ドローンの操作でよく出てくる「ピルエット」という言葉。
以前からラジコンをやっていた人は知っていますが、ドローンから始めた人の多くはその名前すら聞いたことがないはず。そして、ピルエットの練習をしてるけど全然上手くならずに悩んでいる人も多いと思います。
本記事では、ドローンのピルエットに焦点を当てて、ピルエットの具体的なやり方やコツ、練習方法、空撮する上で必要なことついても言及していきます。
出典:UnsplashのAnnie Sprattが撮影した写真
ピルエットは「回転」を意味し、ドローンを回転させる動作のことを指します。
通常、ピルエットというとその場でホバリングしながら回転させる「ピルエットホバリング」のことです。これに加え、より難易度の高い「ピルエットサークル」と呼ばれるものもあり、ドローンを回転させながら円を描くように飛ばす方法です。
前者の「ピルエットホバリング」に関しては、ドローンの無人航空機操縦士試験でも必要になる基礎的なものです。業務で飛ばす人はもちろん、趣味で飛ばす人もぜひ習得しておきたい操作方法になります。
ピルエットホバリングは、ドローンをその場でホバリング(空中で停止)させながらラダー操作によって機体を回転させる動作です。
高度維持やGPS制御がないラジコンやドローンでは少し練習が必要ですが、自動的に高度維持やGPS制御を行なってくれるDJI社の空撮用ドローンでは、練習することなく簡単にできます。
実際のやり方は動画で解説されています。
ドローンの無人航空機操縦士試験では、等級によってATTIモードで操作する必要があります。ATTIモードはGPS制御がないため、高度は維持してくれるものの、なにも操作しないとドローンは勝手に移動してしまいます。
ATTIモードでピルエットホバリングするには、基本のホバリングができる必要があります。まずはATTIモードでホバリングができるように徹底的に練習しましょう。
それができるようになった上で、ラダー操作(回転操作)を入れて慣れていけば、わりと簡単にできるようになります。
出典:UnsplashのKaleb Kendallが撮影した写真
ピルエットサークルはとても難易度の高い操作方法です。
ラダー操作によってドローンを回転させると同時に、エレベーター(前進後進)とエルロン(左右移動)を駆使して円を描きます。
ピルエットホバリングは、ただその場に停止すればよかったのですが、サークルはドローンを回転させながら実際にドローンを円を描くために動かすため、少し練習したくらいで簡単にはできないのです。
ピルエットサークルのコツは、ゆっくり操作することです。
急激にスティックを倒すと、ドローンが想像以上のスピードで動いてしまい、制御できません。非常に遅い速度で操作方法や感覚を掴んでいき、できるようになったら、少しずつ速くすると上達が早いです。
最初は本当にゆっくり、1周で4回ピルエットを入れ、少しずつ1週あたりのピルエットの回数を増やすというやり方での練習を推奨します。
出典:UnsplashのNathan Dumlaoが撮影した写真
ドローン空撮において、ラダー操作による機体の回転(ピルエット)は重要です。
滑らかなラダー操作ができなければ、撮影するときにカクついてしまい良い映像は撮れません。とくに空撮でよく使われる「ノーズインサークル」ではこのラダー操作が大事になってきます。
ノーズインサークルはラダーとエルロンの操作で、被写体を常に真ん中に捉えながら円を描くようにドローンを飛ばします。このノーズインサークルがきれいにできるとプロが撮ったような映像になるため、ラダー操作の滑らかさは必要不可欠なのです。
ただし難易度の高い「ピルエットサークル」は、空撮などにはまったく必要のない操作方法で実際使う機会はありません。
ピルエットサークルは、あくまで目視による操作技能の向上やラジコンヘリなどで遊ぶ人だけが必要になるものです。もちろんできるに越したことはありませんので、操作技能向上のために練習してみるのはおすすめします。
ドローンのピルエットについて解説しました。
ピルエットとはドローンを回転させながらホバリングさせる操作方法で、ピルエットサークルは、ドローンを回転させながら円を描く操作方法でとても難易度が高いのが特徴です。
空撮や点検などの業務では必要ありませんが、日々の操作技術の向上のために操作できるようにしておくのもいいですね。