2024年11月22日
DJI新製品「Matrice 350 RTK（M350 RTK）」の特徴と革新点 – 業務用ドローンの新たなスタンダード
ドローンメーカーの世界的リーダーであるDJIが、2023年5月18日に業務用ドローンの新しい基準となる「Matrice 350 RTK（M350 RTK）」を発表しました。
日常の業務から捜索救助ミッションまで、M350 RTKは革新的な技術で適用性、安全性、効率性を大幅に向上させます。
公共安全、エネルギー、マッピング、インフラ、林業など、多岐にわたる分野での活躍が期待されるこの最新モデルです。
これまでも、Matrice（マトリス）は人気で様々なシリーズが活躍してきました。
最新モデルの「Matrice 350 RTK」の他、「Matrice 30シリーズ」が展開されています。
本記事で詳しく解説していきます。
Matrice 30シリーズ
出典：(C) DJI
MATRICE 30は、小型化と防塵防滴の強化を施し、厳しい環境や緊急時の対応にも適応することができる機体として進化しました。このシリーズは、レーザー距離計やズームカメラ、ワイドカメラ、さらにM30Tには赤外線カメラも統合された高機能ハイブリッドカメラを装備しています。特筆すべき機能として、最大飛行時間41分、AIスポット点検、自動航行、RTK測位、風圧抵抗15m/s、保護等級IP55などがあり、防災やインフラ点検の現場でも信頼の置けるパフォーマンスを発揮します。
Matrice 350 RTK
MATRICE 350 RTKは、最大飛行時間の伸びと全方向ビジョンセンサーを備え、測量、インフラ点検、捜索救助などの業務を安全かつ効率的に支援します。様々な取り付け可能なモジュールにより、多種多様な業務での使用が可能です。
H20シリーズ：レーザー距離計、ズームカメラ、赤外線カメラを一体化したハイブリッドカメラ。点検や捜索救助での使用が一般的です。
ZenmuseP1：高解像度のフルサイズセンサーカメラで、写真測量やモデリングに適しています。
ZenmuseL1：LivoxのLiDARモジュールを搭載し、レーザー測量用途に特化しています。
SABOT-3：遠隔操作が可能なスプレー噴射システムで、特定の液剤を使って多様な作業が行えます。
主な特徴として、最大飛行時間55分、自動航行、RTK測位、防災・点検、ドローン測量、保護等級IP55、風圧抵抗12m/sなどが挙げられます。
MATRICE 350 RTKの関連ニュース
MATRICE 350 RTKで使った測量やCIM／BIMなどに関するセミナー
ニュース記事：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000596.000016343.html
この実演会では、測量やCIM／BIMに必要なデータを迅速・安全に撮影する産業向けのドローンM350 RTKや、レーザー測量のZenmuse L1、高解像度カメラのZenmuse P1、持ち運びに便利なMavic 3 Enterpriseなどを、専門スタッフが詳しく紹介します。
ドローン用スプレー缶噴射装置 SABOT-の活用について
ニュース記事：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000577.000016343.html
SABOT-3は、DJIのM350／300 RTKドローンに簡単に取り付けられるスプレー缶噴射装置です。DJI Pilotアプリや送信機を使用して操作可能で、スプレー缶を交換するだけで、高所の軽補修やマーキング、洗浄、鳥害や害虫対策などの作業を効率的に安全に実施できます。
Matrice 350 RTKとMatrice 30の比較
公式ホームページを参考に比較表を用意しました。
| 項目 | Matrice 350 RTK | Matrice 30シリーズ |
|---|---|---|
| サイズ（展開時） | 810×670×430 mm（長さ×幅×高さ、プロペラなし） | 470×585×215 mm（長さ×幅×高さ、プロペラは含まない） |
| サイズ（折りたたみ時） | 430×420×430 mm（長さ×幅×高さ、プロペラあり） | 365×215×195 mm（長さ×幅×高さ） |
| 対角ホイールベース | 895 mm | 668 mm |
| 重量 | 約3.77 kg (バッテリーなし) 約6.47 kg (TB65バッテリー2個搭載時) | 3770 ± 10 g (バッテリー2個含む) |
| 最大離陸重量 | 9.2 kg | 4069 g 3998 g（欧州C2認証） |
| 動作周波数 | 2.4000～2.4835 GHz 5.150～5.250 GHz 5.725～5.850 GHz | 2.4000〜2.4835 GHz、5.725〜5.850 GHz |
| 伝送電力 (EIRP) | 2.4 GHz: < 33 dBm (FCC) 5.8 GHz: < 33 dBm (FCC/SRRC) 5.1 GHz: < 23 dBm (CE) | 2.4 GHz: < 33 dBm (FCC) 5.8 GHz: < 33 dBm (FCC/SRRC) |
| ホバリング精度 | 垂直: ±0.1 m (ビジョン) 水平: ±0.3 m (ビジョン) | 垂直: ±0.1 m (ビジョン) 水平: ±0.3 m (ビジョン) |
| 最大飛行高度 | 5000 m (2110s プロペラ使用時) 7000 m (2112 高地用 低ノイズプロペラ使用時) | 5000 m (1671プロペラ使用時) 7000 m (1676プロペラ使用時) |
| 対応DJIジンバル | Zenmuse H20、Zenmuse H20T、Zenmuse H20N、Zenmuse P1、Zenmuse L1 | なし |
| 保護等級 | IP55 | IP55 |
| 衛星航法システム | GPS + GLONASS + BeiDou + Galileo | GPS+Galileo+BeiDou+GLONASS |
| 動作環境温度 | -20℃〜50℃ | -20℃〜50℃ |
まとめ
Matrice 350 RTKとMatrice 30は、DJIの最先端のドローン技術を体現する製品です。両機種ともに、高度な機能と精密な飛行能力を備えており、特に産業用途やプロフェッショナルな撮影に適しています。Matrice 350 RTKは、特に高精度な位置情報を要求される場面での使用を前提に設計されています。一方、Matrice 30は、その汎用性と効率性で多くのユーザーから支持を受けています。
それぞれのモデルには、独自の特長と機能があり、使用するシチュエーションや目的に応じて選択することができます。例えば、Matrice 350 RTKは、建設現場や農業、地質調査などの分野での高精度な地図作成や監視に最適です。一方、Matrice 30は、映像制作や都市の監視、災害時の救助活動など、さまざまな場面での応用が期待されています。
最後に、これらのドローンは単なる玩具ではありません。高度な技術と安全性を兼ね備えたプロフェッショナル向けの機材として、未来のさまざまな産業分野や社会課題の解決に大きく貢献することが期待されています。
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