ドコモが提供している、上空のモバイルネットワーク回線が使える「LTE上空プラン」を解説します。
主にドローン用の料金プランで、1機体1SIMで契約し、上空のLTE回線を活用することでリアルタイムなデータ転送を可能とします。
長距離の物流や災害救助の現場など、産業用として目視外飛行を行う方はぜひチェックしてみてください。
出典:(C)DOCOMO
ドコモが提供する「LTE上空プラン」について、料金が基本概要を解説します。
内容は以下の5点です。
主に業務用としてドローンを活用している方に向いたプランですが、目視外での長距離飛行や高高度からの撮影などをよく行う方にもおすすめです。
なお、3大キャリアでLTEを活用したドローン向けのプランは、ドコモ以外ではKDDI(au)でも提供されており、ソフトバンクでは2023年12月現在提供されていません。
ドコモの「LTE上空プラン」はドローン向けに提供される、上空のLTE通信を月間データ容量120GBまで使用できる料金プランです。全国のLTE対応エリア(3G,5G除く)にて利用可能です。
ドローン規制の緩和に伴い、「レベル4(有人地帯における補助者なしでの目視外飛行)」が解禁されることを見据えた新たな料金プランとなっています。
また、ドコモの予約サイトからは以下のような項目を入力して飛行予約ができます。
この予約システムが使える点は大きなメリットで、従来であれば総務省に電波利用申請を行い承認されるまでに2ヶ月程度の期間が必要でした。しかし、通信業者であるドコモを通して予約することにより、最短で翌日からドローンを飛行できるようになります。
あくまで電波利用の予約なので、飛行許可はこれまで通り国土交通省への申請は必要ですが、申請から飛行可能になるまでの期間が大幅に短縮されるのが利点となっています。
「LTE上空利用プラン」の月額利用料は49,800円(税込)で、月に120GBまでの通信が可能です。利用可能データ量を超過すると、スマホ同様に通信速度が送受信最大1Mbpsまで低下し大幅に速度が低下します。
しかし、事前に通信量の追加設定が可能で、1GBあたり1,100円(税込)で追加できます。ドローンはバッテリー容量から考えると、1回あたりのフライトは長くても20~30分です。
また、機種1台に対してSIM一つの契約となります。そのため、120GBあればドローン1台ならかなりの回数のフライトができるはずなので、容量に関してはさほど心配はいらないでしょう。
月額料金はスマホの回線などに比べると個人で使うには高めなので、業務用としてドローンを活用する方に向いています。
「LTE上空利用プラン」を利用する手順は以下の通りです。
以上で完了です。スマホのSIMのようにオンラインショップでの注文はできず、必ずドコモショップ店頭か法人営業担当者を通しての契約が必要です。
その際、以下のSIMのいずれかを選べます。
さらにdアカウントまたはビジネスdアカウントも発行してもらえます。既にdアカウントまたはビジネスdアカウントを持っている方はそのまま利用可能です。
「LTE上空利用プラン」は一つのドローンに対して一つのSIM契約が必要です。複数の機体を同時に運用したい場合は、機体の数だけ契約を行う必要があります。
ただし契約時に機体自体を登録するわけではないので、「ドローンを複数台所持しているが、1度に飛ばすのは1台」という場合は契約が1つでも問題ありません。あくまで契約時にもらえるSIMカードが1つだけということです。
一般的なドローン飛行時の注意点や禁止事項以外の、ドコモ「LTE上空プラン」における主な禁止事項と注意点は以下の通りです
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規約は各種法整備などによって変わることもあるので、最新情報は公式ホームページで必ず確認しておきましょう。また、飛行禁止区域に関する規定や、電波法や航空法に基づくドローンの飛行に関する法令遵守は前提となるので注意してください。
出典:(C)ぱくたそ Photo by ambient drone
ドコモの「LTE上空プラン」を利用するメリットは、主に以下の3点です。
LTE通信を活用することで、データ転送の効率が飛躍的にアップするのでチェックしておきましょう。特に業務などで目視外の長距離飛行を行う方におすすめです。
ドコモの専用サイト「LTE上空利用予約」から予約ができるため、電波利用の承認までにかかる時間が大幅に短縮されます。また利用予約により、特定エリアでの過剰な電波利用による電波干渉リスクを抑えることが可能です。
LTE通信の利用集中を防げるので、安全かつ地上の電波状況に影響を与えにくくなります。なお、同一エリア内でも数十機程度のドローンであれば問題無く飛ばせるようなので、よほど予約が集中しない限りは予約が一杯という事態にはならないと考えられます。
上空のLTE通信を利用することで、地上の通信機・端末にシームレスなデータ転送を可能とします。これまでは通信機側とドローン側の距離が離れすぎると電波が届かず、短距離飛行や目視内での飛行が基本となっていました。
そのため、ドローンと距離が離れる場合は録画したデータを後から確認するという方法が一般的です。しかし、LTE回線を使用できれば、目視できない長距離での飛行・撮影を可能とし、ドローンからのデータ転送をリアルタイムに行えます。
結果として、高高度からの撮影などにおける効率が大きくアップするのがメリットです。
前述のリアルタイムなデータ転送により長距離物流への活用や、災害現場での迅速な救助活動・状況確認を可能とします。農業部門などでも、生育状況の観察などより広範囲に渡って効率的に作業できるようになります。
各種作業の生産性を上げてくれるので、仕事でドローンを使っている方はドコモの「LTE上空プラン」の利用を検討してみてください。
本記事では、ドコモの「LTE上空プラン」について解説しました。LTE上空プランは、上空のLTE回線を使用することで、地上へのリアルタイムなデータ転送を可能とします。
そのため、これまでできなかった目視外飛行時のリアルタイム撮影などができるのが利点です。料金は月額49,800円(税込)で月に120GBまでのデータ通信ができます。
業務効率をアップできる画期的なプランなので、仕事でドローンを使っているという方はぜひ検討してみましょう。