動く被写体を自動追尾し、プロが撮影しているかのような映像を撮れる「アクティブトラック」機能を使っていますか?
手動では難しい飛行を自動で行ってくれるため、普段うまく撮れない人は、このような優秀な自動機能を使うことで、映像のクオリティーを高められます。
本記事では、ドローンのアクティブトラックの使い方や使う際のシチュエーション、使用時の注意事項を詳しく解説していきます。
出典:(C)Unsplash
アクティブトラック(Active Track)とは、ドローンを手動で操作することなく、自動で指定した被写体を追尾してくれる自動追尾機能です。
この機能はすべてのドローンに搭載されているわけではなく、優秀な障害物センサーが備わっているDJI社をはじめとする「空撮機」に搭載されています。
出典:(C)Unsplash
アクティブトラックを使う場面は、動く被写体を追いかけるときです。
ドローンで動いている被写体を手動操作で追尾するのは難しく、カクッとならず綺麗な映像を撮るのはさらに難しい。そんなときにアクティブトラックを使うことで誰でも簡単に動く被写体を追いかけられます。
具体的には、ドローンで車やバイクを追いかけるとき。ドライブやツーリングで、素晴らしい景色のなかを走る車やバイクを追い撮りしたいですよね?
練習が必要な難しい撮影でも、このアクティブトラックを使うことで誰でも簡単にCMで使われるようなドローン映像を撮れるわけですから、ぜひ使ってみましょう。
◾️道路で飛ばすときの注意点
道路を走行する被写体をドローンで撮影する際は、法律を遵守し安全第一で飛ばしましょう。
自動だからと言って、自分が車やバイクに乗った状態では操作してはいけませんし、しっかり地上からドローンを飛ばしましょう。
アクティブトラックは「目視外飛行」に該当することも多いため、国土交通省へ飛行許可・承認申請をあらかじめしておくことも大事です。
また、道路からドローンを離発着させるのは基本的にNGで、警察への道路使用許可が必要です。道路上空をドローンが通過する分には警察への申請は必要ありませんが、念のため一度管轄する警察署へ確認することが推奨されています。
ドローンの飛行許可・承認申請を得ている場合は、高速道路や交通量の多い一般道の上空やその付近での飛行は禁止されていますので注意が必要です。
出典:(C)DJI
アクティブトラックのやり方はとても簡単です。
ドローンを離陸させたら追尾したい被写体に対して構図(高さや角度)を決めます。決めたら追尾したい被写体を指で選択肢し、緑の四角に被写体をおさめます。
出典:(C)SEKIDO
ここで重要なのは、なるべく被写体を画面に小さくおさめることです。画面に対して大きく写してしまうと、カクつきやすくなったりしてあまり上手く撮れないことが多いです。
出典:(C)SEKIDO
選択できたら録画ボタンを押し、被写体が動けばドローンが自動的に追いかけてくれアクティブトラックが実行されます。
まずは遅い速度の被写体を追いかけ、ドローンが正常に追尾してくれるか確認。挙動などが何も問題なければそのまま撮影。問題があればすぐにアクティブトラックを停止させましょう。
速度は遅いほうが綺麗に撮れることが多いため、被写体の速度調整も大事です。
出典:(C)Unsplash
アクティブトラックは便利な一方で、使用する際には注意点がいくつかあります。
手動で操作するときよりも、障害物への接触や墜落につながる可能性が高いため、いつも以上に安全に気を配りましょう。
出典:(C)Unsplash
アクティブトラックを使う際にも航空法などの法律をしっかり遵守しましょう。
とくにアクティブトラックをする際は、設定やカメラワークでモニターに集中しやすく「目視外飛行」に該当しやすいです。あらかじめ国土交通省の飛行許可・承認を取っておき、飛行中は補助者を置いて常にドローンを監視してもらう必要があります。(※マニュアルの内容もしっかり遵守すること)
また、アクティブトラック中は撮影に夢中になり、気付いたらドローンが飛行禁止エリアへ侵入していることもあります。必ずドローンの飛行可能なエリアで、事前に許可を得ている場所でのみ飛行するようにしましょう。
出典:(C)Pixabay
高性能のドローンには「障害物センサー」が付いているおかげで、アクティブトラックを実行している途中で障害物を自動で回避してくれる機能があります。
年々この機能の精度は向上していますが、これはあくまで補助的なものであって、小さな枝や電線など検知できない障害物はたくさんあるため、この機能を信頼してアクティブトラックを使用してはいけません。
アクティブトラックを使う際にも、ドローンの飛行経路に障害物がないかあらかじめ確認し、常に目視や補助者による監視のなかドローンを飛ばす必要があります。
なるべく空間の広い海や山などでドローンを飛ばし、墜落の危険が高い森や電線の多い場所では飛ばすのは避けましょう。
出典:(C)Pixabay
もしアクティブトラック中に、ドローンやカメラに不自然な挙動や異変を感じたら、すぐにアクティブトラックを停止させましょう。
異変を感じてそのまま使い続けると、ドローンが意図しない動作をして墜落の原因になるおそれがあります。
必ず一度停止させて自分がしっかり操作できる状態にし、何もなければ再度アクティブトラックを実行すると安心です。
出典:(C)Pixabay
アクティブトラックを使えるおすすめドローンを紹介します。
この機能自体は、何年も前から複数のドローンに搭載されていますが、年々アクティブトラックの精度は向上しているため、最新機種のほうがきれいな映像を撮れ、なおかつ安全度も高いです。
アクティブトラックは手動で飛ばすよりも危険を伴うため、重要になってくるのは障害物センサーとそれに伴う障害物回避性能です。
以下に紹介するのは最新機種で、なおかつ安全性が比較的高いドローンです。
出典:(C)DJI
DJI Mavic 3 ProはDJI社のフラグシップ機で、高性能カメラと安全性の高さから、プロの現場でもっとも使用されているドローンです。
全方向対応の優秀な障害物センサーが搭載され、アクティブトラック中でもかなりの精度で障害物を回避してくれます。
DJI Mavic 3 Proのアクティブトラックには、「トレース」と「パラレル」の2種類のモードがあります。
4/3型CMOSセンサーカメラで、機体の安全性、飛行時間の長さから、本格的に撮影をする人におすすめのドローンです。
出典:(C)DJI
もう少し価格が安く、手軽に撮影したい人におすすめなのがDJI Mini 3 Proです。
機体重量は249gと小型で持ち運びも簡単。飛行時間は最大40分を超え、1/1.3型CMOSセンサーカメラで高画質な映像も撮れます。
DJI Mini 3 Proにも「トレース」と「パラレル」モードがあり、動いている被写体はもちろん、静止した被写体にも使用できます。
優秀なアクティブトラックが搭載され、お手頃価格で購入できる唯一のドローンになりますので、手軽に趣味などで撮影したい人にはぜひおすすめです。
注意点として、DJI Mini 3 Proには左右に障害物センサーが備わっていないため、追尾中に左右に障害物があっても検知できず、衝突の危険が高いです。
ドローンでクオリティーの高い映像を撮影できる自動追尾機能「アクティブトラック」の使い方や注意点を紹介しました。
使い方によってはマニュアル操作では撮るのが難しい映像を簡単に撮れるため、初心者こそ試してみることをおすすめします。
アクティブトラック中はいつも以上にモニターに集中しがちなので、周囲への注意を怠らないよう気を付けることが大事です。