【2024年最新】ドローン農薬散布によるメリット・デメリットは?料金相場を徹底解説!

「ドローン 農薬散布」のアイキャッチ画像

従来まで、人による手作業で農薬散布が行われており、時間をかけて広大な圃場を散布するのが一般的でした。

しかし、約7kg~10kgの重さがある噴霧器を背負って農薬散布を行うと、作業者の身体的負担が大きくかかります。

そこで、従来の散布よりも身体的負担を軽減し、的確な散布や作業時間の大幅な短縮に成功している農薬散布用ドローンが普及しています。

便利な農薬散布用ドローンですが、ドローンで農薬散布することによるメリットやデメリットはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

そこでこの記事では、ドローン農薬散布のメリット・デメリットを徹底解説します。

また、農薬散布ドローンの購入と代行サービス、料金相場はどのくらいあるのかを詳しく紹介します。

この記事でわかるドローン農薬散布の内容
・ドローン農薬散布が普及した背景
・ドローン農薬散布のメリット
・ドローン農薬散布のデメリット
・ドローン農薬散布において、機体購入と代行サービスはどちらがおすすめなのか
・ドローン農薬散布の費用相場
ドローン合宿のバナー画像-2

ドローン農薬散布が注目されるようになった背景とは?

ドローン農薬散布の背景画像

近年、ドローンによる農薬散布が注目されるようになった要因はいくつかありますが、まず「労働力不足」があげられます。

特にアメリカや日本といった先進国では、農業の分野に従事する人材の高齢化により労働力が不足しています。

ドローンを使った農薬散布では、自動化によってこの問題を軽減できます。

またドローン農薬散布は、農薬の散布を均等に短時間で行うことができ、従来の方法に比べて作業効率が大幅に向上するため、農業の生産性の向上が期待されています。

さらに、農薬に直接触れずに作業ができるため作業者の安全性を確保できるなど、多くのメリットがあり、ドローンを使った農薬散布の導入を検討する農家が増えてきました。

ドローン技術の進歩と普及により機体価格が下がり、導入へのハードルが下がってきたため、ドローン農薬散布は実用的な選択肢として多くの注目度が高まっています。

ドローン農薬散布による5つのメリット

ドローン農薬散布にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、ドローン農薬散布のメリットを徹底解説します。

ドローン農薬散布のメリット

1.作業時間を大幅に短縮できる
2.作業者の負担を軽減できる
3.人が入りづらい場所での散布が可能
4.安全に農薬散布を実施できる
5.機体購入やレンタルの場合は生産管理と害獣管理が可能

それでは、ドローン農薬散布による5つのメリットを詳しく説明していきましょう。

1.作業時間を大幅に短縮できる

ドローン農薬散布を導入することで、作業時間を大幅に短縮できるメリットがあります。

ドローンを使用した農薬散布が従来の方法に比べて、作業時間を大幅に短縮できる理由はいくつかあります。

農薬散布用ドローンは空中で散布するため、広い面積を一度にカバー可能なことから、手作業で散布するよりも効率よく作業できます。

同じ面積をより短時間で処理するのにドローン農薬散布は有効な手段です。

また、ドローンは人間の作業者とは違い、疲れることなく連続して作業を行える特徴があります。

これにより、時間を問わず連続的に農薬を散布できるため、作業時間が短縮されます。

さらに、最新のドローン技術では、GPSやセンサーを利用して自動で航行し、事前に設定したルートに沿って正確に農薬を散布します。

農薬散布ドローンを導入することで、今まで手作業で行っていた必要な操作を行う手間が省かれ、全体の作業時間が短縮されます。

これらの要因により、ドローンを使用した農薬散布は、従来の方法に比べて作業時間を大幅に短縮できることになります。

2.作業者の負担を軽減できる

ドローン農薬散布を導入することで、作業者の負担が大幅に軽減されるメリットがあります。

従来の農薬散布では、手作業での散布やトラクターなどの重機を使うため、重労働が多く厳しい作業環境でした。

しかし、ドローンを使うことで、このような重労働から解放され、作業者の身体的負担が大幅に軽減されます。

また、従来の方法では、足や重機で作物を踏み倒さないように注意を払って作業しないといけないので心理的負担がかかりますが、ドローンによる農楽散布では農地に入らず作業が可能なため、作業者の身体的・心理的負担の両方を軽減できます。

3.人が入りづらい場所での散布が可能

ドローンでの農薬散布は、人が入りづらい場所での散布を可能にするメリットがあります。

ドローンは空中を飛行できるため、険しい地形や、アクセスが困難な区域でも簡単に目標地まで到達できます。

これにより、山岳地帯や湿地など、人が物理的に入りづらい場所でも効率的に農薬散布が可能になります。

また、ドローンは小型で機動性が高いため、狭いスペースや障害物が多い場所でも操作が可能です。

そのため木々が密集している林間や、狭い畑の隅など、通常の重機では立ち入れないような場所でも入り込み作業が可能となっています。

最新のドローンは障害物を避けるためのセンサーを搭載しており、地形や障害物に対して柔軟に対応できます。

山の斜面や河川沿いなどの複雑な地形でも農薬を正確に散布でき、人が入りづらい場所での農薬散布を可能にしました。

4.安全に農薬散布を実施できる

ドローンを使用した農薬散布は、従来の方法より安全に実施できます。

従来の農薬散布方法では、作業者が直接農薬に触れるため、皮膚や呼吸器に対する健康リスクが伴いました。

しかし、ドローンを使用した農薬散布は、遠隔操作で一定の距離を保ったまま作業できるので、作業者が農薬に直接接触することなく、安全に散布作業を実施できます。

さらに、ドローンの高精度なセンサーやGPSを活用することで、農薬を正確な場所に散布できます。

これにより、無駄な散布や過剰な農薬使用が防止され、農薬の飛散による健康リスクが軽減されます。

ドローンを使用した農薬散布は、至近距離で農薬を吸い込んでしまうリスクを軽減し、作業者の安全性を確保します。

5.機体購入やレンタルの場合は生産管理と害獣管理が可能

ドローンによる農薬散布は、生産管理や害獣管理においても多くのメリットがあります。

ドローンは空中撮影機能を用いて、作物の健康状態や成長状況を監視するための高解像度の画像やデータを収集できます。

これにより、生育の遅れや病気・害虫の発生を早期に発見し、迅速な対応が可能になります。

また、ドローンには高精度のカメラやセンサーが搭載されており、農地に害獣が近づいていないか確認できるようになっています。

赤外線サーモグラフィーカメラの機能を使えば、夜間でも害獣の動きや群れの位置のリアルタイム追跡が可能です。

ドローンを使用することで、生産管理と害獣管理の両方で高い効率性と精度を実現でき、農業の品質と生産性の向上に寄与します。

ドローン農薬散布による3つのデメリット

ここまでドローン農薬散布にどのようなメリットがあるのか説明してきました。

では反対に、ドローン農薬散布にはどんなデメリットがあるのでしょうか。

ドローン農薬散布のデメリット

1.機体購入または代行依頼にコストがかかる
2.散布には各種申請手続きの手間がかかる
3.使用できる薬剤が決まっている

それではここから、ドローン農薬散布による3つのデメリットを説明します。

1.機体購入または代行依頼にコストがかかる

マゼックス「飛助MG」の画像
出典:mazex

ドローンによる農薬散布は、機体の購入や代行依頼にコストがかかるデメリットがあります。

高性能な農業用ドローンは、GPS、センサー、カメラなど高度な技術が搭載されており、そのため価格が高く設定されています。

農業用ドローンの価格は1台あたり約60万円~200万円に及ぶことがあり、初期投資として大きな額になります。

また、ドローンは精密機器であり、定期的なメンテナンスや修理が必要なため、長期的に見て維持費が発生することも忘れてはいけません。

ドローン農薬散布では、散布を代行する専門業者が提供する代行サービスが存在しますが、サービス料が発生します。

この料金は散布面積や作業の難易度に応じて変動しますが、大体1haあたり約2万円以上必要になります。

ただし、従来の方法である有人航空機による散布や、人力で重い散布機を背負って散布することと比較して考えれば、ドローン農薬散布機体の購入コストや代行サービスコストはリーズナブルな価格で始められることが分かります。

2.散布には各種申請手続きの手間がかかる

ドローンによる農薬散布は、国土交通省に対して各種申請手続きを行う必要があります。

現在、ドローンを飛行させる際は、国土交通省が管理するドローン登録システムへの登録が義務化されているので、まず「機体登録」が必要です。

また、航空法に基づき、事前に国土交通省へ「飛行許可申請」を提出する必要があります。

申請せずにドローンを飛行させた場合は、懲役又は罰金に科せられるため注意しましょう。

さらに、作業実施日が決まったら、「飛行計画登録」をする必要があります。

飛行させる機体の詳細や飛行の目的、方法、時間、経路、立入管理措置などについて記載した、「飛行計画」と呼ばれる資料をあらかじめ国土交通省に提出しなければなりません。

2025年12月からは、ドローン民間資格をエビデンスとした飛行許可申請の簡略化が廃止されるので、ドローンを飛ばす際は国家資格を取得するようにしましょう。

ドローン合宿の画像

当スクールでは、二等無人航空機操縦士の国家資格が一泊二日の合宿形式で取得できるコースを用意しています。

卒業生500人以上の実績と高い顧客満足度を誇る『ドローン合宿』で、是非ご受講いただければと思います。

3.使用できる薬剤が決まっている

農林水産省「農薬取締法について」の画像
出典:農林水産省

ドローンによる農薬散布では、使用できる薬剤に制限があります。

適応している薬剤を使用することが農薬取締法で義務付けられているためしっかりと確認しましょう。

現在では、使用できる農薬の種類は徐々に増えていて、1,000種類以上が使用可能となっています。

使用できる作物・散布量・希釈倍率・使用方法などの使用基準が細かく定められているので注意が必要です。

農薬登録情報提供システムの画像
出典:農林水産省

農林水産省の農薬登録情報提供システムで適した農薬が検索できるので、農薬散布を行う方は参考にしてください。

ドローン農薬散布ではドローン購入と代行どちらがおすすめ?

ドローン農薬散布を行う際に、「ドローン購入」と「ドローン農薬散布代行サービス」どちらに依頼するがいいか悩む方が多いと思います。

農薬散布の頻度が高く、広範囲の作業が必要な場合、自分でドローンを購入して運用する方が長期的にはコスト効率が良いことがあります。

目安としては、作業面積が5ha以上である場合は、農薬散布用ドローン機体の購入を検討することをおすすめします。

反対に、散布が少ない場合や一時的なニーズには、代行サービスが適しています。

また、初期投資を抑えたい場合や、技術的な知識がない場合は、代行サービスの利用をおすすめします。

自分でドローンを操作できるかわからないという場合は、ドローン販売事業者などが行っている体験会に参加し、実際に操縦できそうか試してみるもの効果的です。

購入する前に一度代行サービスに依頼してみて、専門業者の作業を見た上で、自分でも操作ができそうか検討するのも有効な手段となります。

ドローン農薬散布の料金相場はどれくらい?

ドローンによる農薬散布の料金相場は、地域、サービス内容、散布面積、ドローンの性能、作業の難易度などによって異なりますが、一般的な価格帯について説明します。

農薬散布のみを実施できる機体は、1台あたり60万円~200万円が相場です。

肥料散布・種まき・センシングなど、搭載されている機能が増えていくとその分価格が高騰します。

加えて、農薬散布用ドローンは、農薬代や定期的なメンテナンス代がかかることも覚えておきましょう。

ドローンによる農薬散布の料金は、通常、面積あたりの単価で設定されます。

目安としては、1haあたりの料金が2万円から3万円程度になることが多く、農薬の種類や散布量、地域によって価格が異なる場合があります。

まとめ

この記事では、ドローンによる農薬散布のメリット・デメリットを詳しく解説しました。

また、ドローン農薬散布において機体購入と代行サービスはどちらがおすすめなのか、ドローンによる農薬散布の料金相場はどのくらいなのかを徹底解説しています。

ドローンによる農薬散布は、農業における効率性と精度を向上させる革新的な技術です。

「作業時間の短縮」、「作業者の負担軽減」、「機動性の高さ」、「作業者の健康リスク軽減」、「生産管理・害獣管理への応用」などの多くのメリットがある一方で、「機体購入の初期投資」、「代行サービスコスト」、「申請手続きの手間」、「薬剤の制限」などのデメリットもあることを覚えておきましょう。

ドローンによる農薬散布は、作業の効率化と精度向上、作業者の安全性向上など多くの利点がありますが、初期投資や代行サービスのコスト、技術的な要件も考慮する必要があります。

自分のニーズや条件に合わせて、最適な方法を選択することが重要です。

ドローン合宿は、ドローンの国家資格が取得できるドローンスクールです。
「楽しく・わかりやすく」のコンセプトを、より重視した短期集中合宿型のスクールを運営しております。 ドローンに関わる質問や相談はお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人