンの安定性や機動性が決まるのが特徴です。

・プロペラ

ドローンの飛行に絶対に必要なのが、それぞれ対角に取り付けられている4本のプロペラです。このプロペラは、空気を押し下げることでドローンを持ち上げる「揚力」を生み出します。プロペラの回転の方向や速度を変えることで、ドローンの進行方向や速度を制御する仕組みです。

プロペラのサイズや形状、ピッチ(傾斜角)は、ドローンの飛行特性に大きく関わります。求められる飛行の安定性や効率に応じて適切なプロペラを選びます。

機体が大きければそのぶん大きなプロペラが必要ですし、機体が小さければプロペラ自体も小さくて良い仕組みです。例えば、DJI社のドローン「Inspireシリーズ」のプロペラは大きいですが、「Miniシリーズ」のプロペラは小さいですよね。

・モーター

モーターは、4本のプロペラを回転させるための部品です。

ESCによって制御された4つのモーターが、それぞれ4つのプロペラを回転させ、ドローンのバランスを保ちながら飛行させる仕組みです。

こちらもドローンのサイズや重量に応じて、異なる種類のモーターが使用されます。モーターは飛行速度や上昇力に直接影響を与えるため、飛行目的に合ったモーターが取り付けられています。

・ESC

ESC(Electronic Speed Controller)は、モーターの回転速度を精密に制御する装置です。プロペラの速度を個別に調節することで、ドローンの上昇・下降や方向転換を可能にする仕組みになります。

・フライトコントローラー

フライトコントローラーは、ドローンの頭脳とも言えるもっとも大事な部品で、飛行中の安定性や操縦性を制御します。

具体的には、気圧や磁気、加速度などのセンサー、そしてGPSからの情報を統合して機体の姿勢制御や自動操縦における自己位置推定などを行う演算装置です。

・バッテリーと電源システム

ドローンは主にリチウムポリマー(LiPo)バッテリーで動きます。

このバッテリーは高いエネルギー密度を持ち、ドローンの長時間飛行を可能にします。このバッテリーの電力を電源システムによって効率的にモーターやほかの電子機器に分配する仕組みです。

・カメラやセンサー

ドローンには位置や速度、姿勢を正確に把握し、安定した飛行を可能にするためのさまざまなセンサーカメラが搭載されています。

例えば、GPSセンサーや加速度計、ジャイロスコープなどのセンサーです。

これらのほかにも自動飛行や障害物回避などをするカメラも搭載されていることもあります。

・送信機と受信機

ドローンの操作には、送信機と受信機が必要です。

送信機はパイロットが操作するコントローラーで、飛行指令をドローンに送信します。受信機はドローンに搭載されており、送信機からの信号を受け取り、フライトコントローラーで制御する仕組みです。

ドローンと電波通信の仕組み

出典:(C) Antonio Jose CespedesによるPixabayからの画像

ドローン飛行は、ドローンに指示を送る送信機とその指示を受信する受信機によって飛行する仕組みとなります。その通信は「電波信号」によって行われます。

電波通信の仕組み

操縦者が送信機のスティックやボタンを操作し、ドローンの方向、速度、高度などを制御します。その指令が電波信号に変換されて空中を伝わり、ドローンに搭載されている受信機に到達する仕組みです。

ドローンの受信機で受信した信号は解析され、フライトコントローラーを介してモーターなどに信号を出し、実際に速度を上げたりする仕組みとなります。

また、単に飛行指令を送るだけではなく、リアルタイムでのデータ伝送も行います。これには、ドローンの現在位置、速度、高度、バッテリー残量などのテレメトリーデータや、カメラからの映像が含まれます。

リアルタイムのフィードバックは、操縦者がドローンの状態を即座に把握し、適切な操作を行うために不可欠です。とくに映像のリアルタイム伝送は、空撮や監視任務などで重要な役割を果たし、高解像度で遅延の少ない伝送技術が求められます。

周波数と通信範囲の仕組み

電波通信に使用される周波数帯は、2.4GHzや5.8GHzなどが主に使用されます。

これらの周波数帯は、適度な通信範囲と干渉の少ない特性を持ち、都市部や自然環境での飛行に適しています。通信範囲は、ドローンの操縦可能な距離を決定し、広い範囲での操作や長距離飛行にはより強力な送受信機やアンテナが必要です。

まとめ

ドローンが空を飛ぶ仕組みをわかりやすく解説しました。

プロペラを高速回転することによって得られる「揚力」によってドローンは空を飛ぶ仕組みとなっています。そしてプロペラの回転速度を速くしたり遅くしたり微調整することで、上昇・下降、前進・後進など自由自在な移動が可能になるのです。

気になる方がいれば、ドローンの部品を集めて一から自作してみると、よりドローンの仕組みについての理解が深まりますよ。

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この記事を書いた人
ドローン操縦歴9年。航空法が改正される以前からドローン空撮をしており、現在も業務・趣味問わず毎週のように撮影しております。