中国の深センに本社を置くドローンの大手メーカー「DJI」社。
DJI社からは一般用からプロ用までさまざまな種類のドローンが販売されています。
そんなDJI社製ドローンの中でも、プロ用のハイクォリティなシリーズ「Inspire」シリーズについて解説します。
出典:(C) DJI
DJI社の「Inspire」シリーズは、DJI社が製造・販売するドローンの中でも「プロ用」として謳われる製品です。
Mavicなどの一般用の機体よりも、カメラの画素数をはじめとした性能が高く、高画質な撮影や安定した長時間飛行などを可能としているのが特徴。
DJI社は業界シェア70%以上の業界最大手企業なので、DJI社が提供するプロ向け機体であるInspireシリーズは、世界トップクラスの性能を誇るドローンとなっています。
空撮をはじめとする、業務用として使用するのに向いているため、仕事で使うドローンを探しているという方は、ぜひDJI社のInspireシリーズを検討してみてください。
なお、もう少し価格を抑えた一般向けのドローンを探しているという方は、まずはMavicシリーズなどを検討すると良いでしょう。
出典:(C) DJI社
「DJI Inspire 3」は現行最新モデルで、Inspire2から6年半の月日を空けて発売された最新鋭のカメラドローンです。
8Kカメラ搭載で、28分間の連続飛行が可能になり、標準プロペラ搭載時でも最大3,800mの高度まで上昇が可能。Inspire2と比べると1km以上も上昇可能高度がアップしているので、より広範囲な空撮ができるようになりました。
また、デュアルアンテナ搭載することにより、磁気干渉に対しこれまで以上の耐干渉性能を獲得しています。9個のセンサーを使っているので、強力な全方向障害物検知を可能とし、より安全な飛行を可能としています。
さらに、1/1.8インチ ナイトビジョンFPVカメラが搭載されているため、夜間の撮影にも対応。
高精細な映像を安定した飛行性能で撮影できるようになり、映像制作の現場での活躍できる仕様となりました。
加えてO3 Pro 映像伝送を採用しているので、ライブ映像を低遅延で伝送可能。
Inspire2の時から比べても、大幅に飛行性能やカメラ性能が上昇しており、さまざまな状況下で美麗な映像を安定して撮影できるハイエンドモデルとなっています。
出典:(C) DJI社
Inspire 2は2016年頃に発売されたDJI社のドローンです。カメラやレンズが別売りなので、撮影で使用するには別途購入する必要があります。
最大飛行時間27時間、6Kでの動画撮影にも対応した、当時としては最高峰のプロ向け機種でした。現在はInspire3の登場によりスペック面では劣りますが、それでも十分な飛行性能を誇っています。
機体前方のビジョンセンサーにより、最大30m先までの障害物を検知する、衝突回避性能にも優れた製品。
また、飛行中にInspire 2がどの方向を向いて飛行していても、カメラが被写体を捉え続ける「スポットライトプロ」機能を搭載しているので、撮影者一人でも複雑なカメラワークを可能としています。
さらに最大時速94km/hと、最新機種のInspire3と変わらない最高速度が出せるので、ダイナミックな撮影を行いたい方にもおすすめです。
全体的に、飛行性能の安定性ではInspire3には劣るものの、予算面では安く済むので、比較的購入しやすい価格のプロ向け製品を求めている方に向いたドローンとなっています。
出典:(C) DJI社
DJI社からはかつて「Inspire 1」や「Inspire 1 Pro/Raw」といったInspireシリーズの旧型製品も発売されていました。
参考価格は39万6千円ほどのプロ仕様の製品です。残念ながら現在は生産が終了しており、公式サイトからは入手できません。
ただし、公式サイト以外の販売サイトでは在庫が残っているショップもあるかもしれないので、探している方はチェックしてみましょう。
性能面ではInspire2やInspire3の方が優れているので、今から購入するという方は、これらのシリーズの購入を検討するのがおすすめです。
出典:(C) DJI社
Inspireシリーズの料金を比較します。
Inspire 3 | Inspire 2 | |
料金(税込) | 1,769,900円 | 396,110円 |
Inspire3はカメラが搭載されており、その分料金も大幅に高くなっています。
Inspire2はカメラを別売りで購入する必要がありますが、カメラを合わせても数十万円の価格差があるので、予算に合わせて選ぶと良いでしょう。
なお、Inspire2に搭載できるカメラのうち、DJIの公式ホームページで購入できる2種類の参考価格は以下の通りです。
Zenmuse X7 (レンズを含まず) | Zenmuse X5S | |
料金(税込) | 220,000円 | 154,000円 |
Zenmuse X7はレンズを別途購入する必要があるので注意してください。
Zenmuse X5Sはレンズが一体型となっています。
出典:(C) DJI社
Inspire 3とInspire 2のスペックを比較すると、以下の表のようになります。
Inspire 3 | Inspire 2 | |
発売日 | 2023年5月 | 2016年12月 |
機体重量 | 約3,995g(ジンバルカメラ、バッテリー×2、レンズ、PROSSD、プロペラを含む) | 3,440g (2個のバッテリーを含む、ジンバルとカメラは含まず) |
最大離陸重量 | 約4310 g | 4,250 g |
対角寸法 | ランディングギアが上がった状態:695 mmランディングギアが下がった状態:685 mm | ランディングモードの状態:605mm |
最大上昇速度 | 8m/s | Pモード/Aモード:5m/sSモード:6m/s |
最大下降速度 | 垂直:8m/s チルト:10m/s | 垂直:4m/s、チルト:4~9m/s |
最大水平速度 | 94km/h | 94km/h |
最大傾斜角度 | Nモード:35°Sモード:40°Aモード:35°Tモード:20°緊急ブレーキ:55° | Pモード:35°(前方ビジョンシステム有効時:25°)Aモード:35°Sモード:40° |
運用限界高度(海抜) | 標準プロペラ:3,800m高地用プロペラ:7,000m | 標準プロペラ:2,500m高地用プロペラ:5,000m |
最大風圧抵抗 | 離着陸:12m/s飛行中:14m/s | 10m/s |
最大ホバリング時間 | 約25分 | − |
最大飛行時間 | 約28分(ランディングギアが下がった状態)約26分(ランディングギアが上がった状態) | 約27分(Zenmuse X4Sを取り付けているとき)約23分(Zenmuse X7を取り付けているとき) |
センサー | 35mm フルサイズCMOS | 取付カメラによる |
最大解像度 | 写真:8192×5456動画:8192×4320 | 取付カメラによる |
対応レンズ・カメラ | DL 18mm F2.8 ASPHレンズDL 24mm F2.8 LS ASPHレンズDL 35mm F2.8 LS ASPHレンズDL 50mm F2.8 LS ASPHレンズ | ZENMUSE X7(別売品)ZENMUSE X5S(別売品)ZENMUSE X4S(別売品) |
映像伝送システム | O3 Pro | − |
最大伝送距離 | シングル制御:7kmデュアル制御:5.6km | 4km |
バッテリー動作環境温度 | -20℃~40℃ | -20℃~40℃ |
全体的に性能が上がっているのが見て取れるのではないでしょうか。
また、Inspire2は別売りのカメラの装着が必要ですが、Inspire3の場合ははじめからカメラが搭載されています。
出典:(C) DJI社
この記事では、ドローンの大手メーカーDJI社製のInspire2とInspire3について解説しました。どちらもDJI社製のドローンの中では、プロ用としてラインナップされているシリーズです。
中でもInspire3は、現行のDJI社製ドローンの中では最も高い性能を誇るハイエンドモデルとなっており、映像制作の現場などでも十分に活躍できる機体性能が特徴。
高精細な映像が撮影できるだけでなく、Inspire2からさらに進化して安定飛行が可能となっています。高いクォリティでの空撮を可能とするモデルので、業務用やプロの撮影用としてドローンの購入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
また、予算が合わないという方でも、Inspire2は比較的リーズナブルな価格で購入できるプロ仕様の機体です。
用途や予算、好みに応じて自身に合ったドローンを選択しましょう。