ドローンの操作ミスは防げる!未然に防ぐ方法や事故後の対処方法を解説

人に怪我をさせたり、物件に損害を与えてしまったり、大事故に繋がりかねないドローン飛行。実はそのほとんどは操作ミスが原因です。

離陸から着陸まで無事故で飛行を終えるには、普段の操作トレーニングや現場での臨機応変な判断、法律の遵守が重要になってきます。

本記事では、操作ミスによる墜落事例や未然に防ぐ方法、万が一事故を起こしてしまった際の対処方法を解説。これからドローンを飛ばす初心者は最後まで要チェックです。

操作ミスで起きる事故

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ドローンの事故のほとんどは操作ミスや判断ミスなど人的なものです。

事故事例の多くは下記が原因になっています。

  • GPSの電波がない場所での操作ミス
  • 障害物の確認不足
  • 風の判断を誤る
  • バッテリー残量の確認を怠る

過去数年間にわたりさまざまなシチュエーションで飛ばしてきた経験から、具体例を交えながら、事故の原因を解説していきます。

GPSの電波がない場所での操作ミス

GPSの電波が届かない谷や渓谷、滝壺などでは、操作ミスの可能性が極めて高くなります。

通常、ドローンはGPSや姿勢制御システムのおかげで、なにも操作していなくてもホバリング(その場にとどまる)してくれるため安全です。

しかしGPSの電波が届かないと「ATTIモード」に自動的に切り替わり、ドローンはホバリングせず、常にスティックを操作しないと風などの影響で流されてしまうのです。

ATTIモードでの操作に慣れていない人が、もし突然ATTIモードになってしまったら、操作ミスで周囲の障害物に衝突して墜落させてしまいます。

実際に滝壺で飛行させているときに、突然ATTIモードに切り替わり、滝が作り出す風によってドローンが流され、木に衝突した事例も多々あります。

障害物の確認不足

ドローンの事故でもっとも多いのが、操作ミスで障害物に衝突し墜落させてしまうケースです。

高性能なドローンには障害物センサーが搭載されており、障害物を検知して回避してくれる機能があります。しかし、小さな枝や電線などはセンサーが検知できませんし、そもそもセンサーが搭載されていないドローンも多いです。

障害物への衝突は「目視外飛行」をしているときに多く、手元の画面に夢中になり、周囲の状況が見えていないときに起きます。

国土交通省へ申請する際に用いる「飛行マニュアル」において、目視外飛行をする際には適切な人数の補助者を配置することが決められています。しかしこれを守らず補助者がいないまま飛行させることで、操作ミスして周囲の障害物に突っ込んでしまうのです。

風の判断を誤る

ドローンを強風時に飛行させると未帰還になることがあります。

地上と上空ではそもそも風の強さが異なります。地上でほとんど吹いていなくても、上空では強風なこともありますし、突風が吹く可能性だってあります。

飛行に気をつけなければならないのが山頂などです。標高の高い場所は天候も変わりやすく、気流もわかりません。突風が吹く恐れもありますし、時間の経過で微風から強風に変わることもよくあります。

実際に山頂で飛行させていて、ドローンが未帰還になるケースはよくあります。とくに機体の重量が軽くパワーのないドローンは風にとても弱いです。

バッテリー残量の確認を怠る

バッテリー切れによる機体の未帰還も多いです。

とくに海上で長距離飛行させるときで、海上は不時着させられる場所がないため、バッテリーがなくなったら自動的に海上に自動着陸してしまいます。

これがもし陸地であれば、その辺に不時着させることもできますが、海上ですとなす術がありません。

帰還時は向かい風のことを考慮しないと、未帰還になる確率があがります。

操作ミスによる事故を防ぐ方法

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操作ミスによる事故は未然に防げます。

適切な操作方法を習得して、あらかじめ事故になるリスクを排除し、法律を遵守して飛行させることで、操作ミスの確率を大きく下げることが可能です。

以下が具体的な事故を防ぐ方法になります。

  • ・ATTIモードで操作できるようにする
  • ・入念なロケハンを行う
  • ・補助者を配置して飛行させる
  • ・強風時は飛行させない、風向きをよむ
  • ・バッテリーに余裕を持って帰還させる

ATTIモードで操作できるようにする

ATTIモードで操作ミスしないよう、普段から練習しておきましょう。

飛行中はいつATTIモードに切り替わるかわかりませんし、滝や谷、渓谷などのGPSが届きにくい場所でも安全に操作できるよう練習しておくことが大事です。

現在販売されている多くのドローンでは、ATTIモードへの切り替えができないため、練習するならPhantomシリーズで練習できるスクールなどへ行くのもひとつの手です。

入念なロケハンを行う

ドローンを飛ばす前には、周辺の地形や障害物を入念に確認しましょう。

事故になる要素を事前に把握することで、操作ミスを大幅に減らせます。

ロケハンは飛行経路にある障害物、とくに目視できないような枝や電線などがないかよく確認します。ロケハンでは実際に本番で飛ばす飛行経路を飛ばし、問題ないか確認しておくと安心です。

補助者を配置して飛行させる

必要な人数の補助者を配置し、常に無線等で連絡が取れる状態にしておきましょう。

補助者は実際にドローンの飛行経験があるほうが望ましいです。経験がないと安全か危険かの判断がつきにくく、操作ミスにつながることもあります。

障害物の多い場所では補助者はもちろんのこと、可能な限り目視で飛行することをおすすめします。自分の目で機体を見て操作することで、操作ミスする確率を減らせます。

強風時は飛行させない、風向きをよむ

航空法を遵守し、風速5m/s以上では飛行させないようにしましょう。

独自マニュアルで申請すれば機体の耐風性能の風速まで飛ばすことは可能ですが、風速10m/sを超えるような環境では、飛行を自粛したほうが賢明です。

風が吹いている日は、重量が重くパワーのあるドローンを飛ばすように。重量250g以下の軽い機体では絶対に飛行させてはいけません。

万が一、風が吹いているなかを飛行させる際には風向きを把握することも重要です。

どちらが風上か風下かを判断し、ドローンを風上から風下へ飛ばします。そうすることで帰還時は追い風となるため、バッテリー切れの心配がありません。

バッテリーに余裕を持って帰還させる

飛行中はバッテリーの残量を常に確認し、余裕をもって帰還させましょう。

多くのドローンでは設定した残量を下回ると警告音を鳴らせます。状況にもよりますが、余裕を持って半分の50%を下回ったら帰還することを考えると安心です。最低でも30%を下回ったら帰還行動を取りましょう。

バッテリーの残量ギリギリまで粘ってしまうと未帰還になるリスクが増すため、ここで判断ミスをしないようにしましょう。

事故したときの対処

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ドローン飛行中に事故を起こしてしまった場合、法律でやるべきことが決まっています。

事故を起こした際には報告が義務化されており、違反すると30万円の罰金が科されることもあるため、以下の対処方法をしっかり頭に入れておきましょう。

負傷者の救護&安全確保

操作ミスをして事故を起こしてしまった場合、すぐに飛行を中止します。

周囲の安全を確保しつつ、まずは救護を必要としている人がいないか確認。怪我の状況に応じて必要な手当をし、必要があれば救急車や警察を呼びます。

負傷者の救護を怠ると、2年以下の懲役や100万円以下の罰金に処されることがあるので、事故後は負傷者第一で救護しましょう。

機体の回収&関係各所へ連絡

事故を起こしたら二次被害を避けるべく、まずはドローンを回収します。

ドローンが墜落すると、最悪な場合、バッテリーが発火するおそれがあります。場所によっては火事に発展することもあるため、必ず回収してバッテリーを外しておきましょう。

関係各所への連絡も大事で、警察や消防、保険会社、敷地の管理者など、事故した旨を報告し、指示があれば従います。

関係機関へ報告

事故を起こした際には報告が義務化されています。

具体的には以下のような事例の際に報告が必要です。

  • 無人航空機による人の負傷・死傷
  • 第三者が所有する物件の損壊
  • 航空機との衝突や接触のおそれがあったとき
  • 無人航空機が制御不能になったとき
  • 無人航空機が飛行中に発火した事態

事故報告はDIPS(ドローン情報基盤システム2.0)を通して国土交通省へ行います。

まとめ

ドローンによる事故のほとんどは操作ミスや判断ミスによるものです。

操作技術を高めて、あらかじめ飛行範囲の危険箇所を把握し、法律を遵守して飛行させることで事故は減らせます。

ドローンは大事故に繋がることもあるため、操作ミスによる事故を起こさないよう安全飛行を第一とし、仮に事故を起こした際には、負傷者の救護や国土交通省への報告義務を怠らないようにしましょう。

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この記事を書いた人
ドローン操縦歴9年。航空法が改正される以前からドローン空撮をしており、現在も業務・趣味問わず毎週のように撮影しております。