水中ドローンおすすめランキングTop5！操作に必要な資格や選び方を紹介

空中を飛行する無人航空機をドローンといいますが、水中を移動する『水中ドローン』があります。

水中ドローンは、釣りやダイビングなどのホビー用途から、ダムの点検や養殖場の管理といった産業分野まで、幅広く利用されています。

水中ドローンの市場規模は年々急成長しており、海洋産業の発展を促進するツールとして、今後さらなる活用が期待されています。

本記事では、水中ドローンの概要や選び方、おすすめの機種について、さまざまな視点から解説します。

水中ドローンとはどういうもの？

水中ドローンとは、水中を潜って移動できる無人潜水機のことです。

操縦者はコントローラーを使い、遠隔操作でリアルタイムに水中をモニタリングできます。

空中を飛行する無人航空機と仕組みは似ており、機体に搭載されたプロペラをモーターで動かして移動します。

無人航空機は無線操縦が一般的ですが、水中では電波が届きにくいため、水中ドローンの多くはコントローラーと機体が有線で接続されています。

2025年現在、水中ドローンを操縦するために特別な免許や資格は必要ありません。

航空法によってルールが定められている無人航空機とは異なり、水中ドローンは有線操縦であるため、比較的操作が簡単とされています。

ただし、利用場所によっては自治体や管理者の許可が必要な場合があるため注意が必要です。

初めての操作に不安がある場合や、水中調査など高度な用途を検討している場合は、『水中ドローン安全潜航操縦士』という民間資格があります。

操作方法や法令などを専門的に学べるため、より深い知識を身につけたい方は、水中ドローンを取り扱うドローンスクールの受講がおすすめです。

水中ドローンは2種類に分類される

水中ドローンは、大まかに分類すると、『ROV』と『AUV』の2種類があります。

一般的にはROVを水中ドローンと呼ぶ場合がほとんどです。

ROVは、「Remotely Operated Vehicle（遠隔操作型無人潜水機）」の略称で、コントローラーを使って人が遠隔で操作する無人潜水機のことを指します。

大型のROVは水中撮影や水中捜査、点検など、主に産業分野で幅広く活用されています。

人が立ち入れないような深海や、危険なエリアでも、遠隔で細かい作業が可能なため、作業の効率化向上に貢献しています。

水産業界は人材不足が深刻なため、業界の未来を守るためにも水中ドローンの技術発展が期待されています。

一方、小型で低価格なROVはホビー用途として販売されており、釣りやダイビングなどのマリンスポーツにおける撮影や水中探索に個人で利用できます。

AUVとは、「Autonomous Underwater Vehicle（自律型無人潜水機）」の略称で、人が操縦することなく、自律的に全自動で潜航する無人潜水機を指します。

AUVは大型で高価なため、現在、海上保安庁の海洋調査など、国の事業において実証実験が進められています。

『ROV』と『AUV』の違いを、以下の表にまとめました。

種類	ROV（遠隔操作型無人潜水機）	AUV（自律型無人潜水機）
操縦方法	機体とコントローラーが有線で繋がっていて人が遠隔で操縦する。	機体にコントローラーが繋がっていないため、人が操縦することなくあらかじめプログラミングされたとおりに全自動で動く。
特徴	サイズ、価格は幅広く、産業用で使用するような高性能のものもあれば、釣りやマリンスポーツで使用するホビー用のものもある。	大型で高価なため、国レベルの事業や研究で使用されており、個人や民間企業で使用されることはほとんどない。
稼働時間	給電式はケーブルで電源を供給するため長時間の操作が可能。バッテリー式の場合は1～6時間程度のものが多い。	バッテリー式のため1～6時間程度。
稼働範囲	ケーブルの長さによって変動。個人用のものは最大30mほどのものが多い。産業用だと300m～1,500m程度の長距離用ケーブルもある。	ケーブルがないため広範囲での行動が可能。
サイズ	片手で持てるような小型のものから産業用の大型のものまで幅広い。	ほとんどが産業用のため、大型のものが多い。
価格	10万円以下のものもあり、個人でも購入可能。	国の事業や研究調査で使用されるため1,500万円～億単位と比較的高価。
画像・映像	カメラを搭載していれば、ケーブルを通して画像や映像データをリアルタイムで観察できる。	水中では電波が届きにくいため、リアルタイムでの映像確認はできない。
作業	アームなどを取り付けて細かい作業をすることが可能。	自動運転のため複雑な作業は難しい。
使用用途	ダイビング・レジャー・釣りの水中撮影、水中環境の調査、水中の建造物の点検やメンテナンス、アームでの水中作業等	港湾施設・漁港の建築現場確認、水中の測量、海底生物の生態調査、水質・環境調査、海底地形調査、沈没船調査、水害時の調査、水難・海難の救助や捜索等

水中ドローンの仕組み

水中ドローンの動作原理は、無人航空機と似ています。

機体に搭載されたプロペラをモーターで駆動し、人がコントローラーを用いて前後左右や上下（潜水・浮上）の操縦をして、水中を移動します。

ただし、無線で操縦する無人航空機とは異なり、水中ドローンは多くの機体が有線接続を採用しています。

水中では電波が届きにくいため、ケーブルで機体とコントローラーを接続し、遠隔操縦を可能にしています。

水中ドローンを操作するには資格が必要？

2025年現在、水中ドローンを操作するために特別な資格は必要ありません。

誰でも自由に水中ドローンを所有し、操縦できます。

より本格的に学びたい場合は、日本水中ドローン協会が発行している『水中ドローン安全潜航操縦士』という民間資格の取得がおすすめです。

この資格は、「水中ドローンの普及と正しい運用を広め、社会や地球環境のより良い未来に貢献する」という目的のために施行されました。

水中ドローンに関しての詳しい知識を身に着けることで、安全にドローンを楽しめます。

無人航空機とは異なり、水中ドローンの法整備はまだ追い付いていないのが現状です。

国土交通省によって「AUVの安全運用ガイドライン」が発行されていますが、工事やインフラ点検に関するルールが中心であり、個人ユーザー向けのルールとは異なります。

このガイドラインでは、「本ガイドラインは AUV を対象としているが、ROVに対して本ガイドラインを部分的に使用することは可能」としているため、一部を参照することはできますが、それでも個人利用には適用しづらいのが現状です。

ただし、海や川で水中ドローンを使用する際は、管理者によって使用が制限されていることがあるため、海上保安庁や自治体に確認することをおすすめします。

航空法によって無人航空機のルールが制定されたように今後、水中ドローンの操縦ルールも整備されていくと予想されています。

水中ドローンの選び方

ここでは、水中ドローンの選び方のポイントを5つ紹介します。

それでは、ここから1つずつ解説していきます。

1.使用用途に応じた機能や性能で選ぼう

水中ドローンは、機種によって様々な機能が搭載されているため、目的に応じて選ぶ必要があります。

釣りやダイビングで水中ドローンを使用したい場合は、魚群探知機能や給餌機能を備えた水中ドローンがおすすめです。

魚群探知機能は、センサーによって魚群の分布、水温、水深を感知し、魚群を検知します。

これらの機能を活用すれば、効率的に魚を集められるため、釣りやダイビングをより楽しめます。

水中の点検や調査をしたい場合は、ロボットアームを取り付け可能な水中ドローンがおすすめです。

コントローラーを使ってアームを操作し、海底のサンプルを採取したり、水中の紛失物を回収したりと、幅広い作業が可能です。

数キログラムの大きな物体を掴めるタイプのドローンは、養殖場の斃死（へいし）魚を回収する作業にも使用されています。

水中撮影を楽しみたい場合は、カメラ性能と機動性の高い水中ドローンがおすすめです。

水深が深くなると暗くなるため、ライトを搭載したものや、低照度でも撮影できるモデルを選ぶと良いでしょう。

2.潜水距離や時間で選ぼう

水中ドローンは機種によって潜水可能な深度や時間が異なるため、利用シーンに応じて選ぶことが重要です。

釣りやレジャー用途で使用する場合は、潜水可能深度が30m程度、潜水可能時間が1時間程度のものがおすすめです。

この仕様であれば、釣りやマリンスポーツの撮影用途に十分対応可能です。

2025年現在、釣りやレジャー向けのホビー用水中ドローンは、10万円以下で購入できます。

海中・海底の点検や水深の深い場所で使用する場合は、潜水可能深度が100m程度、潜水可能時間が2時間以上のものがおすすめです。

水深が深くなるとかかる水圧が増加するため、機体の耐久性が求められます。

価格帯は10万円程度から100万円を超えるものまであり、性能によって幅広く展開されています。

3.初心者は操作性を重視した機種を選ぼう

初めて水中ドローンを使用する場合は、操作性を重視して選ぶことをおすすめします。

360°の姿勢制御が可能なモデルは、ドローンを水平に保ち、姿勢を安定させるため、操縦しやすくなります。

前方にしか進めないタイプや、前後左右のみ操作可能な機種は操作が難しく、360°全方向に動かせるタイプのものは操作がしやすい特徴があります。

また、プロペラの枚数によっても操作性が異なります。

一般的にプロペラは4枚搭載されていることが多いですが、6枚・8枚とより多くのプロペラを備えた機種は操作性が高くなります。

水流の強い場所で使用する場合は、移動速度が速いモデルを選ぶと良いでしょう。

秒速2～8mのモデルを選ぶことで、水流の影響を受けにくくなります。

4.高画質で水中撮影するなら高解像度カメラ搭載機種を選ぼう

高画質の水中撮影を楽しみたいなら、カメラの解像度で水中ドローンを選びましょう。

解像度が高いほど細部まで鮮明に捉えられるため、臨場感のある映像を撮影できます。

4K対応モデルは、プロレベルの高品質な撮影が可能です。

また、水深が深くなるほど暗くなるため、LEDライトを搭載したモデルがおすすめです。

水深100mを超える場合は、1,000ルーメン以上のLEDライトを備えた機種を選びましょう。

さらに、手ブレ補正機能を搭載した機種は、画面の揺れを軽減するため、鮮明で美しい映像を撮影できます。

5.リアルタイムの映像を確認するならスマートフォンやVRゴーグルに対応した機種を選ぼう

水中の映像をリアルタイムで見たい場合は、スマートフォンやVRゴーグルに対応した機種を選びましょう。

機種によっては、専用のアプリをダウンロードすることで、スマートフォンで水中ドローンの映像を観察できるようになります。

また、VRゴーグル対応の機種では、右を向くと右側の景色を見られるなど、頭の動きで直感的にドローンを操縦できます。

より迫力のある映像を楽しむなら、FPV（First Person View/ファースト・パーソン・ビュー）対応の機種がおすすめです。

水中ドローンおすすめランキングTop5

ここでは、水中ドローンのおすすめランキングを紹介します。

それでは、ここから1つずつ解説していきます。

1位：PowerDolphin

『PowerDolphin』は、PowerVisionが2019年5月7日に発売した高画質カメラ搭載の水中ドローンです。

高解像度の4Kカメラを搭載しており、高精細な撮影が可能です。

項目	内容
機種	PowerDolphin
メーカー	PowerVision
発売日	2019/5/22
価格	スタンダード版：92,400円 エクスプローラー版：102,300円
サイズ	534×230×125mm
重量	約2.3kg
稼働可能時間	Uモード：2.5時間 CまたはNモード：20分（静水中）
稼働可能距離	地面との垂直距離3.5m：800m 地面との垂直距離1.5m：500m （障害物や電波干渉がない場合）
速度	4.5m/s（静水中）
深度	―
画像解像度	最大4000 x 3000
映像解像度	4K：3840×2160, 30fps 1080p：1920×1080, 60fps 720p：1280×720, 120/240fps
防水規格	IPX8 (2m, 0.5H)
LEDライトの明るさ	220LM, 6500K

独自のダブルジョイント式可動カメラと、132°の広角レンズによって、水上から水中まで、さまざまな角度で撮影できます。

カメラは水中に150°、水上に70°、合わせて上下に最大220°で可動するため、航行しながら、真上、真下、後方までの撮影が可能です。

最大前進速度は4.5m/sで、釣りやマリンスポーツなど、スピードが求められる場面でも活躍します。

最大稼働距離は800m、最大稼働時間は2時間と、長距離や長時間の連続使用にも耐えられる設計です。

2位：PowerRay

『PowerRay』は、PowerVisionが2018年3月2日に発売した高画質カメラ搭載の水中ドローンです。

項目	内容
機種	PowerRay
メーカー	PowerVision
発売日	2018年3月2日
価格	89,000円～
サイズ	465×270×126mm
重量	約3.8kg
稼働可能時間	低速：4時間 中速：1.5時間 高速：30分
稼働可能距離	最大70m
速度	1.5m/s（静水中）
深度	30m
画像解像度	12M：4000×3000（4：3 デフォルト） 8M：3840×2160（16：9） 5M：2560×1920（4：3）
映像解像度	4K：3840×2160 25fps（デフォルト） 1440P：2560×1440 50fps FHD：1920×1080 30/60fps
防水規格	不明
LEDライトの明るさ	不明

PowerRayは、4K高解像度カメラによって、快適な水中世界の探索を楽しめます。

また、一度の充電で最大4時間の運航が可能です。

さらに、最大30mの水深に対応し、水中の動画や写真の撮影はもちろん、ボートや水産養殖場の点検にも利用できます。

VRゴーグルに対応しており、まるでダイビングしているかのような没入感を味わえます。

3位：FIFISH V6 EXPERT

『FIFISH V6 EXPERT』は、QYSEA Technologyが2021年11月15日に発売したプロ向け小型産業用水中ドローンです。

項目	内容
機種	FIFISH V6 EXPERT
メーカー	QYSEA Technology
発売日	2021年11月15日
価格	520,000円
サイズ	383×331×143mm
重量	4.6kg
稼働可能時間	1m/sの場合：1.5時間 静水時：6時間
稼働可能距離	最大100m
速度	最大1.5m/s（静水時）
深度	最大100m
画像解像度	12M：4,000×3,000
映像解像度	4K UHD：25/30fps 1080P FHD：25/30/50/60/100/120 fps 720P HD：25/30/50/60/100/120/200/240 fps
防水規格	不明
LEDライトの明るさ	6,000LM、5,500K

FIFISH V6 EXPERTは拡張性が高く、用途に応じてさまざまなオプションパーツを使用することで、あらゆる水中作業に対応可能です。

また、水の抵抗を最小限に抑えた流線形のボディと、安定化システムQ-STEADY2.0を搭載し、水中での姿勢を保ち、操作性に優れているのが特徴です。

166°の超広角4Kレンズを搭載しており、撮影が困難な水中でも鮮明に撮影できます。

さらに最大100mの水深に対応し、6,000ルーメンの高光量LEDライトによって、深い水中での作業にも対応します。

同ドローンは、VRゴーグルにも対応しており、頭を動かすだけで直感的な操作が可能です。

FIFISH V6 EXPERTは、軽量でコンパクトな機体のため、携帯性にも優れています。

4位：CHASING M2

『CHASING M2』は、‎CHASING INNOVATIONが2020年8月上旬に発売したプロ向け4Kカメラ搭載水中ドローンです。

項目	内容
機種	CHASING M2
メーカー	‎CHASING INNOVATION
発売日	2020年8月上旬
価格	358,000円
サイズ	380×267×165mm
重量	約4.5kg
稼働可能時間	2～4時間
稼働可能距離	100mケーブル、200mケーブルあり
速度	最大1.5m/s
深度	最大100m
画像解像度	12M
映像解像度	4K：30fps 1080P：30fps（Slow：120fps） 720P：30fps（Slow：240fps）
防水規格	不明
LEDライトの明るさ	2×2000LM、5000～5500K

CHASING M2最大の特徴は、その高い機動性です。

同ドローンは、8つのスラスターを搭載しており、360°全方向に移動が可能です。

また、2つの高光量LEDライトを搭載しており、深い水中でも鮮明に撮影が可能で、最大水深100mまで対応できる耐性を備えています。

さらに、ロボットアームやGoProカメラなどのアタッチメントを取り付けることで、幅広い用途の水中作業に使用できます。

CHASING M2は、プロ向けの水中ドローンとして販売されており、活用事例として、船舶検査、ダムや貯水池などの構造物点検、水産養殖場での生育管理などの分野で活用されています。

なお、CHASING M2は2023年9月に生産終了しており、後継機種として『CHASING M2S』を販売しています。

5位：ThorRobotics 水中FPVカメラマリアナRC潜水艦

『ThorRobotics 水中FPVカメラマリアナRC潜水艦』は、ThorRoboticsから発売された水中トイドローンです。

項目	内容
機種	ThorRobotics 水中FPVカメラマリアナRC潜水艦
メーカー	THOR roboTiCS
発売日	不明
価格	59,727円
サイズ	‎256x160x110mm
重量	約800g
稼働可能時間	不明
稼働可能距離	3m
速度	2.8km/h
深度	3m
画像解像度	不明
映像解像度	HD：1280×1024
防水規格	IP68
LEDライトの明るさ	10x10LM

1リットルペットボトルほどの大きさのデフォルメされた潜水艦型で、子供でも遊べる手軽さが特徴です。

同ドローンは、無線操作できるようになっており、本体に繋がったコードの先にあるアヒル型アンテナから電波を受信します。

本体前方にはLEDライトとカメラが搭載しており、スマートフォンを接続してモニターとして使用することで、水中を深く潜ってリアルタイムで観察が楽しめます。

まとめ

本記事では、水中ドローンの概要、選び方、おすすめの水中ドローンなど、様々な視点で水中ドローンについて解説しました。

個人用の水中ドローンは、釣りやダイビングなどのマリンスポーツで、魚を集めたり撮影することで楽しめるようになっています。

水中ドローンは目的に応じて様々な種類が販売されているので、ホビー用の水中ドローンを選ぶ際は、使用目的に合わせて選びましょう。

また、水中ドローンは、法整備などがまだ追い付いていない部分もありますが、水産業界の人材不足を解決する手段として注目されており、課題克服に向けて急速に進展している段階です。

人が立ち入れないような深海や、危険な場所でも、撮影や細かい作業が可能な水中ドローンは、インフラ点検や水中構造物の建設現場、魚介類の生育調査や水難救助など幅広い分野での活躍が期待されています。

水中ドローンは、更なる技術の進歩によって、私たちの生活を豊かに快適にしていくツールとして、より密接した存在になっていくことでしょう。