2020年に開催された東京オリンピックの開会式を覚えていますか?
あの日、東京の夜空に1824機のドローンが、まるで生命を宿しているかの様に滑らかに動きながら、丸い地球の姿や各競技のピクトグラム等を次々と映し出してゆくさまを見て、感動された方も多いのではないでしょうか。
最新のテクノロジ―とアートの融合とも言えるような素晴らしいドローンショーでしたが、実は裏を返してみるとLEDライトを搭載した1824機のドローンが全てプログラミングによって制御され、その指示を行うのはほんの数人のみだったと言ったら信じてもらえるでしょうか。そのプログラミング飛行の第一歩が体験できるドローンがあります。それがこれからご紹介する「DJI Tello」・「DJI Tello EDU」です。
見た目も重さもトイドローン並みの小さな機体には、驚くばかりの最新技術が搭載され、プログラミング教育の教材としても注目されています。
まずはこの機体の開発・販売元Ryze Tech社公式サイトのTello紹介動画をご覧頂きましょう。
動画リンク(Ryze Tech Tello Feel the fun)
やはり動画だとTelloで遊ぶ楽しさが直接伝わって来ますね。
この子はウチの2号機です(Tello eduです)
「DJI Tello」は、2018年1月に中国のRyze Tech社から発売された、バッテリーも含めてわずか80gという軽量で小型のトイドローンです。
この機体を開発するために、ドローン市場において世界シェアの1位を誇る「DJI」が技術協力し、オリンピックのドローンショーを行った「intel」も制作に関わっている、と聞いただけで既に「何だか凄い」という事を感じます。
世界でもトップクラスの技術が惜しみなく搭載されている「Tello」は、スマホに専用アプリをダウンロードするだけ、という初期設定の手軽さや、初心者でもすぐに操縦できるわかりやすい操作性を備えています。
更に機体の底面につけられた2つのセンサーによって、常に自分の位置を把握しているため、フライト時の機体のブレがほとんどありません。これらのセンサーが付いたことで、Telloのプログラミングによる操縦が可能になったのです。
カメラについては、写真で500万画素(2592×1936ピクセル)、動画は720pHO画像でEZショットを使えば、プロレベルのショート動画を簡単に撮影することが可能です。高品質映像プロセッサーの搭載により、ジンバルが無くてもブレの少ない写真が撮れます。
このバッテリーですが、公式の説明書にはフル充電で最大飛行時間13分と書いてあります。しかし実際に飛行させてみると、操縦可能な時間はせいぜい半分程度(5~6分)でした。
バッテリーの残量が少なくなってくると、Tello自身が「もう無理です」とばかりに勝手にこちらの指示をスルーし始めます。こういった所は、ある意味人間臭くもあるのですが、機械がプログラムの指示に従わないということは決してあってはならない事ですから、すぐに飛行を中止して着陸させ、バッテリーの交換を行わなければなりません。
充電済みの予備バッテリーが用意してあれば、すぐに飛行させることが出来ますが、予備バッテリーが無いと、また90分かけて充電しなければなりません。
これではあまりに時間がかかり過ぎるため、Telloユーザーは、充電用のハブと一緒に予備バッテリ―を最低3本は常備している方が多いようです。(参考)予備バッテリー(純正)標準価格 5,799円 Amazon | DJI Telloリモコンドローンのための3イン1チャージャ付きのアクセサリ | | ドローン・マルチコプター
こちらが一般的な「プロポ」になります。ラジコンの操縦機みたいです。
Telloの操作ではプロポを使いません。しかし目視内飛行もしなければなりません。 一般的なドローンは、通称プロポ(正式名称はプロポーショナルシステム)と呼ばれる送信機で機体の操作を行いますが、Telloには最初からそのプロポがついていません。スマホに専用アプリをダウンロードして操作する、といった仕様になっているので必要がないからです。 使い慣れたスマホでカンタンに操縦出来るので、その点では便利なことこの上ないのですが、実際に手元の画面を見ながらタップして操作していると、飛行中の機体を直接見る事ができません。 「目視内飛行が出来ない」ということは、ドローンの操縦において大変危険なことです。対応策として、スマホをセットするだけで簡単に使えるTello専用コントローラー(税込5,590円)が便利でした。(私も持っています)これなら飛行中の機体を目視しながら、手元を見なくてもゲーム感覚で細かい操作も行えます。 これがあると、格段に操作性がアップします。Telloの操作にプロポは必要?
Telloの初期設定を始めて一番最初に「え?」と呟きたくなるのがこの「プロポ代わりのスマホ」選びかもしれません。
Ryze Tech社の謳い文句としては「スマホに専用アプリをダウンロードして操作するとってもカンタンな仕様」なんですが、その専用アプリがダウンロード可能ですと明示されている端末というのが、殆どIPhoneなのです。
最初からiPhoneユーザーであれば特に問題はないのですが、困るのはアンドロイドユーザーです。下に対応機種の一覧を貼っておきましたが、iPhoneは問題なく対応しているのに、アンドロイド端末に関してはHuawei等の僅かな機種が該当するのみで、日本製のアンドロイドは軒並みTello専用アプリのサポート対象外なんです。
とはいえ、アプリがダウンロード出来ないと何も出来ませんので、国産アンドロイドユーザーの方は、中古でも良いのでiPhoneかiPadを入手しておいて下さい。
特にネット販売などで購入を考えている方は充分にご注意を。
Compatible with iPhone 5s, iPhone SE, iPhone 6, iPhone 6 Plus, iPhone 6s, iPhone 6s Plus, iPhone 7, iPhone 7 Plus, iPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone X, iPad mini 4 and iPad mini 4 Wi-Fi + Cellular.
Requires iOS 9.0 or later. Compatible with iPhone 5s, iPhone SE, iPhone 6, iPhone 6 Plus, iPhone 6s, iPhone 6s Plus, iPhone 7, iPhone 7 Plus, iPhone 8, iPhone 8 Plus, iPhone X, iPad mini 4 and iPad mini 4 Wi-Fi + Cellular.
Android version 4.4.0 or later.
Compatible with Samsung S7,Samsung S6 edge,Samsung S5,Samsung Galaxy note 4,Samsung Galaxy note 3,Huawei Honor 8,Huawei Honor 9,Huawei P8 Max,Huawei P10,Huawei Honor V8,Huawei P9,Huawei nova2,Xiaomi 6,Xiaomi Note3,Redmi 4A,OnePlus5,vivoX6,Google Pixel1 XL,Google Pixel2.
さて、そろそろアプリをダウンロードしてTelloのテストフライトの準備に入りたいところですが、その前に日本国内における「航空法」の規制についておさらいしておきましょう。
法律の知識無しで小型無人機を飛ばそうなんて、冗談でも考えてはいけません。
Telloは100g未満のトイドローンだから規制の対象外じゃないの?
と思っている方も多いと思いますが「規制の対象外だから何をしても良い」という訳ではないのです。ちゃんと適用される法律があるのです。
2022年6月20日の航空法改正により、日本国内におけるドローン(無人航空機)の定義がこれまでの200g以上から100g以上と変更になり、更に規制が厳しくなりました。
つまり100gを超えるドローンは全て規制の対象となるため、安易に飛ばすことができません。機体の登録や、その他さまざまな制約と規制が定められているからです。
しかしTelloやTello EDUは重さが80g程度なので、軽量のトイドローンに区別されています。そのため、今のところは航空法の対象外となっています。
しかし、空中を飛行する以上、どんなに小さなドローンでも「航空法第99条の2」の規制が適用されます。この条例に記載されている
「例え100g未満のトイドローンであっても、空港周辺で飛ばしてはいけない。また150m以上の高さを飛ばしてはならない」
というルールは必ず守らなければいけません。
トイドローンには「小型無人機等飛行禁止法」という法律も適用されます。
「国の重要な施設の周辺300m以内では、本体重量100g未満のトイドローンであっても許可が必要である」
というもので、この法律に違反すると1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
国の重要な施設の対象となるのは国会議事堂、内閣総理大臣官邸、最高裁判所、皇居、危機管理行政機関の庁舎、対象政党事務所、対象外国公館等、対象防衛関係施設、対象空港、対象原子力事業、大会会場などです。
この「小型無人機等飛行禁止法」以外に「自治体の条例」もしっかり把握しておく必要があります。例えば東京都の場合、都立公園でのすべてのドローンのフライトが禁止されています。
自分の居住している自治体にはどんな規制があるのかHPなどで事前に調べておいてください。また、公共の場所でドローンやトイドローンを飛ばす場合、その場所の管理者に事前確認する事を忘れないでください。
警察庁Webサイト (npa.go.jp)より引用
DJI Tello及びTello EDUは製作の段階から屋内飛行用に作られています。
ですから室内では安定して飛んでいても、風のある屋外では、まるで紙飛行機のように流されてしまう危険性があります。自分の意思とは無関係に飛ばされてロスト(見失って)してしまった、という声をよく耳にします。
Telloの飛行はなるべく室内で行ってください。ただ、自宅などの室内で飛ばす際にも、ちょっとしたドアの隙間でもすり抜けていきますし、観葉植物なども感知して衝突を避けようとするので、なるべく周囲にネットを張った会議室のようなところで飛ばすのが理想です。
そしてこれはTelloに限らず全てのドローンに言える事ですが、最も危険なのは人に接触させてしまうことです。プロペラが高速回転しているドローンは人に怪我をさせるだけの充分なパワーを持っています。突然機体が自分の方に飛んできても、慌てて手で叩き落すような事は危険ですので決してしないでください。とりあえず急いで機体から逃げるのが一番安全な方法です。
ちなみに私が通ったドローンスクールでは、常にドローン捕獲用の虫取り網が2~3本用意されていました。
製材所を営んでいる知人の作業場を借りた時の Tello edu 2号機。
フライトの前に、まず場所の状況を把握しておいて下さい。
屋内だとしたら、窓や扉は開いていないか、風は入って来ていないか、破損して困るものは出ていないか、自分以外に人がいる場合には、その人とも情報共有をしておきましょう。
この作業は屋外でも全く同じことをします。いわゆる「飛行前点検」であり、空撮等の現場では「ロケハン」と呼んだりもします。
次に、機体の電源を入れる前に、専用のアプリをスマホにダウンロードします。
DJIのドローンは基本的にDJI GOというアプリを使用するのですが、Telloには「TELLO」という専用のアプリがあるので、こちらを使います。
ダウンロードが終わったら、機体の電源を入れます。電源のスイッチは機体の側面下についている目立たないボタンです。これを長押しすると機体正面のカメラ脇にあるLEDランプが赤・青・黄色に点滅して機体準備中の状態となります。
ダウンロードが終了するとアイコンが現れます。Telloは黒ですが、EDUはオレンジ色です。
目立たないスイッチ LEDライトが光りはじめます
この状態になると、スマホ側のWi-Fi接続設定画面に「TELLO-△△△△△△」と表示されます。これで機体とスマホの同期が完了です。
このまま先ほどダウンロードした専用アプリを立ち上げると、ライブビューの画面が現れます。画面左上の離陸ボタンをタップすると、離陸しますか?と聞いてきますので、スワイプして離陸させてください。
離陸の指示とともにプロペラが回り始めますが、同時にそのコンパクトな機体には不釣り合いなほどの大きな音がしますので驚かないでくださいね。
Telloの語源は「オスの蜂」のことですので、大きな蜂が飛んでいる音をイメージしてみてください。一緒にかなりの風も起きます。
機体が離陸を始めると、1m50cmほどの高さで上昇を止め、ホバリング状態を維持し始めます。この状態になればコントローラーからの操作が可能になります。
ドローンの操作が初めてという方が最初に「難しい」と感じるポイントがこのあたりです。おそらく「全然自分の思っている方向に飛んでくれない」と混乱するかもしれません。
ドローン操作の基本中の基本は「常に自分の正面と機体の正面を合わせること」です。つまり常に機体とにらめっこの状態を保っていないと、全ての操作が自分の思い描いている動きと逆になってしまうのです。
そんな時はまず落ち着いて、正面がこちらを向くまで高度を保ったまま旋回させてください。これはTelloに限った事ではなく、全てのドローン操作に共通していることなので、しっかり覚えておいてください。
だんだん慣れてきたら上下、左右、前後など自由に飛行させることが出来るようになります。
一通りの飛行を終えたら今度は着陸です。アプリの画面左上のボタンがいつの間にか、離陸から着陸に変化しています。ここで「タップして着陸」と「手のひら着陸」のどちらかが選択できます。「タップして着陸」を選ぶとその位置から真下に向かってゆっくりと下降します。
このアプリを使ったTelloの初期設定についての一連の流れは、DJI社の公式HP上にあるユーザーマニュアルに詳細が載っていますので、何度も読み込んでしっかり覚えて下さいね。
通常、ドローンは機体が重くなるほど安定性が高くなります。
ところが、Telloは軽量でありながら、DJI社の高度な機体制御テクノロジーのおかげで安定した飛行ができます。
難易度の高いホバリングはもちろん、離着陸に至っては機体の底面に装備された赤外線やビジョンポジショニングシステムというセンサーによってドローンが自力でやってのけます。更にTelloには「障害物探知システム」も搭載されているので、そのセンサーが障害物を検知し、衝突する恐れがある場合は自動的に飛行を中止します。
機体とスマホのwi-fi接続が途切れてしまった場合なども、フェールセーフ保護機能が働いてTelloが自動で着陸してくれます。
これだけの飛行をセンサー無しのトイドローンと通常のプロポで行うには、かなり長時間の飛行訓練が必要です。
それがスマホの画面をタップするだけで操作できるというのですから、ドローンに触れたのも初めて、といった初心者の方にとっては「ドローンが自分の意思で飛んでいるような新鮮な感動」を覚えると思います。
9 ドローンとプログラミングについて
Telloをご紹介する上で、忘れてはならないのがプログラミングとの関係性です。
Telloに継いでTello EDUが開発されたきっかけも、プログラミングに対応した教育用トイドローンの開発と、プログラミング教育の機会を増やすことでした。EDUとはそのまま(education/教育)という意味です。
Tello EDUには、対応可能なプログラミング言語がさらに追加され、Scratch、Swift、Pythonでのプログラミングが可能になりました。
小・中学生や子供向けのバーチャルミッションに挑戦出来る専用のアプリもあり、AppleのSwift Playgroundsアプリには「Tello Space Travel」アドベンチャーも用意されています。
偶然なのかどうかは定かではありませんが、Tello及びTello EDUが相次いで発売されたのが2018年、日本の文科省により学習指導要領が改訂されたのが2020年という絶妙なタイミングに、何やら運命のようなものを感じます。
初心者向けのScratchは、世界最大の子ども向けコーディングコミュニティーで、デジタルな物語、ゲーム、アニメーションを作るために使われているシンプルなビジュアルインターフェースを持ったコーディング言語です。
MIT(マサチューセッツ工科大学)で開発された初心者や子供向けのプログラミング言語ではあるものの、プログラミングの本筋をきちんと押さえたものになっています。
命令が書いてあるブロックを組み合わせるだけで簡単にプログラムを設計することができます。
その基礎を応用したドローンプログラミングにおいても、ブロックによるイメージから直観的に操縦プログラムを作れるため、子供の教育にも最適なツールとなっており、TelloとTello EDUどちらも対応しています。
上級者向けのPythonは、1991年に開発されたプログラミング言語で、データ解析や人工知能などに用いられています。
もちろんドローンプログラミングにも最適ですし、Tello EDUなどの教育用ドローン上でも動作し、簡単なコードを書くだけで自在にドローンを操縦することができます。
Pythonはデータ解析や人工知能Pepper(ペッパー)などにも用いられています。
顔認識や追尾機能も行えるPythonは、ドローンプログラミングにおいて教育用に特化したTello EDUのみが対応可能機種となっています。(通常版のTelloは非対応です)
2020年に学習指導要領が改訂され、小学校での「プログラミング教育」が必修科目となったことは既にご存知の方も多いと思います。
誤解のないように申し上げておきますが、これは難解な言語を用いて専門的なプログラムを学ぶという意味ではなく、あくまでプログラミング的思考を養うための教育だということです。
文科省が示している「プログラミング的思考」の定義は
『自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、というようなことを論理的に考えていく力』
と示されています。
この定義をドローンのプログラミングに当てはめてみると「ドローンを飛行させる」という最終目的に沿って「どんなプログラムを使って」「どんな指令を出せば」「トラブルを改善して」「飛行してくれるのか」といった内容をプログラミング思考で行うことができ、最終的に「ドローンが実際に空を飛ぶ」事を実行できるというわけです。
文部科学省のプログラミング教育について、詳細はこちらをご覧ください。
制作段階からプログラミングに特化され、Scratchの他にPython等の言語にも対応可能となったTello EDUには「ミッションパッド」というプログラミング精度の向上とトリガー機構として利用できるアイテムが4枚付属されています。
そのミッションパッドを使うと、複数台のTello EDUを連動させることが可能となり「編隊飛行」が行なえるようになります。
実のところ、ScratchやPythonなど、使用する言語は異なっていても基本的なプログラミング機能に大きな違いはありません。Tello EDUの複数機を同時に飛行させるといった事もプログラミングの持つ可能性のほんの一部に過ぎないのです。
これがミッションパッドです。厚紙にこの絵柄が施されたものが4枚セットになっています。
さて、それではここでもう一度、東京オリンピックのドローンショーに戻りましょう。
あの見事なショーも、要は機体の数が2機か4機かそれとも1824機か、といった違いだけで、プログラミングの基本はその規模にかかわらずどれも一緒なんだとお判りになったと思います。
ドローンショーは宣伝効果としても抜群でしたから、オリンピック以降、教育機関でのプログラミング教育の教材にドローンを使用するという場面も増えてきました。
海外では既に輸送や多方面での実用化が始まっています。しかし日本でのドローンやプログラミングの位置づけはまだ「教育」の段階であり、今後仕事としてドローンを扱う人材の育成も視野に入れておかなければなりません。
また2015年にドローンの規制に関する法律が施行されて以来、法規制は厳しくなるばかりです。前述のとおり、2022年には再び航空法の改正が行われ、規制対象のドローンが200g未満から100g以上とさらに締め付けが厳しくなりました。
玩具と見なされている小さなトイドローンだけが、極力リスクの小さい屋内の定められた場所や、許可を受けた場所に限って飛行が許されているのが実情です。
それでもドローンに関する正しい知識を持っていないがために、知らないうちに法律に抵触していたという事も実際に起きています。
ですから、ドローンを撮影や点検などの場面で商用に利用する際においては、例えば建設現場で働く人達のように、その現場でプロジェクトに関わる全ての人が、ドローンについての知識に精通していなければなりません。
予測出来ない事故が起きても、誰一人対応が出来なかったといった事態を招いてはならないからです。
そのためにも、ドローンのスペシャリストの人材育成が必須となって来ます。
ドローンという名前だけは認知度が飛躍的に上がりましたし、学校のプログラミング教育の現場でも、教材として取り入れるところが出てきましたが、やはり実際に見たり触ったりする機会はまだまだ少ないと感じます。
今後、手軽に遊べて価格も手頃で航空法の厳しい規制からもある程度除外されているトイドローンTelloシリーズと触れ合う機会がもっと増えれば、遊びを通してこれからの時代を担う子供たちの夢を育み、未来への無限の可能性を秘めた扉を開けるきっかけになってくれるかも知れません。
案外、東京オリンピックのドローンショーを「あの頃はあれで精一杯だったんだよね」と懐かしむ次の時代がもうすぐそこに来ているのかもしれません。