フランスに本社を置くドローンメーカーの「Parrot(パロット)」。
ドローンのメーカーとしては老舗かつ大手で、現在は産業用ドローン「ANAFI」シリーズを主要製品として展開しています。
本記事では、ドローンメーカー「Parrot(パロット)」の基本情報と、主要なドローンについて解説します。Parrot社のドローンが気になっている方はぜひチェックしてみてください。
企業名 | Parrot |
本社所在地 | 174 quai de JemmapesParis、Ile-de-France、75010、(フランス) |
設立 | 1994年 |
Parrot社はフランスにある産業用ドローンの販売などを行う企業です。
元々はワイヤレスの音響機器などを開発・販売しており、ドローンの販売で一躍有名になりました。
現在も大手メーカーのひとつなので、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
Parrot社は1994年に設立された企業で、携帯電話などのハンズフリー製品やワイヤレス音響機器の開発・販売事業を展開していました。
その後、2010年に世界初のホビードローン「AR.Drone」を発売し、世界的に有名になりました。
その後もAR.Droneは以下のような商品展開を続けていき、Parrot社は老舗のドローンメーカーとして成長していきます。
現在は「Bebop」シリーズがAR.Droneの流れを組む製品として入手可能です。
ただし、後述しますが2019年にミニドローン事業から撤退しており、現在購入できても在庫が無くなれば入手できなくなります。
Parrot社は一時期では中国のドローンメーカーDJI社に続く、業界シェア2位の大手メーカーにまで成長しました。
2021年から業界シェアは4位となっています。ただし、業界シェアについては7割以上をDJI社が占めており、Parrot社の業界シェアは2.5%程度です。
しかし、Parrotはスタイリッシュでユニークな形状のドローンを発売しており、現在も根強い人気を持つ老舗メーカーとなっています。
Parrot社は、ドローンに関連するさまざまな事業を展開しています。
例えば、以下のような内容です。
ドローン「ANAFI Ai」「ANAFI USA」の製造・販売
ドローン用の開発ソフトウェア「Air SDK」の提供
基本的にはドローン本体やそれに関連するシステムの提供などを行っています。
ドローンのサイバーセキュリティ対策なども行っており、ドローンに関連する事業を主に展開しているのが特徴です。
他にもオーディオ関連製品の販売も行っており、ワイヤレスヘッドホンの「ParrotZik」などが有名。。Amazonをはじめ各種通販サイトなどで購入できます。
世界初のホビードローンである「AR Drone」を開発したParrot社ですが、2019年にミニドローンの事業からは撤退しています。
DJI社が圧倒的なシェアを占める業界なので、現在Parrot社は産業用ドローン「ANAFI」シリーズの開発・販売に注力しています。
以下のようなParrotのドローンは、各種販売店などで現在も入手可能ですが、事業撤退と共に新規開発は行われていません。
上記のドローンも在庫が無くなれば入手できなくなっていくと考えられるので、購入を検討している方は早めに購入しておきましょう。
一方で、Parrot社は米軍へのドローンの開発・提供を行ったこともある高い技術が強みです。
そのため、Parrot社のドローンのハイエンドモデルは、繊細な操作と高い性能が利点となっています。
現在購入できるParrotのドローンは、主に以下の5種類です。
ただし、公式ホームページなどで展開されているのは現在「ANAFI」シリーズのみです。
その他商品は現在購入自体は可能ですが、既に事業から撤退していることもあり、在庫が無くなれば購入できない可能性が高いため注意しましょう。各商品の基本スペックや特徴について解説していきます。
製品名 | ANAFI USA |
参考価格 | 1,160,500円 |
サイズ/重量 | 282x373x84mm/500g ※展開時のサイズ |
最大飛行時間 | 32分 |
最大伝送距離 | 4km |
写真解像度 | ・ワイド:21MP(84°FOV)・ 直線:最大16MP(最大75.5°FOV) |
ビデオ解像度 | 4K 、フルHD、 HD |
写真/ビデオフォーマット | PEG、DNG/MP4 |
最高水平速度 | 14.7m / s |
最高垂直速度 | 14.7m |
耐水性 | IP53 |
「ANAFI USA」は、米軍向けにParrotが開発したモデルと、安全性・耐久性・画像品質が同様のハイエンドモデルとなっています。
データ暗号化技術を搭載し、最高クラスのプライバシー・機密性が保たれた業務用としておすすめの製品です。サーマルカメラも搭載しているので温度が変化している箇所を可視化でき、最大32倍ズームで危険な場所でも精細な画像を確認できるのが利点。
耐水性にも優れており、IP53の防水性能なので雨天での飛行にも適しています。
編集可能な「ホームに戻る」機能など、自律飛行機能も備えたハイクォリティなドローンです。
製品名 | ANAFI Ai |
参考価格 | 599,500円 |
サイズ/重量 | 320×44 x118mm/898g ※展開時のサイズ |
最大飛行時間 | 32分 |
写真解像度 | ・ワイド:21MP(84°FOV)・ 直線:最大16MP(最大75.5°FOV) |
ビデオ解像度 | 4K 、フルHD、 HD |
写真/ビデオフォーマット | PEG、DNG/MP4 |
最高水平速度 | 17m / s |
最高垂直速度 | 4m |
耐水性 | IP53 |
上空LTE回線を利用した4G回線での通信を可能としており、さまざまな場所で範囲制限なしに、最大4K画質の映像を低い遅延率で送信できるのが利点のモデル。安定したWi-Fi環境の中では、データ消費を抑えるために自動でWi-Fiに切り替わるため、安定飛行とデータ量を抑える両軸のメリットがあります。
またIP53の高い防水性能で雨天での飛行にも適しており、デジタル6倍ズームで上空からでも詳細な映像を確認を可能としています。業務用ドローンとして十分な性能なので、観測・測量や設備点検などで活用したい方におすすめです。
製品名 | Bebop 2 Power |
参考価格 | 82,280円 |
サイズ/重量 | 382x382x89mm/525g |
最大飛行時間 | 30分 |
写真解像度 | 1400万画素 |
ビデオ解像度 | フルHD |
写真/ビデオフォーマット | JPEG, Adobe DNG/RAW |
30分の長時間飛行とフルHDの高画質での撮影が魅力のドローンです。
FPV(VR)での飛行にも対応しており、ゴーグルが付属しているため没入感のある映像が楽しめます。
リターンホーム機能を搭載しており、接続が途絶えた場合でもドローンが自動的に離陸地点に戻るので安心です。
機体の位置を確認できる機能や、「ジオバリア」機能で設定した境界内での飛行ができるなど、趣味として楽しむのにも便利な機能が多数搭載されています。
製品名 | Rolling Spider |
参考価格 | 9,878円 |
長さ/重量 | 140mm/55g |
最大飛行時間 | 8分 |
カメラ | VGAカメラ(60fps) |
手のひらサイズのミニドローンで、スマホで簡単操作ができる製品です。ホイールのような形状のプロペラガードが付属しており、屋外で飛ばす場合にも破損を予防する効果があります。
価格が1万円前後とリーズナブルながら、3軸のジャイロスコープや加速度計が搭載されており、高いホバリング性能が強みです。初心者の方でも買ってすぐにアクロバティックな操作ができるホビードローンとなっています。
製品名 | MAMBO FLY |
参考価格 | 15,180円 |
サイズ/重量 | 180×180mm/63g |
最大飛行時間 | 9分 |
カメラ | 60 FPS 垂直カメラ |
スマートフォンでの操作が可能なドローンで、専用のゴーグルを使えばVRでの操作も手軽に楽しめる製品です。
3軸の加速度計と同じく3軸ジャイロスコープによって高いホバリング性能を誇り、初心者でも手軽にドローンを操作できるのが魅力。アタッチメントの「グラバー」装着すると軽い物を運んで移動させることもできるなど、遊び心が豊富なモデルとなっています。
Parrot社のドローンは以下のようなショップで購入可能です。
大手家電量販店か、Parrotの国内正規販売店で販売されています。しかし、現在はAmazonや楽天などの大手ECモールではほとんど取り扱いが無いようです。
ビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店であれば、店頭で実機を見られる場合もあるので気になる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
出典:(C)Parrot
本記事ではフランスの大手ドローンメーカー「Parrot(パロット)」について解説しました。Parrot社は、現在産業用ドローンの「ANAFI Ai」または「ANAFI USA」を製造・販売しています。
民間用のミニドローンなどは既に生産を終了していますが、在庫があるショップではまだ購入可能です。ANAFIシリーズは高性能のカメラと精緻な操作を可能とするハイエンドなモデルなので、業務用やプロ用としておすすめの製品となっています。
設備点検や観測用のドローンを探している方は、Parrotの「ANAFI」シリーズも検討してみてはいかがでしょうか。