空撮や農業用など、さまざまな目的で使われているドローンは警備の面でも活躍をみせています。
しかし「ドローンで警備は可能なのか」「ドローンだけでの警備は心配」と不安を抱える方も多いでしょう。結論から言うと、ドローンは安心安全な警備が可能で、今後も増えていく警備システムの1つです。
この記事では、ドローンの警備についてメリットやデメリット、実際の活用事例を詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
出典:Lukas BieriによるPixabayからの画像
まずはドローン警備の必要性を知っておきましょう。ドローンは人間ではできない警備が可能ですので、必要不可欠な存在です。
例えばドローンはサーモグラフィーや空撮など、警備員にはできない作業が多く存在します。また、警備の現場によっては、人の目の監視では難しい場面も出てきます。
そういった現場でも、ドローンを使うことで安全に警備ができることから、ドローンはなくてはならない存在です。
出典:UnsplashのMikhail Pavstyukが撮影した写真
ドローンで警備させる場合は、航空法で決められている下記の内容を把握しておきましょう。
法律により、対象物との距離や、場所の制限が決まっていますので、もしドローン警備をする場合は国からの承認が必要です。何も知らずに飛行していまい、法律違反にならぬように注意しておきましょう。
出典:UnsplashのScott Webbが撮影した写真
ではドローン警備は実際にどのような場面に向いているのか、下記の4つの場面から解説します。
深夜や人が少ない時間帯はドローンの警備に任せるほうが良いでしょう。なぜなら
警備員の身の安全に繋がるからです。
昼間に比べて人が少ない時間帯は、犯罪の発生率もあがる傾向です。また、夜勤対応は睡魔に襲われ集中力が途切れることも多いでしょう。
そういった中での警備は危険ですので、ドローンによる警備が向いています。
次にドローンは、公園や森林の野外施設の警備にも向いています。広大な敷地を監視するのは、人の足では時間がかかるからです。
しかし、ドローンを使用すれば飛行により短時間で警備が可能です。また、GPS機能や自動巡回機能で回れるため、野外での警備はドローンに任せておきましょう。
イベントや広範囲の会場警備でドローンは活躍しています。広範囲の会場の場合は、多くの警備員が必要ですが、ドローンなら数台で済むでしょう。
また、人が密集していたり障害物があったりして、人の目では危険が発見しにくい場所も、ドローンの上からの視点で広範囲に見渡せます。したがって、イベント会場ではドローンで安全に警備が可能です。
人が警備するには危険な場所も、ドローンであれば安全に警備が可能です。例えば建物の高所や発電所内は、人が隅々まで監視するには危険な場所と言えます。
そういった現場でもドローンを使用すれば警備員の身の安全にも繋がりますので、安全に警備をおこなえるでしょう。
出典:UnsplashのDiana Măceşanuが撮影した写真
安心安全なドローン警備には下記5つのメリットが存在しますので解説していきます。
ドローン警備は、人件費の削減に繋がっています。なぜなら警備員を雇っていては給与が発生しますが、ドローンには必要ないからです。
ドローンは初期費用こそかかるものの、人件費が長期でかかることを考えると安く済むでしょう。また、警備員の場合は夜勤手当や、ケガをした場合は保障の手当も発生します。
そういった手当がドローンには必要ないので、人件費の削減に繋がります。
人手不足の解消になることもドローン警備のメリットです。警備員は24時間体制や過酷な労働環境から人員が不足しているのが現状です。
また、体力が必要な職業のため、年齢と共に離職する可能性も出てきます。しかし、ドローンの場合は昼夜関係なく監視が可能で、人員不足のカバーに繋がるでしょう。
ドローンは人の目では発見しにくい場面を見つけやすいため犯罪防止が見込めます。
赤外線カメラやサーモグラフィーで、夜間の不審者や不審火を発見できるため、人の目では気づきにくい場面に早く気づけます。さらに、スピーカーから警告音をだして注意喚起もおこなえるでしょう。
ドローンが巡回しているだけでも、監視しているとアピールできるため犯罪防止に役立っています。
空から撮影することで、広範囲が監視できることもドローン警備のメリットです。ドローンは高度をあげれば、それだけ広範囲を監視できて、いち早く不審者や不審物を発見できます。
また、従来の監視カメラだけでは距離が遠いと不鮮明にしか撮影できなかったり、死角に入られたりと上手く撮影できない点を、ドローンは移動して近づくことで解消します。
最後のメリットは、ドローンのカメラや飛行性能により、撮影や追跡で犯行現場が押さえられることです。
不審者を発見したときに、相手が車で逃走したり、距離が遠かったりすると人の足で追いつくのは難しいでしょう。また、夜間に発見した場合、犯人の顔や車のナンバーが暗くて見えにくい場合が出てきます。
しかし、ドローンは飛行移動で追いかけられて、カメラ機能で撮影して証拠を残せるでしょう。
ドローン警備のメリットを紹介しましたが、同時にデメリットも存在しますので下記4つを解説します。
ドローン警備をおこなう場合は、コストがかかると覚えておきましょう。機体代やバッテリー代などの初期費用や、操縦管理者の人件費と、さまざまなコストが発生します。
また、ドローンは飛行時間が短い機体も多くて、複数の機体が必要となるため費用がかかるでしょう。
ドローンは誰でも操縦していいわけではなく「機械警備業務管理者」の資格が必要です。また、ドローン警備をする現場には「警備員指導教育責任者」と呼ばれる人を配置しておくことも必須条件です。
通常の趣味であれば、資格は必要ないのですが警備の現場は安全に関わりますので、ドローン警備の導入を考えても、資格保有者が必要だと覚えておきましょう。
天気に左右されやすく、墜落の危険性が考えられるのもドローンのデメリットです。ドローンは強風や雨が強いときや台風のときの飛行は困難です。
販売するメーカーの中には、悪天候に強い機体も存在しますが、コストもかかり全て揃えるには膨大な金額がかかってきます。また、人が多い場所で強風に負けて墜落した場合は、大きな事故に繋がる可能性も出てくるでしょう。
自動操縦でドローン警備をする場合は、危険かどうか判断できないのもデメリットです。
ドローンは機械ですので発見したものを、全て的確に危険かどうかの判断はできないでしょう。そのため、不審なものを発見して撮影はできますが、判断は監視している人間がおこないます。
しかし、常に監視員が画面越しに見ているわけではないため、場合によっては未然に防げたはずの事故が起きてしまう場面が出てきます。
では実際にドローンは、どのような現場で活用されているのか、下記4つの事例から紹介します。国内と海外を紹介しますので、どのような違いがあるかも参考にしてください。
セコムは民間に向けた防犯用として、自立型飛行監視ロボットの「セコムドローン」を導入しています。
自動で施設内を巡回して監視するサービスで、不審な車や人物を撮影し、その後セコムのコントロールセンターに報告して犯罪防止に役立てています。
プロドローンは衝撃や耐水、耐風に強く、長時間飛行を可能にしたドローンを多数展開する産業用ドローン専門メーカーです。
悪天候に強いドローンの特性を活かし、山岳事故で遭難者の捜索をしたり、自然災害現場で被害状況の把握をしたりと、地域の警察や消防と協力しています。
さらに、遠隔巡回操作によって不審者や不審物の発見など、セキュリティ面も活躍しています。
T-FRENDはドローンでオフィス内の巡回サービスを展開しています。
具体的には、退社後のオフィスを巡回して不審者がいないか犯罪抑制に役立ち、さらに、残業社員の退社を促して残業代のコスト削減にも役立っています。
撮影したデータはクラウドサーバー内に保存して、監視員が確認する安心のサービスです。
海外の場合は、国によっては警察が通報を受けると最初にドローンを現場に飛ばしたり、犯人の追跡や事故現場の検証をしたりしています。
また、事故現場に人が近寄らぬようにスピーカーから注意喚起をしていて、日本と比較すると、さまざまな場面でドローンが活躍していると言えるでしょう。
ここまでドローン警備について説明しましたが「警備員が減るのでは?」と考えるかたも多いでしょう。
たしかに、警備員数は今後減るかもしれませんが、ドローン警備をするには人にしかできない作業が存在するため、警備員は必要な存在です。
具体的に、操縦や監視は人の手が必要ですし、デメリットで紹介したとおり、ドローンは人のような判断ができないため、警備員の配置が必須です。
そういったドローンのデメリットをカバーするためにも、警備員は必要だと言えます。
出典:Thomas EhrhardtによるPixabayからの画像
ドローン警備は、人員不足から今後も増えていき、共存して警備をしていくと考えられます。
警備や監視の精度はドローンによって確実に上がりますし、同時に警備員の安全を守る意味でも必要だからです。
また、ドローン警備を先駆けて導入している企業も課題克服に向けて、日々改良していますので、今後はセキュリティレベルをあげたドローン警備が可能でしょう。
出典:UnsplashのJaromír Kavanが撮影した写真
今回はドローンの警備について解説しました。改めて安心安全な警備が可能な理由を確認しましょう。
ドローンは、人の目で判断できない機能を活かして警備が可能です。しかし、ドローン警備にはコスト面や稼働時間、判断能力などの課題が多く残っています。そのため、課題が克服されれば多くの現場で導入される日が来るでしょう。
また、警備するにあたって、操縦資格が必要ですので当サイトの資格取得についてを参考にしてください。
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