ドローン3大メーカーの特徴と国内外のドローンメーカーをまとめてみた

ここ数年ですっかり私たちの生活に定着したドローンですが、ドローンのメーカーについてはまだ、あまり広くは知られていません。ドローンはまだまだ成長産業として期待されているので、これから大きく業績を伸ばすメーカーもあるはずです。そこで本記事では現在のドローンのメーカーについて、詳しく紹介します。

かつてはドローン世界3強メーカーと言われたが

ドローンという言葉を日本で多くの人たちが耳にするようになったのは2010年の中頃かと思います。その頃世界では、ドローンのメーカーは3強といわれていました。フランスのParrot社、アメリカの3D Robotics社(3DR)、そして中国のDJI社です。

Parrot

(画像参照元:https://www.parrot.com/en/about-parrot)

Parrot社は私たちがイメージする、ホビー用ドローンの元祖と呼ばれるモデル「AR.Drone」を産み出した会社です。1994年に創業したParrot社は当初、ワイヤレス音響機器の開発などを手がけていましたが、2010年に発売したAR.Droneは高性能を手頃な価格で実現したことによって、世界的に有名になりました。Prrot社の製品はフランスらしく、デザイン性の高い機体が特徴です。現在はミニドローンは手がけておらず、ハイエンドモデルの「ANAFI Ai」を主力商品としています。ANAFI Aiの機体重量は898gしかない小型機ですが、火災時の対応、山岳遭難者の捜索、建物の監視や測量などに使用されています。

公式サイト:https://www.parrot.com/en/drones/anafi-ai

3D Robotics

画像参照元:https://store.mrobotics.io/product-p/mro-quadzero-kit.htm

3D Robotics社は2009年に創業した、アメリカの代表的なドローンメーカーです。3DR社は元々「WIRED」という雑誌の編集長だったクリス・アンダーソン氏が、当時独学でドローンを学んでいたホルディ・ムノス氏とともに設立しました。当初は「IEIS」「Aero」といった一般向けモデルで販売を伸ばしていましたが、後述するDJI社のPantomを打倒すべく開発した「Solo」が不振に終わりました。現在はハードウェアの開発・販売からは撤退し、ソフトウェア開発に注力しています。

現在はDJIの一強時代

画像参照元:https://www1.djicdn.com/cms_uploads/product/cover/82/16fd69a06f4c59bda2c23a0884add5fe.png

現在の世界のドローン市場は、中国のDJI社一強ともいうべき時代になっています。DJIの正式名称は大疆创新科技有限公司(Da-Jiang Innovations Science and Technology Co., Ltd.)で、2006年に中国の深圳で創業しました。

特に有名なのがPhantomシリーズです。私たちがドローンを知るようになった頃、空撮で広く使われていた機体で、4本の腕を持つ白い機体は、誰もがどこかで目にしたことがあるかと思います。空撮以外にも産業用の「Matrice」農薬散布用の「AGRAS」、ドローンの技術を応用したカメラ用ジンバルやアクションカメラなど、幅広く事業を展開しています。今のドローンメーカーはDJI一強時代といってよいでしょう。

知っておきたい国内メーカー

ここまで海外の大手ドローンメーカーを紹介してきました。日本には彼らのように世界中で販売を手がけるドローンのメーカーはありませんが、高い技術力を持ったメーカーがあります。空撮では日本においても相変わらずDJI社の独壇場ですが、産業用ドローンは多くのメーカーが開発に取り組んでいます。

株式会社ACSL

画像参照元:https://product.acsl.co.jp/product/post-369/

株式会社ACSLは国産産業用ドローンメーカーとして、大きな注目を集めている会社です。前身は株式会社自律制御システム研究所として2013年に、千葉大学からのベンチャー企業として発足しました。中でも注目度が高い機体は小型空撮ドローンのSOTEN(蒼天)です。DJIは中国企業であり、現時点で通信等のセキュリティ面で不安視されることがあるのが現実です。

SOTENは飛行データ、撮影データ、通信等のセキュリティ面の不安を払拭することを目指して、純国産機種として開発されました。風や防塵・防水性にも優れ、映像用カメラ以外にも、赤外線カメラ、マルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラなどがワンタッチで切り替えられるのも特徴の一つです。

位置情報はGPSよりも高精度なSLAS/SBAS(準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス)を搭載しています。他にもSOTENで開発した安全性の高いシステムを物流、インフラ点検、災害・警備へと応用した機種を発表しています。

株式会社NTT e-Drone Technology

画像参照元:https://www.nttedt.co.jp/ec101

株式会社NTT e-Drone Technologyは、主に農業のスマート化のニーズからNTT東日本、株式会社オプティム、株式会社WorldLink&Companyが共同出資し、すでにドローン事業を行っていた株式会社エンルートから一部事業譲渡を受けて2021年に発足した会社です。国産の農業用ドローンの開発、ドローン運用支援としてのネットワーク構築、農業以外でもドローンを活用したさまざまな課題解決の支援を行っています。農業用ドローンには「AC101」産業用ドローンに「EC101」があります。またParrot社のANAFIの国内販売も行っています。

株式会社プロドローン

画像参照元:https://www.prodrone.com/jp/release/4690/

株式会社プロドローンは2015年の設立以来、産業用ドローンの技術開発に注力している会社です。国内では特許出願件数No.1を誇り、特に産業用ドローンに必要な基本特許を多く取得しています。代表機種の「PD6B-Type3」は国内初の本格的なドローン配送事業に採用された機体で、最大30kgのベイロード(ドローンで運搬できる最大積載量)があり、さまざまなカメラやレーザー測量装置などを搭載することも可能です。ユニークな機体としては「PD4-AW-AQ」があります。着水・着陸ができる防水型ドローンで漁場の管理やサンゴ礁の生育観察などを目的に開発された機体です。

株式会社クエストコーポレーション

画像参照元:https://oshigoto.nagano.jp/company_summary/447

株式会社クエストコーポレーションはラジコンの設計、製造、販売、FA関連の自動製造装置、自動検査装置の設計、製造、販売を行っている会社です。ラジコンヘリコプター製品を生産してきた実績から、オリジナルの機体も開発、販売しています。ベースの機体にお客さんの要望に応じて、カスタマイズで対応できるのがクエストコーポレーションの強みです。オーダーメイドにも対応しています。

京商株式会社

画像参照元:https://www.drone.jp/news/201608241144188426.html

京商株式会社は1970年からラジオコントロールカーを販売してきた、歴史ある会社です。長年の技術と経験を活かして、2016年にレース向けドローン「DRONE RACER」を発売しました。DRONE RACERはまるでSF映画に登場しそうな、いかにもレーサーらしいスタイル、そして送信機もラジオコントロールカーのガングリップタイプのプロポのようなスタイルをしているのが特徴です。

まとめ

本記事ではかつて世界の3強といわれたドローンのメーカーと、国内のドローンメーカーを紹介しました。少なくとも空撮では当面の間、DJI一強時代が続くのかもしれません。

しかしドローンの活躍の場は幅広く、国内企業も全世界に向けて、大きく発展する可能性が十分にあります。将来の私たちの生活を支えてくれるであろうドローンの技術開発に、ぜひとも注目していきましょう。


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