近年で、様々な業界から注目を集めているドローン点検ですが、作業者の負担軽減やコスト削減などに大きく貢献しています。
ドローンを活用した点検を実施することで、作業者の安全性確保・人件費の削減・点検の効率化が可能となるため、より短時間で正確な点検が可能です。
既に日本国内では、橋梁点検、鉄道、太陽光や風力発電施設、船舶の内部など様々な場所でドローン点検が導入され始めています。
そこでこの記事では、ドローン点検の概要や注目を集めている理由を徹底解説します。
また、ドローン点検のメリットや活用事例も詳しく紹介しています。
おすすめのドローンスクールは?
日本全国各地にあるドローンスクールの中で
当サイトが最もおすすめするのは『ドローン合宿』です。
初心者からシニアまで大歓迎!
ドローン合宿は、国土交通省「登録講習機関」に認定されているドローンスクールです。
最短2日間でドローン国家資格が取得可能で、民間資格にも対応しています。
また、本スクールは「高知校」「岡山校」「山梨校」「鳥取校」「奈良校」「広島校」に
校舎を構えるため、関東や西日本にお住いの方は通いやすいメリットがあります。
ドローンに関わる質問や相談はお気軽にお問い合わせください。
ドローンを活用した点検は、無人航空機(ドローン)を使って施設や設備を点検する新しい方法です。
従来の点検方法では、作業員が高所や危険な場所で作業する必要があり、安全性やコスト面で課題がありました。
しかし、ドローンを使うことで、安全性やコスト面の課題を大幅に解消し、効率的な点検が実現しました。
カメラを搭載したドローンにより、無人で詳細な点検が可能となり、建物の外観や設備の状態を安全にチェックできます。
これにより、データ収集が迅速かつ正確になり、保守や管理の必要性も事前に把握しやすくなりました。
結果として、作業効率が向上し、コストや人員の負担を減少させることに成功しました。
ドローンによる点検で、安全性の向上も期待され、多くの分野で利用が広がっていることから、今後さらなる普及が予想されています。
ここでは、ドローン点検が近年で注目を集めている理由を詳しく紹介します。
1.人手不足の解消
2.インフラ施設老朽化の早期発見や修復
3.ドローンに関する規制が緩和
それではここから、ドローン点検が注目されている理由を徹底解説します。
日本では少子高齢化が進行し、それに伴い労働人口が年々減少しています。
総務省統計局による2022年1月のデータでは、就業者数が前年より32万人も減ったと報告されています。
特に、建設業界では高齢化が進んでおり、人材不足が深刻な問題となっています。
その一方で、インフラや建造物の老朽化が進行しており、定期的な点検やメンテナンスは避けて通れない課題です。
道路、橋、鉄道といった交通インフラだけでなく、ビルやマンションの外壁・屋根といった私たちの日常生活に関わる建物も、点検が必要な状態にあります。
人手が不足している現在の状況では、従来の方法ですべてのインフラを網羅的に点検することは極めて難しいと言えます。
このような状況の中、ドローンを活用した点検が注目されています。
ドローンを使えば、現場作業を大幅に軽減することが可能です。
例えば、遠隔操作でドローンを利用して点検することで、技術者が現場に赴く必要が減り、1日に対応できる現場数が増えます。
また、ドローンで撮影した映像をAIが解析することで、点検業務の効率化も期待されています。
インフラの老朽化問題は、日本が直面している重要な社会課題の一つです。
2021年に和歌山県で発生した水管橋の崩落事故は、老朽化による事故として大きな注目を浴びました。
また、学校などの公共施設でも老朽化が進んでおり、天井や外壁のコンクリートが落下する事故が発生しています。
さらに、西日本豪雨では広島県の砂防ダムが決壊し、東京都内でも毎年10件以上の水道管破損が報告されています。
さらに過去には、中央自動車道の笹子トンネルで天井板が崩落し、9名が犠牲になる事故も起きました。
老朽化したインフラを安全に維持していくには、定期的な点検と修繕が必要です。
最近では、ドローンがこうした点検作業に利用されるケースが増えており、特に危険な高所での点検が安全かつ効率的に行えるため、注目を集めています。
従来は高所での点検に足場を設ける必要がありましたが、ドローンを使用すれば、遠隔地から専門家が操作してドローンカメラで点検できます。
予算や人手が不足しているインフラメンテナンスの解決策として、ドローン点検は重要な役割を果たしているため、注目されています。
ドローンの利活用拡大を目指し、2021年9月24日に航空法施行規則が改正され、ドローンの飛行に関する規則が一部緩和されました。
これまでは国土交通大臣の承認が必要だった飛行エリアでも、条件次第では許可や承認が不要となり、特に建設業界を中心に、ドローンによる点検作業の導入が今後さらに広がることが期待されています。
今回の改正で緩和された主な条件は2点あります。
1つ目は高層建物周辺での飛行に関する規制緩和です。
従来、地表面から150m以上の高さでの飛行には国土交通大臣の許可が必要でしたが、改正後は高層構造物から30m以内での飛行は許可が不要となりました。
2つ目は、人口密集地や夜間の飛行に関する変更です。
以前は、これらの飛行には国土交通大臣の許可が必要でしたが、今回の改正により、ドローンを30m以下の十分な強度の紐で係留し、飛行エリアが第三者立入禁止となる場合には、許可や承認が不要となります。
これらの規制緩和により、インフラ点検などの分野でドローンの活用が加速することが見込まれ、今後ますます注目される技術になるとされています。
ここでは、ドローン点検のメリットを紹介します。
1.安全に点検作業が実施できる
2.人員を削減できる
3.短時間で点検が完了する
4.点検にかかるコストを抑えられる
5.AI映像解析で人よりも効率的な点検が可能
それではここから、ドローン点検のメリットを1つずつ詳しく解説します。
ドローンを使用した点検には多くの利点があり、その中でも安全性が確保される点は非常に重要な項目として挙げられます。
建設業界では他の業種と比べて労働災害が多く、その中でも特に「墜落・転落」による事故が際立って多いことが厚生労働省の『令和2年労働災害発生状況の分析』で示されています。
特に高所での作業では毎年多くの死亡事故が発生しており、インフラの老朽化に伴って点検や保守の需要が増加している現状からも、安全に作業を進められるドローンの利用には期待が集まっています。
こうした背景の中、2020年に改正された航空法により、橋や煙突、建物の外壁、屋根、風力発電設備といった危険な場所での点検作業が安全に行えるようになりました。
建設業は私たちの生活に不可欠なインフラや建物に関わる重要な産業である一方、特に若年層を中心に労働力不足が深刻化しています。
ドローンによる安全な点検が進展することで、建設業に伴う「危険」というイメージが徐々に解消される可能性があります。
ドローンを利用した点検の利点として、少ない人員で対応できることが挙げられます。
例えば、国土交通省の事例では、橋梁点検車を用いた点検作業には、2名の点検作業員に加え、運転手、オペレーター、そして安全管理者の5名が必要とされていました。
また、場所によっては交通整理のために警備員が加わることもあり、さらに多くの人員が必要となることがあります。
一方で、ドローン点検の場合、ドローンパイロットを含め4名での点検が可能となっています。
最近の航空法改正による規制緩和により、ビルやマンション、プラント、煙突などの構造物に対する点検でのドローン活用も広がりを見せています。
これらの建物の点検作業は、従来では足場を組んだり、ロープアクセス技術を駆使して技術者が直接高所に上がって行っていましたが、こうした従来の方法では多くの人員が必要でした。
しかし、今後はドローンを用いることで、ドローンパイロットを含む少人数での効率的な点検が可能になると考えられています。
ドローンを使用した点検は、従来の点検方法に比べて作業時間が大幅に短縮されるのが大きな強みとして挙げられます。
例えば、橋梁点検においては、従来はクレーンを使用して足場を組み立て、橋梁点検車を使って点検する必要がありました。
このような特殊な装置を現場に持ち込み、技術者が直接確認を行う従来の手法に比べ、ドローンを用いることで時間を大幅に短縮できます。
国土交通省北海道開発局の調査によると、橋梁点検車を使用した場合、現場での点検に約3時間を要するのに対し、ドローンを使った場合は約1時間で済み、その効率は3倍に達しています。
さらに、橋梁点検車を使う場合は、現場での作業時間に加えて作業員の移動時間も必要となり、1日に技術者が対応できる橋の数は1〜2基が限界です。
しかし、ドローンを使った点検では短時間で作業が完了するため、1日で複数の現場を効率的に回ることが可能です。
もちろん、全てのインフラ点検にドローンが適用できるわけではありませんが、高所作業などでは特に時間の短縮が見込まれ、効率的な点検を行うための重要な手段となりつつあります。
ドローンを活用した点検は、コスト削減の面でも非常に大きな利点があります。
特に、インフラの老朽化対策として低コストで点検を実施できることは、社会的な課題解決に貢献します。
高度経済成長期に整備された日本のインフラの多くが老朽化しているにもかかわらず、多くの自治体では予算不足により、点検や修繕が進められていないのが現状です。
公共事業にかかる費用が削減されている今、限られた資金でできる限り多くのインフラ点検を行わなければ、大規模な事故が発生するリスクも高まります。
こうした状況を背景に、ドローンを活用した点検のコスト削減効果に大きな期待が寄せられています。
国土交通省が実施した事例では、従来の橋梁点検車による点検は約198万円、ロープアクセスによる点検は約85万円の費用がかかったのに対し、ドローンを用いた点検は約50万円で済んだと報告されています。
ドローン点検は、安全性、短時間、少人数、そして低コストという多くのメリットを備えており、今後さらに注目される技術として広く活用され始めています。
ドローンで撮影された映像をAI(人工知能)によって解析することで、点検作業の効率化を図れるものドローン点検の大きな利点の一つです。
AIは大量の映像を短時間で処理し、異常がありそうな箇所を素早く検出できます。
これにより、さまざまな現場で撮影されたドローン映像をAIがまとめて解析し、その結果を人間の技術者が確認することで、作業全体の効率を向上させられます。
最近では、AIの映像解析技術が急速に発展しており、特に正確さが求められる医療の画像診断でも、診断医に匹敵するほどの精度を誇るとされています。
将来的には、さらに進化した画像診断技術により、より正確で効率的な点検が期待されています。
さらに、ドローンは人が近づきにくい場所や広範囲を撮影できるという利点も持ち、光学ズームや高性能カメラを使って、詳細で高品質な映像を取得できます。
また、赤外線カメラなどの特殊なセンサーを搭載すれば、通常の目視では得られないデータを収集できるため、こうした情報をAI解析にかけることで、より幅広い範囲の効率的な点検が可能となります。
ここでは、ドローン点検の活用事例を紹介します。
1.橋梁点検
2.屋根や建物の壁面の点検作業
3.太陽光・風力発電施設の点検作業
4.鉄道のトンネル・橋梁の点検作業
5.船舶の内部・洋上風力発電設備の点検作業
それではここから、ドローンを活用した点検事例を1つずつ詳しく解説します。
2019年に実施された橋梁の点検では、ドローンを活用することで、交通規制せずに点検が可能となりました。
これにより、道路利用者に不便をかけず、従来の人による近接目視と同等の精度での点検を低コストで実現できたと報告されています。
将来的には、災害発生時を想定した技術の開発が期待されています。
将来的には、災害発生時を想定し、発着地点から現場までドローンが自動で飛行して調査し、その後自動で帰還するシステムや、降雪時に夜間飛行で遠隔地を調査できる技術の開発が期待されています。
橋梁点検の詳しい事例は、国土交通省|ドローン活用事例(道路局)をご参照ください。
ドローンによる点検は、建物の外壁や屋根のチェックにも効果的です。
特に、高層ビルなどの外壁や屋根の検査では、時間がかかる『打診調査』や『赤外線カメラ』を用いる方法が一般的でした。
しかし、ドローンとサーマルカメラを併用することで、作業時間を大幅に短縮でき、効率的に状況を把握できます。
人が直接確認するのが難しい建物の外壁や屋根の隅なども、ドローンによる点検作業がおすすめです。
風力発電や太陽光発電の設備点検にも、ドローンを活用することは非常に有効です。
これらの施設は、郊外や山間部などに設置されていることが多いため、点検スタッフの派遣には多額の人件費がかかります。
さらに、高所での作業が必要なことが多く、作業中の転落事故を未然に防ぐことも大きな課題として挙げられます。
ドローンを利用してこれらの発電施設を点検すれば、コストを削減できるだけでなく、労働災害のリスクを低減し、安全に定期点検を実施できます。
人件費やリスクを最小限に抑えつつ、効率的に風力・太陽光発電施設の点検を行いたい場合、ドローンを用いた点検方法がおすすめです。
鉄道業界では、列車が運行していない夜間に点検作業が実施されることが一般的です。
特にトンネルや橋梁といった負担の大きい箇所での作業効率を向上させるため、ドローンが活躍しています。
例えば、東京メトロでは地下トンネルの点検にドローンを導入しています。
また、JR東日本では線路設備の点検にドローンを用いた実証実験が行われ、JR北海道でも橋梁の点検にドローンを活用した実験が進められました。
さらに、JR九州では、豪雨や台風で発生した土砂流入や橋梁の流出といった災害被害の状況確認にもドローンが使用されました。
今後は、GPSが利用できないトンネル内での自律飛行技術の安定性向上や、飛行距離や飛行時間の延長などが期待されています。
鉄道のトンネル・橋梁の点検の詳しい事例は、国土交通省|ドローン活用事例(鉄道局)をご参照ください。
船舶の貨物倉内や洋上風力発電設備でも、ドローンを用いた点検が活用され始めています。
例えば、閉鎖空間である船舶の貨物倉(高さ20m)の中で、損傷状況を自動で判別するための試験や、洋上風力発電設備の130mの高所にあるブレードの小さなピンホールを検出する技術の試験が行われています。
このように、海事分野におけるドローン点検の導入が進んでおり、今後はドローンに搭載されるセンサー技術のさらなる向上が期待されています。
船舶の内部・洋上風力発電設備の点検の詳しい事例は、国土交通省|ドローン活用事例(海事局)をご参照ください。
この記事では、最も注目を集めているドローン点検の概要やその理由、メリットを徹底解説しました。
また、ドローン点検の活用事例5選も紹介しています。
ドローン点検では、無人航空機(ドローン)を使って施設や設備を点検する全く新しい点検方法です。
従来、人が行っていた点検作業に比べて、安全面・コスト面などの課題を大幅に解消し、より効率的な点検が可能になりました。
ドローンだけでなく、AI映像解析なども用いることで、異常がありそうな箇所を見落とすことなく検出できるメリットがあります。
日本国内では、既にドローンを活用した点検が行われており、東京メトロ・JR北海道・JR九州などでは、様々な点検にドローンを利用することで作業効率を向上させています。
年々ドローンを使った点検による需要が伸びており、それに伴いドローンも徐々に進化を遂げています。
今後、ドローン点検の導入が一層進展し、さまざまな現場で広く活用されることによって、インフラの老朽化といった深刻な社会問題が解決に向かうことを期待しています。