警察の相棒はドローン!?国内外の最新事例と今後の展望を徹底解説

警察とドローンと聞くと、どのようなイメージを持ちますか?

警察はドローンの取り締まりや申請を許可するだけではなく、警備や救助にドローンを活用するようになりました。

今回は、警察とドローンの関わりを紹介します。

ドローンと警察との関わり

出典:(C)写真AC

身近で、ドローンが撮影した映像がCMやドラマで使われたり、空撮を楽しむ人を頻繁にみかけるようになりました。

ドローン技術が発達したことにより多方面でドローンが活躍しつつあるのは、誰もが実感していることだと思います。

ドローン技術がますます進歩している中、警察による防犯目的での使用や、自衛隊による災害救助目的での使用といった、公的機関でのドローンの活用が広がっています。

警察とドローンは今や切っても切れない相棒のような存在です。

世界と日本での事例を紹介します。

アメリカで行われたドローン活用事例

アメリカのカリフォルニア州にあるチュラビスタ警察署は緊急電話で通報を受けると、すぐにドローンを出動させるプログラムを2018年から始めました。

ある事例では、銃とヘロインが入った袋を持った男性の追跡が困難になりました。ドローンを出動させたことで、上空でホバリングしていたドローンが男が銃を大きなゴミ箱に投げ捨てヘロインの袋を隠した一部始終をカメラに収めたため、場所の特定ができ、男を捕まえて勾留、銃とヘロインを回収することができました。

役目を終えたドローンは自動飛行で警察署の屋上に戻るそうです。

チュラビスタ警察署は、このプログラムが始まって以来、ドローン対応の緊急通報を毎日15件も受け、2年間で4100回以上もドローンを飛ばしました。

人口27万人を有する南カリフォルニアの都市チュラビスタは、「Drone as First Responder(初期対応としてのドローン)」と呼ばれるプログラムをアメリカで最初に採用しました。

チュラビスタ警察署のドローンは、同市内の約3分の1をカバーすることが可能で、緊急通報の約70%に対応できます。今後は、サンディエゴからメキシコ国境にかけての同市全域約135㎢をカバーできるように申請中です。

大都市になればなるほど、移動距離が長く現場に駆けつける時間が長くなりがちですが、ドローンによって現場の状況をすぐに確認して対処することができます。ドローンのありがたみを感じますね。

日本で導入されたドローン活用事例

出典:(C)写真AC

日本の警察の業務においてもドローンは全国各地で実用されつつあります。

ドローンを活用した事例をいくつか紹介します。

まず、ドローンを導入するきっかけとなったのは2017年3月、栃木県那須町の那須岳で起こった雪崩事故と言われています。

2017年以前よりドローンの導入を検討している中で起こった事故のため、現場の警察官から「ドローンを活用して空から捜索することで、より早く救出救助が可能になるのではないか」「ドローンを活用することで、二次被害の防止になるのではないか」といった声が多く上がりました。

2017年11月にドローンを警察業務に取り入れました。ドローンの操縦者に登録されているオペレーターは6名です。

ドローン操縦の訓練は月2回ほどで警察学校の敷地内で行い、大規模な訓練にも参加し、災害が起きたときに、すぐに出動できる状況を作っています。

また、北海道にある八雲警察署は山岳遭難などが発生した場合にドローンを活用してより早期に行方不明者の発見につなげようと、地元の自治体と協定を結びました。

協定では山菜採りなどによる山岳遭難が起きたとき、警察から連絡を受けた町がドローンを飛ばして上空からの映像を警察の状況把握や救助活動に活用するとのことです。

山岳遭難などの際にドローンの活用で警察と自治体が協定を結ぶのは道南エリアでは初めての試みです。

ヘリコプターと比べてドローンは悪天候でも飛ばせることができるので、ドローンを活用し迅速な救助活動につなげていきたいですね。

さらに、警察庁は全国約30の警察本部で運用してきた災害対策用のドローンを全都道府県警に配備する方針を2022年1月に決めました。

災害時の初動対応を強化するのが狙いで、2022年中に百数十機を調達する予定です。

一部は強風などの悪条件でも飛行できる最新鋭のドローンとし、既にある警察本部への追加配備も進める。

救助活動では、いち早く被災者を発見できるかどうかが生死を分けるとされます。

特に近年は台風や豪雨などの災害が頻発しています。

ドローンを全都道府県警にまんべんなく配備することで一人でも多くの命を救うことを目指しています。全国どこにいても同じような救助が受けられるのは安心ですね。

新たに配備するドローンの一部は最新鋭で、夜間でも被災者を捜索できる赤外線カメラを搭載、最大瞬間風速25メートルの強風下でも耐えられる性能を持ち、横殴りの雨などでも飛行が可能です。

ドローンで撮影した映像は、都道府県警の災害対策本部だけでなく、首相官邸の危機管理センターにも同時送信できるようにして、政府の対応が迅速にできるようサポートしています。

災害対策用ドローンは2017年度以降、警視庁など規模の大きな警察本部から順次、本格的な配備が進めています。

実際に被災現場で使用されたのは2018年7月の西日本豪雨が最初で、岡山県内で上空から被災状況などを調査を行いました。

2021年7月に起きた静岡県熱海市の土石流災害でも、発生翌朝にドローンが被災状況を撮影し、被災者が取り残されているとみられる場所の分析ができました。

近年の登山ブームで増加傾向にある山岳遭難でも、遭難者の捜索に活用されています。

警察庁幹部は「ドローンは既に災害救助に不可欠な機材となっており、より効果的な運用方法を模索していく」と話しています。

警察とドローンの今後のあり方

安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件をきっかけに、警護の基本的事項を規定した「警護要則」が約30年ぶりに改定し、従来は都道府県警だけで対応していたところから警察庁も積極的に関わる仕組みに切り替えました。

2023年度予算の概算要求には、カメラ付きドローンや人工知能(AI)による異常行動検知システムなどの費用が盛り込まれました。額はなんと例年の20倍以上となる22億5700万円です。

今後、警察はドローンを使って警備態勢の強化を進めていきます。

ドローンは360°開けたスペースでの演説など、地上からでは全体像の把握が難しい現場での活用が想定されているので、大いに活躍が期待されますね。

また、警察庁は2022年から宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、高性能のドローンの開発を決めました

実用化に向けては、サイバー攻撃などで機体が乗っ取られたり、撮影した画像や飛行データが盗み取られたりしないよう、高度なセキュリティーを確保する必要があります。

警察庁は早ければ3年後の2025年に実用化することを目指し、まずは大阪・関西万博の警備などで活用する予定です。

人員不足や警備強化を補うドローンの活躍が楽しみですね。

ドローンによってプライベートがなくなる?


出典:(C)写真AC

先ほど、アメリカで行われているドローンの活用事例を紹介しました。

素晴らしい事例ですが、プライバシーが保てなくなる可能性が懸念されています。

警察がドローンを使うようになると、日常生活のビデオ映像を収集し保管するため、状況によっては、プライバシーがありません。

日本でドローンが街を巡回するようになると少ない人員で、上空からより正確な追跡が期待できますが、プライバシーなどの倫理的問題はずっと物議を醸すと考えられます。

地域の治安を守るのが優先か、プライバシーを守ることが優先か、生活がさらに豊かに安全になるために、一緒に考えていきたい問題ですね。

最後に

警察とドローンの関わりを紹介しました。

知れば知るほど、ドローンが相棒のような存在だと感じました。

災害、救助分野ではドローンが日本で普及しつつあるのがうれしいです。

個人的には、ドローンが日常に溶け込む未来にワクワクしているので、プライバシーなどの倫理的問題が前進する話し合いで、日本でも導入してほしいと感じています。

大阪・関西万博開催にあたり、日本でのドローン活用例がさらに増えることを楽しみにしています。


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この記事を書いた人
現職はPILOTをしており、1年ほど前からWebライターを始めました。 本業の所持ライセンス ・定期運送用操縦士(飛) ・操縦教育証明 ・陸上多発限定 ・B737、A320型式限定 ・特定操縦技能審査員 ・航空英語能力証明 ・航空級無線通信士 ・第1種航空身体検査証明 ・FAA ATP